バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「お弁当文化が
なかった?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「お弁当文化がなかった?!」

バブー

今日はフランスの「お弁当」のお話だよ。
ボクたちが週に何回か、
子ども同志を遊ばせたり
一緒にご飯を食べる
ご近所の仲良し日本人家族。
幼稚園と小学生の姉弟が通っている学校が
給食じゃなくてお弁当なんだ。

フランスの学校は基本的に給食。
(2時間もある長い昼休みに
一度ごはんを食べに家に連れ帰ることも可能。)
だけどごくまれに、私立校で、または
インターナショナルスクールで、
お弁当制の学校があるんだよ。
この姉弟は
このお弁当制の学校に通ってるよ。


▲珍しくお弁当を持参するフランスの学校に通っている仲良しファミリーのお姉ちゃん。
この子からフランス人たちのびっくりお弁当話を聞くのが私の楽しみのひとつ♪

とのまりこ
フランスの子供が学校に持参するお弁当、
みんな一体どんなものを持ってくるのかと
話を聞いていたら、
「まずは新年度始まる時に、
『ポテトチップスは
お弁当に入れてはいけません』
という規則を書いた紙が配られたんですよ。」
なんて話にびっくり仰天大笑い。


▲休み中などに1日単位で預かってもらえる子どもアクティビティに
参加する場合などは「ランチボックス」持参。
日本のようないろんなものをぎゅっと詰めるお弁当文化はないから
みんなけっこう大胆な感じのざっくりしたお弁当♪

まさかの、
「ポテトチップスはじゃがいもよね♪」
という発想から、
お弁当のおかずにしてしまう
人たちがいるからなんだそう。

小さな頃から
お弁当文化に慣れ親しんでいる
私たち日本人。
『常温で持ち運び、
多少ガタガタ揺れたり
ひっくり返ることも前提に、
冷めたままでも美味しくて、
栄養もたっぷり見た目にも華やかに』
と私たちが想像するあのお弁当ですが、
お弁当文化がないフランス人たちにとっての
「ランチボックス」は、
またちょっと違うようです。


▲我が家は毎週一回、日本の幼稚園に行くときだけお弁当。
週に一回でも母は必死で‥‥汗。
可愛く見える日本のお弁当便利グッズに助けられまくっています。

バブー
日本みたいにちょっとずつ色々なものを、
という食事スタイル自体がないから、
「パスタ」「ピラフ」「サラダ」など
1品目をど〜んとお弁当箱に入れるパターン。

もしくはバゲットにハムとチーズを挟んで
簡単サンドイッチランチとかね。

そもそも「冷たいまま食べる」という
イメージが難しいようで、
温めてもらえず冷たいまま食べるなら
サンドイッチかサラダかチップスしかない、
という発想になるみたいだよ。


▲例えばこの子の透明リュックごしに見えるお弁当。全部ジップロックに入っている。
オレンジに見えるのはメロン。カットメロンがジップロックに入っています。
わたしたちからみるとなんてワイルドな!と(笑)。

とのまりこ
確かに、
パリで日本のお弁当屋さんを経営する友人、
「なんであっためてくれないんだ!」
「冷たいじゃないか!」
と最初の頃はしょっちゅうクレームが来たと
言っていたし、

パリにある日本の幼稚園で働く友達は
(その幼稚園はお弁当持参制の学校)
フランス人の親からは
子供の弁当を温めてもらえないかと
リクエストがくることが多い、
と話していました。


▲フランス人の行列をみることが多い日本のお弁当屋さん。
でも自分で作るとなったら、それはそれは難しい!!

逆に、この友人の子どもが小さい頃通っていた
フランスのギャルドリ
(3歳までの子供が通う保育園)では
温めることが前提のお弁当制度だったようで、
持参したお弁当は朝、冷蔵庫に入れられ、
食べる前に電子レンジで
温めるシステムだったそうで、
日本スタイルのお弁当を持たせていた友人は
あえて
「冷蔵庫に入れないでそのまま食べさせて」
と毎回メモを貼っていたのだそうです。


▲人気の「BENTO」ですが、「お弁当」というものを知らないフランス人からは
「なぜ温めてくれないんだ」「なぜ冷たいままなんだ」と
何度もクレームが入って大変だったこともあるみたい‥‥。

さらに、その当時は今のようにフランスに
「BENTO」文化やブームがなかったので、
子ども用の弁当箱を見つけることも難しく、
みんながジャムの瓶などに
ランチを詰めてきて、
蓋を取ってチンしてもらっていたのが
懐かしい、と話してくれました。


▲今ではフランスでも日本のお弁当屋さん大人気でどんどん店も増えてます。
中身の説明を書いたものを貼っているお店なども多い。

バブー
そんな話を聞くと、
ここ数年でフランスでも
一気にお弁当文化が
広まってきたなあと感じるよ。
今では日本の「BENTO」という
言葉もかなり浸透してきて通じるし、
日本の「弁当屋」も大人気で増える一方だし、
子ども雑貨を扱う店に行けば
かわいい弁当箱が見つかるようになったしね!


▲日本雑貨を扱うお店では大人用のお弁当箱などもとても人気。
でも何をどうやって詰めたらあの日本のお弁当になるかは
まだまだ悩む人が多いんだそう。

そうそう、日本のお弁当といえば、
嫌いなものもちょっとでも食べてほしいとか
栄養を考えて少しは野菜も食べてほしい
と大人たちはさまざまな工夫をするでしょ?!
でも
「嫌いなものは
あえて無理して食べなくていい」
というフランス風の発想から
お弁当にも
好きなものしか入れない家庭も多くてね。
「ジャムだけを挟んだサンドイッチばかり」
「パンすら食べないから
クッキー詰め合わせになっていた」
「バゲットと板チョコを持参して
チョコを挟んで食べる」
などなど、なかなかワイルドなお弁当事情を
聞くことも多くて毎回びっくり楽しんでいるよ。


▲ランチどきには行列のできるおしゃれな日本のお弁当屋さん。
パリに本当に増えていて、嬉しい限り!
ここもお弁当屋さんには見えないくらいおしゃれ♪
その場で食べる人もテイクアウトする人も。

 

 

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「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
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※この連載を再編集し、
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「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2022-03-22-TUE

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illustration:Jérôme Cointre