「じゃがいもを ポケットに、 で腰痛が治る?!」
仲良しのフランス人ジェロームが またまた不思議なことを言い始めたよ。 今日は久しぶりにフランスの迷信シリーズだよ。 (本人は迷信だと思っていないから 「迷信」って言ったら怒られるか?!)
先日、とある日、 一緒にレストランに行ったら、 「マリコは腰痛とかないのか。」 というので、 「あるよあるよ。 私なんて腰痛と肩こりに 1年中悩んでいるよ。」 と答えたら。 嬉しそうにニヤッとするジェローム。 おもむろにポケットから ぐちゃぐちゃに丸まった ティッシュの包みを取り出して、 「これをポケットに入れておけ。」 と‥‥。
ジェロームが取り出したのは、 小さなじゃがいも。
「腰痛にはじゃがいもが効くんだ。 これを腰に近いポケットに入れておけば すぐ治る。」 というまたまた不思議なことを 言い出したよ?!
「いやいや、何それ。 そんなのあるわけないじゃん。 また変なこと言い出したし。」 とちょっぴり鼻で笑ったら、 本気でムッとして
「嘘じゃない! 昔から伝わる本当の話だ。 嘘だと思うなら いいからポケットに入れてみろ。 俺も今日の朝よりかなり具合がいい。」
と、無理やり私に じゃがいもを手渡してくれました。 ジェロームのポケットに入ってたから、 ほんのり温かいじゃがいも‥‥。
これは日本でいう風邪を引いたらネギを巻け? とかそういう「おばあちゃんの知恵」的なもの? と思って調べてみたら、まあ確かに。
「腰痛」と「じゃがいも」というキーワードで、 ネット検索すると、 なんかそういう感じのことが出てくる出てくる。 「かつて、医者などいなかった時代‥‥」 という書き出しの 様々な昔の人の知恵の治療について 書かれた文献みたいのが出てきたり、 細かくしたのを布に入れて 患部に当てるというような 「湿布」的な使い方の文章も出てきたり。
ジェロームの作り話ではなかったということが 判明。 (そんなこと言ったら また本人に怒られるけど笑)。
あの日も結局、 「どうだ。腰の調子は。よくなっただろ?」 なんて、レストランで食べながら 何度も何度も聞いてくるし。 同じく腰痛に悩むというシェフにも 「じゃがいも治療法」を力説するし。 「ちょっと俺は仕事が忙しいから先に帰るけど、 そのじゃがいもは君たちにやるよ。」 と、颯爽と帰って行ったジェローム。 あんなに力説してるから、試してみたらと、 ジェロームにもらったじゃがいもを シェフにあげたら。 「このじゃがいも、今晩の料理に使うわ。」 なんてシェフ。 その日の夜、 「あのじゃがいも、 ほんとに使わせてもらったよ。」 と、シェフから来たメッセージは ジェロームには秘密にしてあります笑‥‥。
さて、
「じゃがいもをポケットに入れておくと 腰痛が治る」
あなたは信じる?!信じない?! 腰痛持ちの方。 よかったら試してみてね!
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2020-10-13-TUE