「給食は教室で 食べない?!」
パリは今週から2週間のバカンスに入っているよ。 この2月は通称「スキーバカンス」という冬休み。 ずっと前のコラムで書いたように、 フランスはバカンス先のリゾート地 (この2月でいえばスキー場など)が混み合わないよう、 フランス全国が3ゾーンに分かれていて 1週間ずつバカンスがずれていくよ。
だから「フランスは」バカンスに突入じゃなくて 「パリは」バカンスに突入、って書き方になるんだ!
さて、先週はフランスの学校の休み時間についての 話でしたが、フランスの学校に通う子供たちに あちこち連絡をとって話を聞いている時に もうひとつ飛び出したお話。
それは日本の学校での給食の話。 フランスの学校にいく子供達のうち、 我が家のように日本人同士の家族で フランスに住む人の子供、 そしてフランス人と結婚している日本人の 日仏ハーフの子供たち。 その子供たちは夏休みなど一時帰国している時を 利用して日本の学校に通うことがあります。
生活スタイル、校則などの決まり、文化の違いもある 上で体験する貴重な日本の学校での日々。 そこでみんなが驚いたというのが「給食」なのだそう。
▲幼稚園の給食の様子。
給食をね、自分たちの教室の中で食べることが いちばん驚いたっていうんだ。 しかもそれを生徒たちが給仕して、 担任の先生も一緒に食べるということに。
フランスの子供たちにとって、 学校の教室っていうのは、 あくまでも「勉強をするための部屋」って 認識なんだって。 だからね、同じその場所で 給食を食べるっていうのが 驚きなんだって! 「え〜!! お勉強する部屋でご飯食べていいの?!」 って!
▲パリのとある公立小学校の食堂。 今はコロナ対策で同じ学年やクラス以外交わらないように細かく時間がずらされている。
言われてみれば確かに。 フランスの学校には必ず食堂があって、 そこに集まって給食をいただきます。
▲幼稚園や小学校の1週間のメニューが学校の外などに張り出されたり、ネットで公開される。
ちなみに先週書いたように なんと昼休みが2時間もあるので この給食は、取っても取らなくてもよし。 給食を取っていない子供は、 家でご飯を食べて学校に戻ったり、 中学生以上になると外でご飯を食べたりします。 そして給食を含む昼休みの時間は、 担任の先生ではなく(先生も昼休みをちゃんと取る) その時間を見る専門の人たちがいるので、 給食の面倒を見てくれるのも全部この人たち。
▲プチモンスター(息子)の幼稚園の食堂。 こちらもコロナ対策でクラスごとに細かく時間がわけられている。
ご飯を準備してくれたりサーブしてくれるのは 給食専門の係の人。
つまり給食の準備をして配膳する人、 子供たちを見る人はそれぞれ別々で さらに担任の先生は先生で それぞれの昼休みってこと。 日本のように班ごとに係を決める 給食当番などはないし、 自分たちの教室で先生も一緒に お昼ご飯をいただくってことがないんだね!
先週の話によると、 休み時間は教室に残ってはいけない。 雨でも風でもみんな外に出る。 そしてお昼ご飯も教室ではなく食堂で食べる。 フランスの学校の教室は 本当に「勉強をするための部屋」って イメージだね?!
▲とある小学校のクラスの教室。 ここはあくまでもお勉強する部屋なので、 日本の学校に行ってこの部屋で昼食を食べたことにみんな驚いたそう。
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2021-02-16-TUE