黄昏 た そ が れ  日光・東北編       南伸坊さんと、糸井重里。昔なじみのふたりが、始終しゃべりながら小旅行。前回は鎌倉の名所をめぐりましたが、今回は日光、松島、花巻あたりを回ります。ゆっくと変わる風景と、めくるめく無駄話。いったいいつまで続くのかな‥‥? そしてこの不思議な企画は、なんとすべてをまとめて本になるのです。いえ、ほんとの話です。
第25回 料金箱とななめ式ドラム。
糸井 頭のいい人たちが
パソコンにさまざまな改良を施して、
どんどんパソコンが優秀になってるんだけど、
それぜんぶが稼ぎ出した量よりも、
洗濯機のななめ式ドラムが稼いだ量のほうが
ぜんぜん大きいっていう話があってさ。
南 いい話だねぇ。
糸井 いい話だろう、これは。
南 ホッとするね。
糸井 なんていうか、希望があるよね。
南 あるある(笑)。
糸井 ななめ式ドラムの洗濯機、お宅は?
南 ななめになってるかもよ。
糸井 うちもだよ。
だから、このリアリティーなんだよ。
ぼくはね、こういうことを、
つねに本気で考えて生きていきたいんですよ。
「それがあってよかった」っていうことを
しつこく、本気で考えてさ。
南 たとえば、どんなことだろうね?
糸井 たとえば、その、なんだ、
高速道路のETCってあるじゃない?
ま、あれができて、
たしかに便利にはなったけど、
なんというか、パソコンの進化と似てるなと。
南 ほう。
糸井 そうじゃなくてね、ETCができるまえに、
ぼくが思っていたのは、
たとえば、高速道路の料金所で、
機械にお金を入れようとして車を寄せても、
距離感を間違えて届かなかったりするでしょ?
駐車場の料金箱とかでも。
南 うん。
糸井 そういうときに、向こうから来い、と。
南 向こうから?
糸井 うん。機械がこっちに来るべきだよ。
南 (笑)
糸井 ふだんは動かなくていいけれども、
「あ、この車は、届かないな」と思ったら、
そっちからお金を取りに来いと。
南 お客さんからお金をもらう立場なんだから。
糸井 そうそう(笑)。
左ハンドルのときなんか、もう、
ようこそいらっしゃいましたと言って
手を握ってほしいくらい。
南 来い、と。
糸井 来い、と。
南 でも、あの料金箱が、
そこらへんをウロウロしてても困るね。
糸井 ああ、街を歩いてたり。そりゃ困る。
南 こう、観光客にまとわりついたりして。
「高速道路はいかがですか」とか、
「安い宿を紹介しますよ」とか。
そのかわり、ここにお金を入れろと。
糸井 料金箱が(笑)。
南 料金箱が(笑)。
糸井 それは、払う筋合いはない。
南 「ノー、ノー!」だよね。
糸井 「ノー、ノー!」だよ。
南 いい料金箱もいるかもしれないけど、
悪質な料金箱もいるかもしれないし。
糸井 うん。注意したほうがいい。
というか、そこまで歩き回らなくていい。
南 ははははは。
糸井 ただ、車が料金箱に寄り切らなかったときに、
料金箱のほうから近づいてくるくらいの
ちょっとした工夫ができないものかなと、
そういうことをずっと考えてるわけですよ。
その、ななめ式ドラムと同じようにね。
南 料金箱が、
ちょっとななめになりゃいいんだよね。
車が来たときに。
糸井 あっ!
南 どう?
糸井 すごい! それはすごい!
南 もしかして、いいアイデアだったかな。
糸井 やっぱり、オレと伸坊は、
ふたりで会社をやる?
一同 (爆笑)
糸井 そうだよ、
料金箱がななめになればいいんだ。
南 ははははは。
糸井 そうだ、そのとおりだ!
なんて、打てば響く男なんだ。
南 ははははは。
糸井 みなさん、ここにいるのが、
ぼくの昔からの友人の、南くんです。
一同 (拍手)
南 (笑顔で手を振る)
糸井 友を選ばば才長けて。すばらしい。歌おう。
南 (笑顔で手を振る)
一同 (拍手)
(拍手しながら、つづきます)

2009-10-28-WED

前へ 最新のページへ 次へ

(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN