バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「大盛りグルメ代表は
 ムール貝?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「大盛りグルメ代表は
 ムール貝?!」

バブー

日本からフランスにくると、
ボリュームの違いに驚くのが食べ物。

「えっ‥‥これ何人前?」
っていうものがすべて1人前。

日本からやってくる観光客の人たちは
まずこの食べ物のボリュームに
度肝をぬかれることになるのだけど。
(特に事前情報で知らずに
日本感覚で注文すると大変なことになる!)

とのまりこ

その中でも、
日本ではこの量は食べないなあ~
と思いつく、超大量に登場するものの代表は
たぶん「ムール貝」でしょう!

日本でムール貝といえば、
おしゃれなイタリアンやスペイン料理で
海鮮パスタやパエリアの真ん中に
一粒ちょこんと鎮座している
高級さを醸し出すのに一役かっている
イメージ(?!)。

この一粒を何人かで
譲り合ったりするものだし、
そもそも味がわかるほど食べたことは
なかったような‥‥。
間違いなく、『大量に食べるもの』という
イメージからは
かけ離れた食べ物だったのですが。

フランスでは『大量』という言葉が
ふさわしいほど大量に食べるもの。


▲ごくたまに、バケツではなくてお皿スタイルで出てくるお店もあるけれど、
 なんとなく量が少なくてがっかりしてしまったり?!

バブー
よく、フランスのガイドブックなんかに
「フランスのムール貝はバケツいっぱい‥‥」
という表現が出てくるのだけど、
大げさじゃなくほんとに
「バケツいっぱい」なんだよ!

「バケツ一杯」
なのか、
「バケツにい~っぱい!」
なのか。
どちらの意味の
「いっぱい」かはわからないけど、
どっちも合ってる。
ほんとに
「一杯のバケツにい~っぱい入ってる」、
フランスのムール貝。


▲こちらは生クリームを使ったクリーム風味。
 白ワインだけよりもコクが出てとっても人気。


▲こういう海辺の街に行くとあっちこっちで「ムール・フリット」の看板が出ているよ。

とのまりこ
このバケツいっぱいのムール貝は、
白ワインなどで酒蒸しにしたもの。
いちばんシンプルな酒蒸し以外に、
生クリームを入れたクリーム風味、
カレー風味、ロックフォールチーズ風味など
いくつかの味付けがあります。

そして必ずコンビになって登場するのが
これまた『大量』のフライドポテト。
フランス語でフライドポテトのことは
「フリット」と言いますが、
『ムール・フリット』
(=ムール貝とフライドポテト)は
ひとつの単語のようになっているくらい
離せない組み合わせなのです。

『ムール・フリット』。
存在的にはとても馴染みのあるB級グルメ。
大人も大好き。
子供も大好き。
昼にも夜にも気軽にワイワイ食べられる。
日本で言ったらなんになるのでしょう。
ラーメンなのかなあ‥‥?

海鮮を置いてあるようなレストラン、
そしてカフェなどには頻繁に
『ムール・フリット』の文字が。
そして「Léon de Bruxelles」
(レオン・ドゥ・ブリュッセル) という
ムール貝専門のチェーン店も
あちこちにあるのです。


▲パリにも何店舗もあるムール貝専門のチェーン店「レオン・ドゥ・ブリュッセル」

バブー
スーパーにも
真空パックになったものが売っているし
魚屋さんにも必ず
大量のムール貝が並んでいるよ!


▲魚屋さんにも必ず大量のムール貝が並んでます。

パリでももちろんおなじみだけど、
特に海が近い地方に行けば
もうそこら中『ムール・フリット』だらけ。

バケツいっぱいの大量ムール貝。
この量はムリ!!
って思うでしょ?!
でもね、これが案外どんどんいける。
海の味がしっかりするけれど
意外にもあっさりしていてばくばくと。

空の殻を使って、
ムール貝をつまんで
口にポイッと入れるのが
フランス流の食べ方だよ♪


▲殻を使ってムール貝をつまんで口に入れるのがフランスのムール貝の食べ方。
 たしかにフォークを使うよりずっと食べやすくてスピードもアップ!

バケツいっぱいのムール貝。
機会があったらぜひ試してみてね!


▲ぼくにもおこぼれがこないかなあ‥‥
 っていつも待っているんだけどね‥‥。

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

 

2018-01-23-TUE


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illustration:Jérôme Cointre