黄昏 た そ が れ  日光・東北編       南伸坊さんと、糸井重里。昔なじみのふたりが、始終しゃべりながら小旅行。前回は鎌倉の名所をめぐりましたが、今回は日光、松島、花巻あたりを回ります。ゆっくと変わる風景と、めくるめく無駄話。いったいいつまで続くのかな‥‥? そしてこの不思議な企画は、なんとすべてをまとめて本になるのです。いえ、ほんとの話です。
第19回 剣道部に入ろうと思ったが。
糸井 中学とか高校のころって、
趣味のクラブ的なものに入ってた?
南 趣味のクラブ?
糸井 囲碁研究会とか、なんとかさ。
南 ああー、そういうの、ないですね。
糸井 部活そのものをやってなかったの?
南 ええとね、中学んときは、
剣道部に入ろうと思ってた。
糸井 へぇ。
南 こう、小学生のころに、
姉貴に傘を持ってってやったりするときに
教室をのぞいたりするっていうと、
防具かぶったりなんかして、
やってるんだよ、剣道部が。
かっこいいなと思ったんだよね。
糸井 「痛そう」とか思わなかった?
南 とか思わなかったね。
ま、チャンバラの延長って感じで
「かっこいい」と思っちゃったんだろうね。
小学生だからさ。
糸井 でも、剣道って痛いんだよな。
叩かれるのって、
防具があるところだけじゃないからね。
こういう隙間のところとか、
間違って叩かれると、痛いよー。
南 それはね、あとで、
体育の時間に剣道をやったときに知った。
どこを打たれても痛い。
ずばり、正面から面を打たれても痛いよね。
糸井 オレは小さいころから
剣道はするもんじゃないと思ってたよ。
痛いに決まってんじゃん、と思って。
南 へぇ、頭のいい子どもだったんだなぁ。
糸井 そういうのを見抜くのは、早かったね。
「おまえら痛いぞ、それは」って思ってた。
剣道だけじゃないよ。
柔道で投げられたって痛いじゃないですか。
南 痛いねぇ。
糸井 畳の上にドーンと投げられたりしたらさ、
どうやったって痛いじゃないか。
南 痛い、痛い。
受け身の練習っていうのを
やらされたりするんだけどね、
受け身とったって、痛いものは痛い。
糸井 剣道なんか、
竹刀っていうある種の武器で
打たれるわけだからね。
どう考えても、ものすごく痛いよ。
南 あれ、どういうわけか素人相手でも
手加減せずに打ち込んでくるんだ、剣道部は。
まぁ、剣道部には入んなかったんだけど。
糸井 え、入んなかったの?
南 やりたかったんだけど、
剣道部の部室さがしてウロウロしてたら、
弁論部に引っ張り込まれちゃったんだよ。
糸井 弁論部!
南 こう、部室がずらりと並んでてさ、
新入生はそこを訪ねていくんだけど、
剣道部の部室にたどりつくまえに、
どういうわけだか‥‥弁論部に。
糸井 くわしく聞きたいねぇ、弁論部。
南 はははは。
(聞きたい聞きたい。つづきます)

2009-10-21-WED

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