バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 


   

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午前は学校、午後はバレエ?!
子供たちの夢を応援する仕組み

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午前は学校、午後はバレエ?!
子供たちの夢を応援する仕組み

バブー

みなさん、ボンジュ~ル。

先日、日本のニュースで、
「プロ野球のドラフト会議で
14歳の中学生が史上最年少で巨人に指名された」
というのを見かけたよ。
報道によると、これからは普通の高校に通いながら、
学校が終わった夕方から練習に参加するとか。

日本では、勉強と本格的な練習の両立は、
「放課後」と本人や家族の頑張りに
かかっていることが多いよね?
たとえばフィギュアスケートなら、
学校前の早朝練習のために
夜中から車で貸切のリンクに向かうとか。
学校に行かなくてもいい
通信高校のようなシステムで勉強する選手の話を
耳にすることも多いよね。

 

とのまりこ
一方フランスでは、
「午前中は学校、午後はスポーツや音楽の練習」
といった形で、
勉強と夢のための時間を
学校の「時間割」の中で調整できる
仕組みがあるのです。

音楽、ダンス、演劇、スポーツ各分野で
中学校や高校(早い分野は小学校から)で、
週に数回、半日分の授業がなくなり、
丸々あいたその時間に、
提携するそれぞれの専門の学校で
レッスンを受けられるシステム。

(音楽、ダンス、演劇には
芸術系の「時間割調整クラス」、
スポーツには「スポーツ・エチュード」など
呼び方や制度の内容は
分野によって少しずつ異なります)

 

以前このコラムでも紹介した
「公立の音楽・舞踊・演劇学校」である
コンセルバトワールは、文武両道システムを
使う子供がたくさんいる代表格。
音楽、演劇、ダンスの各分野で半日学校で勉強して、
半日レッスンをするコースに通う子供がいます。

 

バブー
メディアに取り上げられたり、
特集番組などで見かけることが多いのが、
「パリ・オペラ座バレエ学校」かな。
バレエ専門の校舎まであって、
朝8時から12時までは普通の学校の授業、
お昼を食べたら13時半からは
バレエのレッスンをする学校なんだ。

バカロレア(=高校卒業資格)まで
きちんと学業を続けられるシステムで、
オペラ座バレエ学校に入れるような
エリートダンサーでさえ、
踊れるだけでなく、教養のあるダンサーを
育てていこうという徹底したシステムなんだ。

息子の学校で数学年上にいた日本人の男の子も、
このシステムを使うために小学校途中で学校を変え、
その後見事にオペラ座のバレエ学校に入って
頑張っています。
半日勉強、半日レッスンのシステムがある学校は、
いくつかに限られるので、
このシステムを使いたい人は学校を変えていきます。

とのまりこ
サッカーの場合もすごくて、
フランスサッカー連盟の教育機関
「INFクレールフォンテーヌ」は、
選抜された若い選手たちが、
本格的なサッカーのトレーニングと
学校での勉強を両立しながら
将来を目指していく場所。
ティエリ・アンリやエムバペも、
このINFで育成を受けた選手たちです。

プロになれなかったときのことまで
ちゃんと考えられているんだなと、
フランスのこのシステムには
感心させられっぱなしです。

バブー
バレエにサッカーに音楽に‥‥
将来トップになることを
ほぼ約束されているような
超エリートのためのシステムなのかと思うと、
決してそれだけではないみたい。

もちろんある程度、それぞれの学校に
受かるような実力は必要だけど、
「とにかく大好きでもっとやりたい!」
という熱量を理由に、
このシステムを使う子供たちも、
けっこう多いみたいだよ。

とのまりこ
私の友人知人の中だけでも、
バレエや楽器関係は片手で収まらないほど、
このシステムで学んでいる子供たちがいます。
そのほか、
演劇やダンスなどミュージカルの道、
フィギュアスケートや体操の道など
各分野の子供たちがいて、
みんな勉強も芸事も一所懸命頑張っています。

ちなみにフィギュアスケートの場合は
午前中が練習、午後が学校の勉強だそうで、
競技によって時間の振り分けは違うよう。

息子の通うテニスクラブにも
このシステムがあって、近くの中学・高校と提携。
月曜から金曜の午前中を勉強にあて、
午後はテニスの練習や
体づくりのトレーニングをしている子供が
24人いるんだそうです。

音楽との両立のためにこのシステムを使っている
友人の子供たちも何人もいます。
必ずしもプロになるわけではないけれど、
みな音楽も勉強も集中的に頑張っていて、
まさに文武両道が体現されたこのシステム。
素晴らしいなと思いながら見ています

フィギュアをがんばるためにこのシステムを使っている
友人の子供も3人いて、いつも遠くから応援しています。
いつか日本かフランスの代表として、
テレビの中で活躍する姿を見れるかな?!

 

バブー
フランスの学校って、たとえば小学校も
昼休みが1時間半~2時間くらいあったり、
中学や高校の時間割も
歯抜けのように空いている部分があったり、
朝の登校時間が遅い日があったり、
ぎゅっと詰められる部分もすごく多いから、
『午前中だけ勉強』といっても
勉強の時間がすごく短くなって
しまうわけではないんだ。

制度によっては授業時間を
一部調整することもあるけれど、
学校側のサポートと連動して、
公教育の履修内容をちゃんと効率よく
勉強できるシステムになっているよ。

早い段階からプロを目指していた人が、
万が一、怪我や実力不足で夢を諦めても、
その人の人生は続いていくよね。
だからこそ、競技だけではなく、
学校の勉強も続けられるようにしておくのは
きっととても大切なこと。

たとえばテニスの世界では、
プロテニスプレーヤーにならなかったとき、
スポーツビジネスやマネジメント、
理学療法士やトレーナー、
スポーツ医学などの方面に
進む選択をする人もいるみたいだよ。

 

サッカー、テニス、スケート、体操などの
スポーツはもちろん、
チェス、数学、化学、サーカスなどの
分野の時間調整クラスもあるようで、
好きなことがある子どもには、とてもよいシステム。

 

夕方まで学校で頑張って、
そこから夜遅くまで練習‥‥じゃなくて、
最初から
「午後は夢のための時間」として
空けておける。
「根性」より「仕組み」で応援するのが、
フランス流。

やりたいことがあったら本当に楽しいし、
羨ましいこのシステム。
これこそまさに『文武両道』で、
とってもいいと思うんだよね。
みなさんはどう思う?!
それでは今週もよい1週間を!

 

 

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

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東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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