「成長がわかる 記念グッズ?!」
フランスは6月が年度末。 仕事も夏の大バカンスの前に大詰めで 忙しい人も多いし、 税金の申告などもあるから 毎日税務署の前は大行列だし、 学校も学年末を迎えて、なんだかバタバタ。
思いっきり長い夏のバカンスを過ごすために、 みんながバタバタ忙しくなりつつ、 頭の中ではバカンスのことばっかり考えて ソワソワし出す季節でもあるよ♪
さて、そんな学年末目前のフランスの学校。 入学式も卒業式も始業式も終業式も 運動会も文化祭も参観日も‥‥etc.
日本ではお馴染みの学校行事が何もない、 あっさりとしたフランスですが、 フランスの学校ではお馴染みの行事もたまに。
その中のひとつが、 子どもたちの描いた絵で作る記念グッズです。
▲子どもたちの描いた絵で作る記念品グッズ。 毎年これを作る学校が多いフランスの学校「あるある行事」のひとつです。
子どもたちに 「bonhomme」(ボノム)=人の絵、人物画の 絵を描かせ、学年ごとなどでその絵を集合させて 記念品を作るのです。
▲その年の子どもの成長の様子が残せる記念グッズ。 親たちも大切にとってある人が多い。
幼稚園では年間を通して「bonhomme」(人)を 描く練習をするんだけど、 入園したてはぐちゃぐちゃだった線画が 顔と体と手と足と顔のパーツと‥‥etcと 少しずつ細かい描写が加わって、 子どもたちの描く人物像が少しずつ 進化していく様子がわかるんだよ。
(ちなみにフランス語で「雪だるま」は 「bonhomme de neige ボノム・ドゥ・ネージュ=雪の人物」というよ)
▲年齢ごとに絵に進化が見られるのも楽しいポイント。 これはフランスの年少さん3歳児クラス。 まだ自分の名前をかけない子どもも多いので、名前は先生が書いている。
▲こちらはフランスの年中さん4歳児クラス。 自分で名前が描けるようになり、人物像もだいぶ細かい部分が描けるようになっている。
▲フランスの年長さん5歳児クラス。 年長ではアルファベットの小文字や綴り字を習うので 名前の書き方にも変化があらわれます。
▲こちらは1年生クラス。 洋服の細部などかなり細かい部分まで描写されて個性いっぱい!
▲2年生のクラス。自画像を上半身だけ描いたようですが、 絵を見るだけで誰かわかるくらい上手に♪
街でよくこの記念グッズのトートバッグを 持った人たちを見かけたり。 友人の家に行けばその家の子どもたちの 記念グッズとして、マグカップや トルション(=ティータオル)を見つけたり。
子どもたちの描いた絵が なんともいえない味わいで、 フランスの学校あるあるの とても素敵な企画なのです。 (ちなみに、 やるかやらないかは学校の方針なので、 一度もやったことがないという人もいれば、 毎年色々なグッズを作るという学校も。)
幼稚園だけというところが多いようですが、 例えば息子の学校は1学年1つしかクラスがない 小さな学校なので、 幼稚園も小学校も学年を混ぜて 記念品を作りました。
▲街でよく見かけるのはこんなエコバッグタイプのもの。 「可愛くて使いすぎてボロボロになってきたから使うのやめて保管している」 と私の友人。
子どもたちが日々描く絵とか 作品とかって なかなか全部取っておけないけれど、 こうやって記念品にすると その時の成長の様子がわかるし、 とってもかわいいよね?!
おばあちゃんやおじいちゃんなど家族に プレゼントする人も多いんだよ!
▲人物を描くことがほとんどですが、小学校高学年ともなると こんな風に違うものを描くバージョンもあるようで、 パリのモニュメントを描いた水筒。こちらも素敵。
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2022-06-14-TUE