「巨大なテディベアが 街のあちこちに?!」
365日、世界中からの観光客で賑わう 花の都パリが静かになってしまって、1年以上。 「毎年のようにパリに遊びに行っていたのに 去年はいけなかった!」 という人もけっこう多いんじゃないかな??
そんなパリでは今、あちこちで 巨大なテディベアのぬいぐるみたちを見かけるよ。 世界中からの観光客の代わりに。 巨大なクマさんたちをね。
▲テイクアウトしか許されていないカフェやレストランでは、 とりあえずテディベアがいっぱい。
ず〜っと閉鎖されたままのカフェやレストラン。 扉が閉じられたままのホテル。 (やっているところももちろんありますが、 観光客がほぼいないので閉めたままのホテルも多い。)
そこに観光客の代わりにいるのは 巨大なぬいぐるみのクマたちという光景が、 パリのあちこちで見られます。
▲長い間閉め切られたカフェの中で人間の代わりに飲み食いするクマさんたちは、 もう若干ぐったりしてきているようにも見えるけれど‥‥。
まるでコロナで観光客がいない代わりに クマさんたちで盛り上げる、 という構図に見えるのだけど、 実はこれ、コロナとは関係なく 2018年の11月から始まった プロジェクトの影響なんだ。
▲上の窓からもクマさんが覗いている。 パリを歩いていると、締め切られたホテルの全ての窓にこんな風にクマさんがいたり、 あらゆるところに隠れていて、リアル「ウォーリーを探せ」クマさん版みたいになって 心を少し明るくしてくれます。
パリ13区(5区と13区の境)のゴブランエリアで 始まったこのプロジェクト。 この地区で書店を経営する店主が、 「みんなに楽しんでもらって喜びを与える」ために 「Les nounours des Gobelins」 (レ・ヌヌース・デ・ゴブラン) =「ゴブランのぬいぐるみのクマちゃんたち」 というプロジェクトを発案し、 店頭に巨大なクマちゃんを置いて 通りかかる人たちを喜ばせたのが 広がったものなんです。
▲昨年からず〜っと閉められているカフェを占領する巨大くまさんたち。 もともとのプロジェクトが始まったエリアとは全く関係ないパリ中で この現象がみられます。
何しろ今はSNSの時代。 誰かがパシャリと写真を撮って、 インスタやTwitterに載せる。 するとそれがどんどん広まっていく! ゴブラン地区のカフェやレストランやパン屋や ホテルや商店やメトロの入り口や。 いろんなところにこのクマが出現して。 さらに話題になってどんどん広がっていく!
▲フォロワー2.6万のプロジェクトのインスタを見れば パリを占拠する巨大クマさんたちの人気っぷりがわかります。
それがこのエリアを超えて、 パリ中に広がっていく。 だからもともとはパリのゴブランエリアから 始まった、楽しいプロジェクトだったんだ♪
▲オペラ座も、このとおり。
今のパリでこのクマたちを見かけると、 どうもコロナでカフェにもレストランにも ホテルにも人が入れないから、座れないから、 代わりにクマさんたちにいてもらって なんとかこのコロナ時代を乗り越えよう、という メッセージにも見えてきちゃうんだけどね。 もともとはそんな楽しいプロジェクトから 始まったことだったんだよ!
▲早くこのクマさんたちの代わりにこの席に座ってカフェを飲みたい‥‥。 街を歩いていて、ちょっと座って一息つくということができない世界はけっこう困るのです。
観光客が戻ってきたら、 カフェやレストランを占領しているクマたちは 姿を消すかもしれないけれど、 「通りかかる人たちを楽しませるため」 のクマたちはそのままのはず! 次にパリを散歩する時は、 巨大なクマさん探しも楽しんでみてね!
▲ボクも「ヌヌース」(くまちゃん)とフランスのいろんなところを旅したよね。 りありー?さん。ある意味このプロジェクトの何年も前に クマさんブームを起こしていたのはボクだった?!
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※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2021-03-02-TUE