「郵便配達は バスやメトロで?!」
パリでメトロやバスに乗っているとね、 通勤中?? というか配達中?? の郵便局員さん達に頻繁に遭遇するよ。
フランスの郵便局「ラ・ポスト」の人たち、 それぞれの基地から、 自分の担当エリアの郵便物を カートに入れて出かけます。
基地から歩いて回れる距離の配達は 歩いて。 バスやメトロに乗って移動する距離の配達は 公共交通機関に乗って。
というわけで、乗客に混じって 普通にお仕事配達中の郵便局の人たちと 一緒になるのですが、 なんとなく不思議です。
▲午前中は郵便カートを押す郵便局の人たちとしょっちゅう遭遇します。
我が家にプチモンスターが生まれてからは、 毎朝だいたい決まった時間にバスに乗って 保育園に送りに行くようになって。 それがちょうど郵便配達の時間とかぶるから、 毎日のようにバスで郵便配達の人たちと 一緒になるんだよ。
▲ベビーカー置き場に一緒に並んで仲良く通勤・通学♪
パリのバスは、車両のちょうど中程、 後ろのドアのあたりが座席のない、 「ベビーカー」や「車椅子」などを 置けるスペースになっていますが、 郵便配達の人たちも大きなカートを このスペースに置いて。
▲バスの中でこんな感じに郵便通勤中の人と遭遇します。
一般の人に混じって 普通にバスで通勤します。 同じ方面に行く配達員達が乗り合わせると、 みんなでおしゃべりを始めてワイワイ。 次のストについて議論を交わしたり。 次のバカンスについて盛り上がったり。 (こういう内容がめちゃめちゃフランスっぽい。)
カートを積み込んだら、 普通に座席に座ってくつろいで おしゃべりしながら降りる駅に向かいます。
私はついついなんでも 「これが日本だったら‥‥」 なんて比べてしまうのですが、 こういう風景、日本だったら もしかして許されないかもなあ‥‥、 と、自由なおフランスが ちょっと羨ましくなるのです。
郵便局の人たちだけじゃなく‥‥。
バスの運転手仲間が 勤務を終えて帰る途中、 自分の最寄り駅まで バスに乗っけてもらい、 運転中の運転手の真横を陣取って、 楽しそうに話し込みながら 目的地まで行くとか。
▲郵便カートを押して配達中の郵便局員。歩きタバコしながらも普通です。
メトロのホームの清掃係のムッシューが、 バケツとモップを持って 電車に乗り込んで 我先にと席に座る姿とか。
郵便局員、警察官、 バスやメトロの運転手、清掃局員など、 勤務中にしろ勤務時間外にしろ、 制服を着ているような職業の人たちが 自由にしている姿を見て、 ある意味こっちも正しいのではないかと 思っちゃう?!
▲メトロのホームで待つのはホームの広告ポスターはりのムッシュー。
おフランスの自由な 仕事スタイルを見るたびに、 勤務後にうどん屋さんでうどんを食べていて 「けしからん!」となっていた 日本の消防団員のニュースを思い出す ボクとまりこちゃんです。
あれが「けしからん!」のなら、 おフランスは24時間「けしからん!」 ニュースでいっぱいです。
▲郵便物が入っているカート。これをゴロゴロ押して、担当の配達区域を回ります。
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2019-02-19-TUE