「日本とぜんぜん違う 給食スタイル?!」
食欲の秋。 ボクたちの住んでいる区で パリの給食イベントがあったから、 遊びに行ってきたよ。
今年で7回目を迎える人気のイベント。 この地域の学校で提供される 給食の紹介をはじめ、 食のことを学びながら 楽しくおいしく体験できる 色々なイベントが用意されているよ。
▲区役所前の広場で行われた、学校の給食を紹介するイベント。 試食コーナーもたくさんあって、地元の住民たちで大盛り上がりでした。
フランスの学校。 入学式はない。 始業式も終業式もない。 運動会もない。 日本の学校に比べて 「ないないづくし」だとういことは 今までもちょこちょこ書いてきたのですが、 授業参観もありません。
▲子供たちが参加できるアトリエのコーナー。 こちらはジャガイモの剥いた皮を使って手作りチップスを作ると言うコーナー。
というわけで、学校の給食が どんな状態でどんな場所でどんなものを食べているのか、 保護者たちは見たことがないという感じなのです。 (メニューは発表されるのでわかりますが。)
▲給食に登場する様々な種類のパンを試食できるコーナー。
だからこそ、学校給食の一面を垣間見れる こういうイベントはとても人気。 家族づれで遊びにきている人がいっぱいで どのブースもめちゃくちゃ盛り上がっていたよ。
ボクたちの住んでいるエリアは 24箇所で給食が毎日作られているみたいだよ。 日本で言えば「給食センター」って 言葉になるのかな?
以前このコラムでも書いたけれど、 フランスの給食は幼稚園の頃から 「前菜・メイン・デザート」の構成。 食後のデザートの前にチーズが入る習慣なども この頃から導入されていて、 ちびっ子にもいっちょ前に 色々なチーズが毎日のように提供されていたりするのも フランスならではなんだよ。
▲チーズやフルーツなどは食品に関するクイズに答えると試食をもらえるシステム。
この給食のメニュー構成にのっとりながら、 前菜のサラダ、メインの肉や魚料理、 チーズ、パン、フルーツやヨーグルトなどの デザートコーナーと、 各分野を試食しながら知ることができるイベント。 今年も楽しんで味わってきました♪
▲こちらはメインの試食コーナー。 魚料理をいくつかお試しできます。 付け合わせの野菜のピュレやトマトのピュレも新鮮でとてもおいしかった!
ちなみに、前述のように、 授業参観のないフランス。 保護者が給食の様子を覗ける機会はないのですが、 幸運にも息子の学校の撮影のために ちょこちょこ給食風景を見る機会がある私。 フランスの給食の様子を観察してみると‥‥‥。
基本的に、子ども自らが食べたいというもの以外を がんばって食べさせるという姿勢はありません。 給食の配膳係のマダムやムッシューが、 「野菜サラダ、食べたい人〜!!」 と聞いて、食べたい子どもの皿だけに 配膳するスタイル?! 当然、 野菜に手を挙げる子ども、数人しかいません(笑)。 チキンナゲットやパスタは おかわりする子どもが続出するほど人気だけど、 野菜は欲しい子どもが少数。 そりゃそうよね。 でもね、お野菜嫌いだとしても、 一応全員の皿に入れてあげてよ! 配ってみて! 配膳してみて! 食べろと言ってみて! って思ってしまう観察する側の私なのです‥‥‥。
日本も 嫌いなものも頑張って食べるまで、 5時間目になっても食べている子供がいた 私の子ども時代と、 嫌いなものは無理やり食べさせないという 今の時代と、 苦手なものをどこまで食べさせるかは 時代と共に変わってきているのだと思います。 しかしフランスの「無理に食べさせないの姿勢」は 日本のこれとはまた違うのです。
挙手するこども以外には お皿に入れもしないのだから 「できたら食べてみょうね。」 の姿勢もないのです。 どうせ残すなら、片付ける作業を減らしたいの?! そうとしか思えない。 そんなやり方です(笑)。
▲フルーツの串刺しを作ってみることができるコーナー。 手も洗わないし、清潔感的にはどうかと心配になることもあるけれど、 ここはおフランス、そんな事は気にしない!
給食はね、前にも話したけど、 日本のように教室では食べない。 専用の給食室に移動して食べる。 しかも昼休みは、担任の先生はお休み中。 給食は給食担当の人が面倒を見るのがフランス。
一方日本では、 給食の時間も自分達の教室で食べ (しかも配膳も子どもたち自身!)、 そして担任の先生も同じ教室で食べる! というフランスでは考えられないスタイル。 日本はそのスタイルゆえに、 嫌いなものも少しずつでもチャレンジしてみよう。 食べられるようになったらいいね。 という指導をしてもらいやすいのかな??
そこはちょっぴり羨ましいと思う 日本の給食スタイルだよ。 それではみなさん、今週も素敵な1週間を♪
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2024-10-08-TUE