「いつでもお洋服の 断捨離ができる?!」
パリの街中を歩いていると、 こんな大きな箱を見つけるよ。 この写真、写真奥に写っている大きな箱が 以前もこのコラムで紹介した瓶専用のゴミ箱。
そして手前に写っている大きな深緑の箱が 洋服専用のリサイクルボックスなんだ。
▲写真奥に見えるのが、「瓶専用の大きなゴミ箱」、 手前の大きな緑の箱が「洋服リサイクルボックス」。
用がなければ何気なく通り過ぎてしまいますが、 よく観察すると、結構あちこちで見かけます。 パリだけでなく、フランス全土に このような洋服リサイクルボックスがあるのです。
増え続けてなかなか断捨離もできない洋服。 捨てちゃうのはもったいないけれど、 どこかでリサイクルされて使われるなら と、このボックスのおかげで たまに思い切った整理整頓ができてます。
▲洋服リサイクルボックス。かなり大きめ。
回収されて仕分けられた後は、 その状態などによって、そのまま古着として リサイクルされるもの、 新しいものに生まれ変わって リサイクルされるものと分けて使われるよ。
洋服以外にも、家で使われるリネン類、 バッグ、靴、帽子などを入れてOK。 靴は両方揃えて袋に入れてねとか、 リサイクルボックスに入れてはいけないものなど 指示が書いてあるよ。
▲洋服以外にも、リネン、バッグ、靴、帽子などがOK。
中に入れられた洋服で 金目になるものはないかと 中身を漁られて、 いらないものがボックスの周りに 散乱している姿もよく見かけましたが、 最近は一度中に入れたものが取り出しにくい 構造のボックスが増えているようで、 数年前とは違うデザインのものを 見かけることが多くなった気がします。
▲ボックスのこちらがわと向こう側に2つ入り口があります。 日によってはこの中に入りきらず、表にたくさん袋が積んであるのも見かけます。
実際こうやって回収された衣類の多くが リサイクルには回されず、 専門業者によって回収されて利益率の高い ビジネスとして流通しているという問題も あるようで、 闇の部分や問題点を取り上げる ニュースやテレビ番組なんかも 見かけたりするんだけどね‥‥。
でもフランス全体で、 リサイクル意識が高いのは確か。 リサイクルのこと、ゴミの分別のことなども みんな小さい頃から学校で教わっているし、 蚤の市が定着しているこの国。
古着だけじゃなく、 食器や家具やおもちゃなど、 古いものを受け継いで大事に使うという 文化もあるから、 この洋服のリサイクルボックスとかの活用も、 当たり前のように 市民に浸透しているのを感じるよ!
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※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2021-10-26-TUE