「フランスの子どもたち、 習い事も大人っぽい?!」
つい先日、この「パリこれ!」の イラストを書いてくれている フランス人アーティスト、 ジェロームさんの娘ちゃん(9歳)の習い事 「テアトル」(演劇)の発表会を 見に行ってきたよ!
おとなしくておっとりさんの長女、ソラちゃん。 主張してなんぼの、 そして女子がめちゃくちゃ強い このおフランスでやっていけるかしら?
なんてたまに心配しているパパとママですが、 演劇という習い事を通して、 ちょっとは度胸がつくかな?! と期待しているみたいです。
がんばるソラちゃんの晴れの姿を見ようと、 「近所のしょぼい習い事の ただの発表会だよ~。」 なんて言われて出かけていったら、もうビックリ。
発表会場はちゃんとした劇場だし (市の劇場を提供してくれるんだそう)、 衣装も舞台照明なども本格的。
そして何より驚いたのは、 6歳~11歳くらいのちびっ子達がする 演劇なのに、 とても「大人っぽい」ということ。
なんと説明したらいいのでしょうか‥‥。 小さな子供たちの習い事発表会。 「微笑ましさ」「かわいさ」が 全面に出たような 日本の学芸会的なものだと 想像していたのですが全然違いました。
舞台装置は必要最低限のもののみ。 「子供の演劇発表会♪」 的に、かわいさを求めて 媚びるものは一切なし。 でもそのシンプルさが とてつもなくかっこいい。
子供たちの演技もセリフの言い方も、 仕草ひとつひとつも、上に同じく。 子供らしいかわいさを求めたものではなく、 ごくごくナチュラル。 市長役も、父兄役も、看護婦役も、 先生役も、生意気な生徒たち役も‥‥etc. 一瞬、10歳にも満たない子供がやっていることを 忘れてしまうほど大人びていて。
見ている大人たちもすごくシビア。 もちろんみんな、 自分の子供達の出番はうれしそうに 見ているけれど、 素晴らしい演技をした子には ひときわ大きな拍手が送られたり、 声が小さすぎて聞こえない子には 「もっと大きく!」と ゲキが飛んだりもするのです。
あ~、こういうところから、 フランスの媚びないかっこよさ、 「若い」「かわいい」が ちやほやされたりせず、 いかに素敵な大人であると認められることが 重要であるという価値観が 育てられていくのか‥‥、 と、久しぶりに大きな衝撃を受けた、 演劇発表会。
小学生のアイドルが、 「かわいい」「かわいい」と言われ ちやほやされ、 ニュースで流れる日本の世界には 正直いつも違和感を感じている私なのですが、 この日、日本の子供の発表会とは 真逆をいくフランス版発表会を目の当たりにして 「こりゃ~全く違う価値観の人が 育っていくわけだわ」 と大納得したのでした。
ちなみにね、発表会が始まったのが夕方18時。 小学生以下の部が終わったのが20時。 中学生以上の部が終わったのは23時前。
えっ‥‥。 発表会、そんな時間までやっちゃうの? (次の日は祝日で お休みの日だったんだけどね) 時間まで大人っぽいのかいっ! と、ビックリが連続の フランス習い事発表会なんだよ。
2015-06-02-TUE