「小麦持ちは、 お金持ち?!」
クリスマスまであと約1ヶ月。 パリは街のあちこちで クリスマスの装飾がすでに完成していて ライトアップされる通りも増えてきたよ!
1年で1番の盛り上がりとなる クリスマスという行事に向けて、 気分高揚中のフランス人たち。 集まれば話題になるのは、 「ブラックフライデー」 「クリスマスプレゼント」 「2月のバカンスのバカンス&旅行」 「4月のイースターのバカンス&旅行」。 はたまた 「7月と8月の夏休みのバカンス&旅行」 の過ごし方まで‥‥! バカンスやプレゼントの話が永遠に尽きない 『バカンスのために生きる!』 おフランスです。
▲フランスの冬の風物詩のひとつ「ラクレット」。 日本で言う鍋?! ハムやサラミ、じゃがいもにとろけたチーズをかけていただきます。 詳しくは以前のコラムもご覧ください♪
欲しいもの、行きたいところを 言い合いながら、 「まったく、いくらお金があっても 足りないね‥‥。」 なんて話を先週末もしていたところですが、 そこで登場したのが
「Il a du blé.」(イラ・デュ・ブレ) =「彼は小麦を持っている」
という表現。
フランス語で「小麦を持っている」、 「お金持ち」ってことなのです。
▲集まればこの先のバカンスの話で永遠に盛り上がるフランス人たち。 12月、2月、4月、7ー8月とバカンスがやってくるフランス。 いくら『小麦』があっても足りなーい(笑)。
「小麦を持っている」=「小麦の蓄えがある」 つまり食べるものに困らないし、 売ることもできるし、餓死する心配もない という意味から 「お金持ち」って表現に繋がっているんだって。
70年代から90年代くらいに 最も使われていた表現だそうで、 40代より上の人たちがよく使い、 今の若い人たちはこの表現は使わないんだって。
▲すでにクリスマスマルシェ(マーケット)のようなイベントもちらほら。 学校のお友達たちとみんなで夜のお祭りへ!
▲子どもたち、馬車に乗せてもらって夜のパリのお散歩へ。
かつて真っ白いパンが買えるのは お金持ちの象徴だったろうし、 「小麦」=「お金持ち」 とつながる表現は なんだかスムーズに想像ができますよね♪
ちなみに日本では「薄力粉」「強力粉」などと 種類が別れる小麦粉。 フランスでは「T45」とか「T55」のように 45から170までの数字で表されます。
▲「小麦持ち」になりたいフランス。小麦粉の種類はいっぱい。 上にはT45、下にはT55と書いてあります。 45から170までの数字によって「薄力粉」「強力粉」「全粒粉」などのタイプに分けられています。
分類の仕方が違うので、厳密に言うと 日本とフランスの比較は難しいけれど T45というのが日本の薄力粉に いちばん近いもので、 日常的にいちばん使うよ。 T45をはじめとして、 T55、T65、T80、T110、T150、T170 と種類が分かれていて、 パンやお菓子の国だからこそのこの品揃え!
「小麦を持ってる」はお金持ち。 ボクも小麦持ちになりたいなあ‥‥。 それでは今週も素敵な1週間を!
▲先週は初雪も降ったパリ。 ボクはあったかいところを探してぬくぬくしているよ。
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「シンプルシックで心地よい暮らし パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」 出版社 : 世界文化社 発売日 : 2021/5/29
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2024-11-26-TUE