ここ数年、日本で大人気の
フランスからやってきた飲み物「オランジーナ」。

フランスでもおなじみの飲み物だけど、
日本で爆発的人気でしばらく品切れが
続いていた「レモンジーナ」とか、
ただいま発売中の
「ハニーレモンジーナ」とか。
本場おフランスにはないんだよね‥‥。

ネットで調べてみたら、他にも
「ブラッドオランジーナ」とか
自動販売機限定だという
「贅沢ビターオレンジ」味とかあるようで
日本って本当にすごいよね。
（ちなみにフランスには
　「オランジーナ・ルージュ」（＝赤オランジーナ）
　とか「オランジーナ・ゼロ」（コーラみたい）
　っていうのがあるよ。）

「オランジーナ」に限らず、
いろいろな商品で目撃しますが、
本場よりも種類が多かったり
本場よりもおしゃれで工夫されていたり、
時に「がんばりすぎ感」も感じなくはない、
日本のすごさ。

「オランジーナ」以外にも例を挙げるとすると‥‥。
パリの老舗のパティスリー「アンジェリーナ」。

パリのガイドブックにも必ず登場する
有名なパティスリー。
パリのマダムたちに混じって
一度は行ってみたいおしゃれなサロンドテ。

とにもかくにも、
「アンジェリーナ」の代名詞とも言える
濃厚でおいしい「モンブラン」がいちばん人気で
パリでも行列の絶えない人気店。

フランスの「ANGELINA」ウェブサイトより

でね、
「お金で買えないものはないな」
って感じるほど日本（特に東京）には
なんでも輸入されていくので、
ご多聞にもれず、この「アンジェリーナ」も
日本に入っているわけだけど、
本場おフランスにはない半分のサイズ
そして本場おフランスにはない
季節限定の色々な味バージョンのモンブランが
出ていたりして、ビックリするんだよね！

私も日本とフランスの味の違いとかが気になって、
日本限定「苺のホワイトモンブラン」とか
「ショコラモンブラン」とか
何度か食べてみたけれど、
もはやもともと栗の味が命の
「モンブラン」が別のものになっている‥‥
と感じてしまうし、
まあ好きか嫌いかは置いておいて、
日本って本当にすごいなあ‥‥。
と、毎回毎回デパ地下で足を止めてしまいます。

わざわざ日本人の好みに合わせて
本場のモンブランのちょうど半分サイズのものも
作ってしまったりね。
（オリジナルのサイズと
　両方のサイズを揃えるところとかが
　さすが日本だわあ‥‥）

本場フランス人もビックリだよね。
最近、本家パリの「アンジェリーナ」には
「レモン風味」なるモンブランが登場しているようだけど
（日本の限定味、全体がもうレモン色の
　「レモンモンブラン」とは違って、
　栗のモンブランがほのかに「レモン風味」に
　なっているだけだよ）
こういうのってたいてい日本の発想を
逆輸入していたりするんだよね。
このレモン風味もそうなんだろうなあ‥‥。

「プランタン銀座」ウェブサイトより

ちなみに、話はまた「オランジーナ」に戻りますが、
商品のイメージとかも本場フランスと
日本に輸入されたものはかなり違うことが多く、
「オランジーナ」も全然違う。

日本ではそうとうおしゃれな
おフランスのお飲み物として
紹介されているみたいだけど、
（CMとかもとってもおしゃれな
　「パリジェンヌ」風ですものね？！）
フランスじゃとりわけおしゃれな
飲み物というカテゴライズはされていません。

「コーラ」「ファンタ」と並ぶ
子供も大人も大好きな炭酸飲料のひとつ。
そしてCMやポスターにいたっては、
ガーリーでポップなおしゃれ感はゼロで
日本とは真逆のイメージ。

↑「オランジーナ」の今の広告 http://www.orangina.fr

↑数年前の広告 http://www.orangina.fr

↑オランジーナゼロの広告 http://www.orangina.fr

↑オランジーナルージュの広告 http://www.orangina.fr

よく同じ映画の予告編が
日本とアメリカでは違うというように
ところかわれば同じ商品も
こんな違うものになるんだね。

日本ではこれからも
違う「オランジーナ」の味が
続々と登場するのかな？！
それがフランスに逆輸入されたりするのかな？！
スーパーに行くたびに観察してみようっと。
日本で新しい味が登場したら
ぜひボクに教えてね！

※この連載を再編集し、
　書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
　こちらをぜひご覧ください！