バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「もうひとつの口癖。
 『ボクのせいじゃない』?!」

 
     

バブー

「ボクのせいじゃない!」

これ、フランス人の2つ目の口癖。

とのまりこ

以前の記事で登場した
フランス人のひじょ~に得意な口癖、
「C’est pas grave.」(セパグラーブ)
=「たいしたことじゃない」

これとトップを争うもうひとつの口癖が、
「C’est pas moi.」(セパモワ)
時には
「C’est pas ma faute.」(セパマフォートゥ)
の、「わたしじゃない」
「わたしのせいじゃない」です。

取材先のお店に約束の時間に行くものの、
「聞いてない」
の返事。(まあフランスでありがちなことだが)

でた~。。。が~ん。。。

「いやいや、昨日電話で約束してあるはずです。」
と言えば
「セパモワ=オレじゃない」。

つまり、「オレが電話に出たわけじゃないから
そんな約束は知らない。」ってこと。

観光で日本からパリに来ていた友人が
転んで足をねんざしてしまって。
医者に指示されたレントゲン検査と
テーピング治療をしに、
翌日同行したことがありました。
(ちなみに超有名でお値段もお高い大病院へ。)

レントゲン科の受付カウンターにて。

「すみません、昨日先生から、
 レントゲンの所へ直接行きなさい
 と言われて、今日ここにきました。」

「え、そうなの? 聞いてないわ。」

「いやいや、
 先生から、ここへ来なさいと言われて
 来ただけだし‥‥。」

「セパモワ」
(とにかく私は聞いてないし、
 その場にいたわけじゃないし
 あたしの役割じゃないし。という意味合い)

が~ん。。。その1。

その後、なんとか無事にレントゲンを撮ってもらい、
骨に異常がないことを確認。
できあがったレントゲン写真を
わたしたちに返却しながら
結果を伝えるカウンター係のマダムに
(ちなみに、みなさん暇で、
 ほとんどカウンター内で
 おしゃべりをしていらっしゃいます。。。)、

「はい、骨は折れてないみたいね。
 なんともなってないわ。
 大丈夫。終わりよ。」

と告げられる。

「ええと、いやいや、レントゲンを撮ったあと、
 いずれにせよかなり腫れているから
 テーピングをしてきなさいと言われてます。」

そして答えはもちろん。

「セパモワ」
(あたしはレントゲンを返すカウンター係であって
 テーピングは別の係なわけだから関係ない。
 あたしじゃないという意味合い。。。)

が~ん。。。その2。

その後、テーピングにたどり着くまでの道のりが
いかに長かったかは、
もうここでは説明しきれません。。。

バブー
「セパグラーブ」(たいしたことじゃない)に
「セパモワ」(わたしじゃない)。
フランス人の口癖の2大言葉。
フランスにいると、1日中もうあっちこっちで
何回もこの言葉を耳にするよ。

とのまりこ
問い合わせをしても
「セパモワ」
間違いを指摘しても
「セパモワ」
(私の仕事範囲じゃないから知らんってこと)。

「セパグラーブ」と「セパモワ」を連発して、
何があっても無敵♪
1人でもクレイマーやモンスター◯◯がいたら
ニュースになる日本とは、まさに180度違う世界。

TVCMが放送中止になることもないし。
ドラマの内容が変わることもないし。
漫画連載が休止することもないし。
(もちろんどちらが正しいのかは別ですよ。
 ただ問題が起こった時の対応の違い、という意味で。)

「セパグラーブ」と「セパモワ」の嵐に、
わなわな震えちゃうほど怒りに包まれることは
しょっちゅうだけど、もうこれが彼らの口癖。
「謝ったら負け」の世界なんです。

そういえば最近、
言うことを聞かないから怒られている
友だちのハーフの子供、幼稚園児5歳が、

「もう今日はゲームもおやつもなしだからね!」

とママに言われ

「せ~ぱ~ぐら~ぶ♪」

って生意気返事しているのを目撃。
こ、こ、こうやってみんなフランス人に
なっていっているのね。。。
と衝撃を受けました。

バブー
「セパグラーブ」(たいしたことじゃない)

「セパモワ」(わたしじゃない)。

「これは1本のペンです。」
って教科書の1ページ目に出てきそうな例文より
よっぽど役に立つはずのフランス語。
みんな覚えておいてね♪

ボクもね、いたずらして怒られたら
「セパモワ」って、
まりこちゃんに分からないように
イヌ語でつぶやいてるもん。

 

2014-05-20-TUE


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