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ほぼ日事件簿・こんなことでした

トレーニングの日々(脱線)

ほぼにちわ。
木工用ボンドGです。
トータルワークアウトでの
3週間のプログラム終了後、
食事制限のキビシイやつからは
いったん解放されたのですが、
気持ち的には、「たんぱくしつたんぱくしつ」と
唱えて日々すごしております。
(継続して体は鍛えにいってますし。)

で、ともすると、食物のことばかりを考えて
暮らしていたりもするわけです。
食品とか食物、とか書いてある本を見つけると、
速攻購入してむさぼるように読んでいます。

興味は、筋肉から、食い物に移動!
なんてったって、自分は食べ物からできてるから!

で、面白い本をみつけました。


「食と文化の謎」マービン・ハリス
岩波現代文庫 1100円


作者は文化人類学者。
栄養学、医学、生物学、経済学なんかの知識も使いながら、
人の食べるものの種類はなんで限定されているのか。
嗜好ではなくて、
コスト(経費)とベネフィット(利益)の関係で、
選択されてるってことを主張する。
つまり、その食事にありつくまでにかかるコストと
(ものを栽培したり、家畜を飼ったり)
そこから得られるだけのカロリーと栄養素の関係で
食物の種類が選択されているってこと 。

アメリカ人の発想の自由さと、
強引に説得される気持ちの喜びを味わえるのであります。

以下、ちょっと物騒な話もありますので、
カニバリズム(人肉をたべること)のことがでてくるので
ちょっと、カンベン、って方はおよみにならないでね。
あくまでも、モラル的なことは、いったんおいておいて、
のお話でございます。

●たんぱく質摂取のためには、なんの肉?

人を構成するたんぱく質は
22種類のアミノ酸からできている。
そのうち、10種類は、人体が合成できないので、
外からとってくるしかないのであります。

たんぱく質を食べる

アミノ酸に分解されて貯蓄

アミノ酸たりなくなる

貯蓄されたアミノ酸から順次つかわれていく。
このときに、必須アミノ酸のなかの
最低の貯蔵量のアミノ酸が使い切られるまでつづく。
使い切られちゃうと、その他のアミノ酸は、
もういらないってことで、
脂肪になるかエネルギーに変換される。

という人体の仕組みがあります。

で、植物にも、人間以外の動物もアミノ酸はあるのだ。
植物性たんぱく質(大豆、穀類など)もそうだし、
さまざまな家畜動物の肉ももとといえば
アミノ酸でできている。

が、それらは、人体にとって
効率のいいアミノ酸のバランス、ではないのである。
人は、アミノ酸メチオニンを
スレオニンの4倍必要とするけど、
豆類には、メチオニンの4倍のスレオニンを含有してる。
つうことは無駄がでるわけだよ。

で、鳥肉でも牛肉でも
人体に必須なアミノ酸の含有率の値は、
人体にジャストフィットじゃないのであります。

というわけで、トータルワークアウトでは、
たんぱく質は動物性のものがいいですよ。
というのは、これだったんですね!
無駄なく、筋肉に変換するためには、
より、人のたんぱく質の構成アミノ酸に
近いほうがよい。というわけで。

ただ、オマケもついてるんですが、
豆と穀物を同時に取ると、
人体に必要なアミノ酸っていうのがほぼ補えるのだそう。
(米にみそ汁ってよくできた話だなあ。)

う〜ん。納得。


●もしかして、効率がいいのは?

で、上の理論をすすめていくと、
じゃあいちばん効率がいいのは、
自分と同じ種類のたんぱく質をたべること??
ってなっちゃうんだけど、そうもいかない。

つまり、人を食用に確保するためには、
コストがかかる割には、得るものが少ないから。

まず、捕まえるの大変!
知能の程度は、自分と同じ。
捕まえたあとに、恨みをかって、
捕まえた血族に反対に殺されるリスクがございます。
また、家畜として、人を飼うためには、
自分と同じ食物を与えないとそだたないので、
単純に、食いぶちが増えてしまうってことになる。

ってことが、
(コスト/ベネフィット)の考え方でも共食いは
する意味がないと説明がつくのだ! と。

●特定の食べ物のなぜ?

本はもちろん、共食いのことばかりではないのです。
大部分が、たべている肉はどうしてたべるの?
っていう疑問から、
なんで、そんなものをたべるの?っていう疑問までを、
(コスト/ベネフィット)の考え方で、
全部説明をつけてくれるのであります。

なぜ宗教が牛を禁じたり、豚を禁じたり、
っていうことをするかっていうと、
それは、その宗教が発生した場所で、
その肉を食うってことが、コストがかかりすぎるから!
禁止しないと、その場所での生活が豊かにならないから。

ほかにも、
・ヒンズー教徒はなぜ牛を食べないのか
・イスラム教徒はなぜ豚をたべないのか
・馬をたべる、たべない
・アメリカで牛肉がいちばん食べられてる理由
・牛乳をのむ人種、飲むと腹がこわれる人種のわけ
・昆虫をたべるということ

なんてことが、うまい具合に説明されてるんです。
「ヒンズーのシヴァ神ののる動物が牛だから、
 牛は神聖なもの。
 だから、ヒンズー教徒は牛を食べない。」
ということの裏には、科学がある?
なんて考え方がおすきな方にはたまらない!

というわけで、
トレーニングのおかげで面白い本に出会えました。

2001-10-28-SUN

TORIGOOE
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