フランスの食前酒の王道、「シャンパン」。

この間ね、フランスのレストランで

「『とりあえずビール』はありですか？」

って質問されたんだけど‥‥。
実はある程度ちゃんとしたレストランで
「とりあえずビール」しちゃうと
ちょいと冷ややかな目で見られちゃうことが
あるのが、ワインの国おフランス。

そこで今日は、フランスの食前酒のお話だよ。

フランスで、中級以上くらいのレストランで
（レストランよりも気軽なタイプのビストロなどでも）
席についたらメニューを渡されるよりも先に
まず聞かれるのが
「食前酒はいかがですか？」
ということ。

ず〜っと前のこのコラムでも登場した
通称「アペロ」の「アペリティフ」のことです。
食事の前に飲むことによって、
胃を刺激して食欲の増進や消化促進をはかったり、
その場にいる人たちの会話が弾むきっかけに
なるための、アペリティフ。

パーティーなどではとにかくダラダラ続く
「アペロタイム」ですが、
レストランでは「食前酒」という文字どおり
お食事前にまず１杯を楽しんで、
メニューを悩みながらあれこれ
おしゃべりを楽しむ時間です♪

この「アペリティフ」の王道が「シャンパン」。
実はボクたちこの間、
フランス北東部に位置するシャンパンの産地
シャンパーニュ地方に行ってシャンパン作りを
見学してきたばっかりなんだけどさ。

「シャンパン」っていうのは
このシャンパーニュ地方で採れる
特定の品種のぶどうのみを使って、
決められた製法
（瓶内二次発酵をして最低でも15ヶ月以上熟成）で
シャンパーニュ地方で作られたものだけが
名乗れるものなんだ。

だから同じフランスでも
それ以外の地域で作られたものは、
全く同じ製法であっても
「シャンパン」とは名乗れず
フランス語では「クレマン」とか「ムスー」
って呼ばれる「スパークリングワイン」になるんだよ。

話がちょっと横にそれましたが、
その「シャンパン」を筆頭に
「キールロワイヤル」
（シャンパンにカシスのリキュールを入れたもの）
「キール」
（白ワインにカシスのリキュールを入れたもの）
などがフランス人がよく飲む食前酒。

その他マティーニ、シェリー酒、ミモザなどを
飲む人もいます。

街中にあるカフェなどの飲み物として、
また、ふだん家で飲む飲み物としては
フランスでも大人気のビールですが、
ある程度ちゃんとしたレストランで
ビールが登場することはほとんどありません。
たまに結構いいレストランで
ビールを飲んで盛り上がっているグループを見かけると
（やっぱり「とりあえずビール」の国、
　ベルギー人、日本人、ドイツ人、
　アメリカ人etcなどは
　ビールを飲みたくなっちゃうものね）
「あの人たちはフレンチを知らない人ね」的な
ちょっと冷たい反応をするのが
おフランス人だったりするのです。

というわけで、フレンチの中程度以上の
レストランでは、
「とりあえずシャンパン」の方が
スマートに見られるかも？！

あ、もちろんアルコールが苦手な人や
アペリティフは必要ないという人は
無理に頼まなくても大丈夫ですよ！
「アペリティフはノンメルシー」でも
「お水をください」でもどちらでも問題ないのです。

ちなみに、
シャンパンって高級なイメージがあると思うけど、
フランスでもそれは同じ。
他のワインに比べると圧倒的に高いから
（例えば毎日の食卓で飲む赤ワインは
　数百円出せばおいしいものがいっぱいだけど
　シャンパンは、１本、安くても3000円前後。
　一方たとえ同じ製法がされていても
　シャンパーニュ地方産じゃないから
　「シャンパン」と名乗れない
　スパークリングワインは安くて
　1000円以内でおいしいものがいくらでも買えるよ）
一般家庭で登場するのは、ちょっと特別な時。

誕生日パーティーや友達と集まるパーティー。
結婚式やクリスマスなど、
人と集まる特別な日に開けることが多いよ！

ボクの飼い主まりこちゃんは、
「最初から最後までシャンパンづくしがいい！」
っていうくらいシャンパン好きなんだけどさ。
もちろんシャンパンは高級だから
ふだん買うのは「スパークリングワイン」。

この間シャンパンカーブを訪れた時に
買ってきたシャンパンも、
「いつ開けようかな〜」何て言いながら
大事に地下の倉庫にしまったみたいだよ。

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