「アルプスの山の上で 薬草酒?!」
2週間の冬のバカンス中のボクたち。 ただいまスキーバカンスに来ているよ。 2月のこのバカンスは 「スキーバカンス」と呼ばれているそのまま、 スキーに出かける人たちが1年で最も多くなるよ。
フランス全体を「A・B・C」3つのゾーンに分けて、 1週間ずつバカンスをずらすことで スキー場や道路の混み具合を 緩和させる、というバカンス大作戦をとっているけど それでもスキー場はすごい人! フランス人のスキーにかける情熱を感じている、 この1週間だよ。
▲1週間単位で滞在するフランスのスキーバカンス。 毎日顔を合わせるうちに、地元の人たちとどんどん友達になるというのも素敵なところ。 珍しいアジア人だからすぐに覚えてもらえるというせいもあって、 みんなが優しくしてくれて色々なことを教えてくれる。
南アルプス、1,850m地点にあるスキー場。 山の上にくるとパリ生活では出会わない 食べ物や飲み物に出会うのも楽しいところ。 (スキー場でのラクレットやフォンデュについては 以前の記事をご覧くださいね♪)
今日はその中で出会った、 初めてのお酒のこと。 顔見知りになって仲良くなった レストランの人たちや、地元の住人たちが 食後に出してくれる薬草酒「ジェネピ」。 よもぎ酒のひとつだそうで、 標高2,000m以上に生息する 「Génépi」(ジェネピ)から作られるお酒。
▲アルプスの山といえばこのお酒なんだそう。薬草酒の「ジェネピ」。 標高2,000m以上に生息する薬草を漬けて作られる食後酒。 匂いもアルコール度数もかなりきついけれどちょっと癖になる味。
冬の間は雪に覆われ、 私たちがスキーを楽しむ山。 雪が溶けてゴツゴツした岩場になり、 夏の間に花が咲く、希少な植物なのだそう。 その植物を漬け込んでエキスを抽出して 製造している、アルプスの特産物。
▲ジェネピ漬けになった角砂糖。この砂糖を飲み物に入れたりそのまま食べたりするんだそう。
▲ほんのり色づいた「ジェネピ」漬けの角砂糖。 これをこのまま食べてみろということでシャリシャリ食べてみたら、これが案外美味しい! お酒そのままより私はこの角砂糖が好きでした。
消化を促したり、 全身の疲労回復の効果があって、 基本的には「食後酒」としていただくよ。 「薬草」!っていう独特な匂いと 味があるけれど、 地元の人たちに出してもらう「ジェネピ」は ちょっと癖になる味。 よく見るとスキーヤーのムッシューたちも 食後にショットでグイッと飲んで、 またスキーに出かけていく人が多いよ。
▲知り合いになると、食後にどんどんこの「ジェネピ」がおまけで出てくる。 お酒に強くて本当によかったと思う瞬間(笑)。 出されたものはちゃんといただいてます♪ 寒い中で冷えた体がポカポカあったかくなる。
カクテルにしたり、アイスクリームにかけたり、 砂糖を漬け込んだり、食事のソースに使われたり。 アルプスの街の中でよく観察すると あちこちに「ジェネピ」という言葉が。
お土産物屋さんや肉屋、チーズ屋など 食料品店でも 大量の「ジェネピ」が並んでいます。
▲アルプスの山の中のお店にはどこに行っても「ジェネピ」がいっぱい並んでます。
▲地元の人のおうちに呼ばれていただいた地元のものたちの中には、 ジェネピ風味のチーズも。
我が家の隊長パパはただいま日本で仕事中。 というわけで、母と子、そして犬のボクと 2人+1匹の旅になった今回。 ボクたち初めてフランスの「夜行バス」で スキー場にやってきたんだよ!
パリを出発してスキー場まで、約12時間の旅。 みんなスキーに向けてまじめなのか(?!)、 夜行バスの中はとっても静かだったし、 案外快適だったよ。 ちなみに、夜中に2回くらい、休憩を兼ねて 何もないところに20分くらい停車はしたけれど、 サービスエリアのようなところには 一度も立ち寄らなかったよ! それがちょっと意外でした。
▲パリを出発して直接スキー場まで繋がっている夜行バス。 満席のバスは南アルプスのいくつかのスキー場を経由して客を降ろしていきます。
そしてボクたちイヌの乗車ももちろんOKで、 しかも無料! なんてお得な夜行バス♪
もう一匹仲間が乗っていたけれど、 その子も静かにいい子にしていたよ♪ スキー場にもイヌがいっぱい。 ボクもスキーバカンス、目一杯楽しんでます♪
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2023-02-28-TUE