バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「赤ちゃんが床にいても
土足?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「赤ちゃんが床にいても土足?!」

バブー

みなさんご存知なように、
欧米は玄関で靴を脱ぐことがない
「土足のまま文化」。
もちろんフランスもその仲間だよ。

室内では室内ばきを履くという
フランス人はいるけれど、
日本の玄関のように
靴を履き替えるための決まった場所が
あるわけではないから
家の中には靴のまま入っていくのが
当たり前。


▲我が家がよく行く児童館。
生まれたばかりの赤ちゃんから4歳位までの子が利用する場所。
こんな場所でも土足のままなことに最初は衝撃!

とのまりこ

家の中だけではなく、
小さな子供や赤ちゃんが地べたを這いずり回る
図書館や児童館でも、
当たり前に靴のままなので

「そうだよね‥‥。
靴のまま文化ってこういうことよね‥‥。」

と最初はけっこうギョッとして、

「でもこれを受け入れられなかったら
この国では生きていけないよね。」

と自分に言い聞かせ、
そのうち慣れていきます。

いや、慣れたからもう大丈夫になっている、
と自分で思い込んだふりをしている的な‥‥。
潔癖の人だったら
卒倒してしまうかもしれません(笑)。


▲赤ちゃんが寝転がっていたり子供たちがハイハイしている遊ぶカーペットの上も
みんな土足で普通に横切ります。

バブー
だって、犬の落し物が非常に多いと
悪名高い(?!)このパリを
歩き回った靴のまま、
まだおすわりもできないような
赤ちゃんがゴロゴロ転がっている
ベビーマットの上を
横切って行くんだものね。

その上を、赤ちゃんたちはハイハイして、
落ちているおもちゃを
なめ回すんだものね‥‥。

けっこうな衝撃じゃない?!


▲下に落ちているものを皆なめ回しているけど‥‥と不安になっていたけれど、
その辺は気にしないのが土足文化らしい。こうやって菌に強くなるのかもしれない。

とのまりこ
とにもかくにも
「除菌!」「除菌!」の
日本から見たら
まさにアンビリーバボーな
光景ですよねえ‥‥。

『郷に入っては郷に従え』
ではないですが、
ちょっとくらいのこと、
もう私は平気になってしまいました。
(平気なふりをしているだけ
かもですが‥‥)


▲ついついこういうところに行くと靴下や裸足にしてしまう我が家。
なんとなくそういう癖がついていますが周りの子たちはみんな靴のままです。
逆に踏まれたら痛いかなと心配になったりします。

とはいえ、例えば我が家は日本人家庭。
家の中で靴を履いたままというのは
絶対にイヤ。
だからドア入ったところが
玄関になっていて、
靴を脱いでから家に入ります。

フランスに住む日本人家庭や
日仏カップルの家庭のほとんどは、
この入り口で靴を脱ぐ日本スタイル。
みんななんとなく玄関を作っています。


▲日仏家庭の友達の家に遊びに行った時の写真。
写真右奥の扉の前がなんとなく玄関になっています。
段差のあるいわゆる「玄関」がないパリのアパートでは
靴を脱ぐ玄関を作る場合、みんなこんな感じ。

でも日本のように段差があるような
明らかに「玄関」という「玄関」がないから、
子供たちにとって
境界線のない玄関というのは、
ちょっと難しかったりするようです。
「玄関」という認識ができずらいのです。

ただいま日本滞在中の
我が家のプチモンスター(今月2歳)も、
どこに行ってもいまだに
靴のまま玄関を上がってしまったりと、
なかなかきっちりと覚えてくれません。

バブー
ある家ではドアを入ったところで靴を脱ぐ。
ある家では靴のまま入っていい。
そんな両方が混じったところで暮らせば
それもしょうがないことだよね‥‥。

人間だって靴のままのフランスだから、
ボクたちイヌがお散歩から帰ってきて
脚を洗うなんていうのは考えられない!

フランス人の家に遊びに行って、
おうちに入る前に
ボクの脚を洗ったり、
ウェットティッシュで拭いたりしていると
「一体何をしているの?!」
ってびっくりして笑われたりするよ。

ボクたちって本当に綺麗好き♪
だよね〜。

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2019-04-02-TUE

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illustration:Jérôme Cointre