バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「こどもの遊び場でも
自己責任の国?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「こどもの遊び場でも自己責任の国?!」

バブー

今日はフランスあるある
「テキトー大王国」っぷりから、
なんかこういうの、いいよねえ‥‥
と、ボクたちが思っているテキトーぶりを
ご紹介するよ。

いつもボクたち、
日本の当たり前から比べたら、
びっくりしてしまうようなフランスの
「テキトー王国っぷり」を
色々書いているんだけどね。

そのテキトーっぷりに多いに振り回され
嫌な思いをすることもあるから
「全くもう! いい加減にしてくれー!」
とそれは時に怒りで呆れることもあるんだけど、
むしろ「いいよなあ‥‥このテキトーっぷり。
こうだったらけっこう心が楽よね。
みんななんかいいよね。」
と思うことが実際には多いんだ。


▲パリの街中あちこちにある小さなメリーゴーラウンド。
安全柵も何もなく、かなりのスピードで回るアトラクションから
子どもを守るのは周りの親の責任。

とのまりこ
とても些細な小さなことだけど、
私が日々感じている、心地よいテキトーさ。
それが子ども達が日々お世話になる
「マネージュ」と呼ばれる、
街中のあちこちにある
メリーゴーラウンドなどの
きっちりしすぎていないところ。

グルグル、グルグル。
かなりのスピードで回るのに、
周りで待っている人のための安全柵もないし、
簡易的なシートベルトも
壊れていることが多い。
(そもそもシートベルトがないのも多い。)

回っている間に近づいたら危ないし、
実際ぶつかって
大泣きしている子どもをみた事もあるし、
回っている間に立ったら当然危険だし、
実際、我が家のプチモンスターも、
乗っている間に立ち上がって乗り物の中で
ゴロンとでんぐり返しみたいに
転がっていた事もあります‥‥。


▲うちの息子は回転中に立ち上がって、このバスの中でゴロゴロ転がったことがある‥‥。
それを見守り、監視し、注意し、安全を守るのも全部保護者の責任おフランス。

バブー
危険もいっぱいだけど、
子どもたちに愛されている乗り物。
安全を守るのは一緒にいる保護者たち。
もちろん、動いている時は
近づかないように注意するし、
回っている間に
立ち上がらないように注意するし、
もし危ないことがあったら、
自分の子どもでなくても大声で叱るし、
全力で助けに行ったり守ったり。

「自己責任」の代わりに
他人でもみんなで全力で守る。
お節介な部分があったとしても
口や手を出す。
なんか日本の「昭和」っぽい感じだよ。


▲パリ郊外のこの遊園地、赤ちゃんや小さな子供が乗るような
しょぼ目のアトラクションは、なんと保護者がスタートボタンを押すのです。
係員はなし。安全を守るのは自己責任。


▲アトラクションの横にこんな装置小屋があり、
アトラクション運転をお任せされることに。


▲ちびっこ全員の乗車&ベルトなどの確認ができたらスタートボタンを。
何か危険なことがあって緊急停止する場合もボタンを押します。

とのまりこ
我が家がしょっちゅうお世話になっている
パリ郊外の小さい子ども用の遊園地。
入場料を払えば、中にあるものは
乗り放題、遊び放題なのです。

ここなんてちょっと難易度の高い
ミニジェットコースターのような乗り物以外、
ほとんどが無人くん。
係員はいません。
保護者が押す「スタートボタン」があり、
緊急停止用の「ストップボタン」があるだけ。

自分たちの自己責任で成り立っている
みんなの人気の遊園地なのです。


▲ちょっと危険なコースター系は安全バーの確認など係員がいるけれど。
あとは親まかせの遊園地。こんなゆるい感じが私は嫌いじゃありません。

バブー
念には念を入れて、
絶対に何も危険が起きないように
ちょっと過保護すぎるんじゃないかというほど
安全対策をして運営されている日本とは
180度違うでしょ?

あの有名な、ネズミが主役の王国でさえ、
乗り物に乗りながら携帯で自撮りしたり
ビデオを撮ったり、
後ろに乗っている家族を撮ったり、
自由なんだよ。


▲パリの郊外にあるこちらの小さい子専用の遊園地、入場料を払ったら乗り物乗り放題。
多くのアトラクションが大人がスタートボタンをするようになっています。
十分スリリングに見えるこのアトラクションでも、全部保護者任せ。
安全ベルトをつけたりするのも全部自分たちの責任です。

とのまりこ
ジェットコースターのような
とてもスピードあって危険なものは
もちろんNGですが。
家族で笑顔で手を振り合って
乗れるような乗り物は、
普通に写真やビデオを撮り合いながら
乗れるのです。

日本で同じ乗り物に乗ったら、
幼児用のゆったりアトラクションですら、
「写真撮影などは禁止。
乗り物の外側に絶対に手を出さないで。」
とアナウンスが流れて、
違いにびっくりしました。

「何かありえるかもしれない。」
「何かあったときの」
の備えが、
時に過保護とも思ってしまう日本と、
「何かないように、自分たちで責任を」
=「何かないように」頑張らないから、
仕事的にはテキトーに見えることが多い
フランスと、本当に対極なのです。


▲安全・安全・安全の「何かあったら」のためのものがないからこそ絵になるんだよなあ‥‥、
と思ったり、自己責任の国、私は個人的に嫌いじゃありません。
いいなと思いながら子どもたちにないもないようにいつも注意しています。。

バブー
どちらがいいとか悪いとかはさておきね、
ボクたちはこの「テキトー」さが
けっこう心地よくなっているのかもしれない。
ほんとは足して2で割ったくらいの
国だったら、両方ちょうどいいんだけどさ!

フランスは今週の14日が革命記念日の祝日。
この日を境に、さらにバカンスモードが
絶好調になり、
パリから一気に人がいなくなるよ。

 

 

*とのまりこさんの新刊が出版されました*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2021-07-13-TUE

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illustration:Jérôme Cointre