バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「雨の日でも
 子どもたちは傘禁止?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「雨の日でも
 子どもたちは傘禁止?!」

バブー

今年はサマータイムになって
みんなが楽しみにしている春がきてからも
雨が多くて、文句ブーブーだったパリっ子たち。

「今年はなんでこんなに雨が多いの!」

「この最高であるはずの時期に雨ばかりなんて
ありえない!!もういや!」

みたいな会話がとても多かったのだけど、
パリっ子たちが口にする雨の話題の中で
こんな会話を耳にしたよ。

「学校に傘を持ってっちゃいけないルール、
昔はもっともっと厳しかったわよ。」

とのまりこ

学校に傘を持って行ってはいけない??
一体どういうこと??
って思いますよね。

実はフランスの学校って、
原則雨の日に子供が傘を持って登校するの、
禁止のところが多いのです。

バブー
傘を振り回して怪我につながって
危ないからだって。

ちょっと前に記事に書いた、
フランスの学校はマフラーが
禁止されていることが多い

(引っ張りあったりして、
首がしまってしまう事故が多くなるから)
という理由に少し似ているよね。

やんちゃな男の子たちなんて
す〜ぐチャンバラごっこ始めちゃうからね。

とのまりこ
とはいえ、禁止ってすごい話。
もちろん『原則』ですし、
バケツをひっくり返したような雨の時は
さすがに学校までは傘を使う、
ということになりますが、
いずれにせよ学校の中に傘を持ち込むことは
禁止としているところがほとんどだそうです。

傘の代わりに
みんなフードのついたレインコートを
着ています。

日本だったら
「うちの子が風邪をひいたらどうするザマスかっ!」
ってそっこうクレームが入りそうな
話だと思いませんか(笑)?!

バブー
だからフランスでは、
子供用の傘を売っているの
見かけたことがないんだよね。
学校で禁止されているんだから
商品として売れないってことか?!
もちろん商品としてはあるんだろうけど、
ボクの目に飛びこんできたことはない。

とのまりこ
この間雨の日に、珍しく
(正確にいえば私がパリで生活していて初めて)
子供用のかわいい傘を持って
ベビーカーに乗っている女の子を見かけました。

雨の日のベビーカーといえば、
ビニールの雨よけをかけられているのが普通。

だからとてもとても珍しくて
思わず観察していたのですが、
傘をまっすぐ持っていられないのか、
右に倒れたり左に倒れたり、
もう雨をふせぐ役割になっていないじゃない!
というくらいふらふらしているし、
周りの人に迷惑かかっているしで

「だからやめなさいって言ったでしょ!!」

ってけっきょくお母さんに怒鳴られて
傘を取り上げられ、
女の子は大泣きしておりました。

学校に行く時は傘を使わない
=傘を使うことがほとんどないから
慣れていないし
上手に使えないんだろうなあ‥‥。

でもかわいい傘がうれしくて、
使いたくて使いたくて
しょうがないんだろうなあ‥‥
なんて思いながら
フランスではすごく珍しい光景、
子供が傘をさしながら
ベビーカーに乗る姿に見入ってしまいました。

バブー
でね、ボク気付いたんだ。
フランス人がちょっとやそっとの雨じゃ
(日本人にとっての土砂降り手前くらいでも)
傘をささないっていうのは、
子供の時に学校で傘が禁止されていたから
濡れるのが当たり前の中で
育ったからなんだろうなって!

いくら傘の代わりにレインコート着てたって、
濡れないわけないじゃない?!
だからみんな小さな頃から
雨の日は濡れるものだって
意識になるのかもね?!

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

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バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2018-05-01-TUE


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illustration:Jérôme Cointre