バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「何世代も引き継がれる
サーカス?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「何世代も引き継がれるサーカス?!」

バブー

秋のバカンス2週目に突入しているフランス。
幼稚園がお休みの5歳を連れて、
毎日楽しいことを企画している
ボクの飼い主まりこちゃん。
パリをあちこちお散歩して楽しんでいるんだけど、
先週は100年以上の歴史ある子どもたちの
遊び場のことを紹介したじゃない?!

今週もちょっとその続き‥‥。
歴史を感じて感動せずにはいられない、
子どもも大人も大好きなパリの人気者。
サーカスについてだよ!

とのまりこ
ワクワクするような素敵な会場に、
生のバンド演奏に、ドキドキするアクロバット。
ノスタルジックな雰囲気満点で、
絵本の中をそのまま切り取ったような世界。
このバカンス中も息子を連れて
遊びに行って来ました。

毎年恒例のパリのサーカス。
常設の建物でやるような大きなものから、
移動式のテントをはってやる小さなものまで
ピンからキリまで色々なのですが、
そのほとんどが何世代にも渡って
引き継がれている家族経営。

登場するパフォーマーたちの顔ぶれが同じなので、
「ああ、今年もおじいちゃん元気だった。」
「あら、あの小さかった女の子が
こんなに大きく成長してる!」
なんて、遠い親戚のような気持ちで
見てしまったりもします。


▲数日前に連れていった馬のサーカス。テントに入ったとたんこの世界観。

バブー
例えばね、数日前に見に行った馬のサーカス。
こちらはなんと5世代に渡る歴史を持つ
サーカス団なのだそう。
毎年パリで冬の間開催される
今の形になったり、細かい歴史はさておき、
元々は1868年に今のファミリーのご先祖様が、
馬乗りやアクロバット芸をしていた
ファミリーメンバーの1人だった女性と
結婚したことから始まったんだって!
154年前に今のサーカスの原型が
できていたと思うと、感無量だよね‥‥。


▲毎年楽しみにしている馬のサーカス。
おじいちゃんがかなり高齢なので今年もお元気なのを見て
涙が出るほど感動。馬をたくみにあやつりリズムを取らせて踊らせたり
横ギャロップさせたりおじいちゃんもまだ現役です♪

とのまりこ
今年も最後のカーテンコールには、
新しく赤ちゃん2人が登場したりして♪
どんどん孫たちも増えているようなので、
これからもファミリーで素敵な歴史を
作り上げて行ってくれるのかな‥‥。


▲5世代にわたりサーカス業をしているファミリー。
ショーに登場する子どもたちも毎年成長する姿を見るのも楽しみ。

もうひとつ、パリのサーカスとして代表的な
「冬のサーカス」と呼ばれている
常設の建物で行われるサーカス。

多角形型の建物で、それはそれは素敵なのですが
こちらはなんと1852年に出来上がった建物。
なんと170年前!
興行自体がスタートしたのは1859年。
できた当初は皇帝にちなんで、
「ナポレオンサーカス」と呼ばれていたそうです。


▲これが毎年「冬のサーカス」と言われ楽しまれているサーカス専門の建物。
170年前にできあがった歴史ある建造物。
こんなところでサーカスを見れるだけで感動。

1934年からは、
「ブリオーネ」というファミリーが引き継いで
パリの冬の風物詩のひとつとも言える
みんなが楽しみにしている
イベントになっているサーカスです。

バブー
フランスで出会うことができる
ノスタルジックで懐かしい感じのする
「サーカスの世界観」。
これだけでもとても素敵なことだけど、
それが100年以上の歴史を持ち、
代々ファミリーで
受け継がれて来たものだったりすると
その感動はさらにひとしお。


▲こんなふうに街の片隅に短い期間だけやってくるような小さな小さなサーカスも、
家族経営のことがほとんど。

観察していると、
常に満席というわけではないし、
時代の移り変わり、
経営のこととかを考えると、
おそらく大変なことが
たくさんあるとは思うけれど、
いつの時代も人々を笑顔にしてくれてきた
この歴史がいつまでも続きますように‥‥。
と、ボクたちは心から願いながら
ショーを楽しんでいるよ。

 

 

 

*とのまりこさんの新刊が出版されました*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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2022-11-01-TUE

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illustration:Jérôme Cointre