バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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「まだまだオリンピックの
準備が進まない?!」

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「まだまだオリンピックの準備が進まない?!」

バブー

7月に入って、パリオリンピックまで
いよいよあと3週間ちょっと。
オリンピックモード全開で
パリはさぞ盛り上がっているんでしょう?!
なんて日本から
メッセージが送られてきたりするけれど
パリっ子たちの生活はいたって普通。

このコラムでも、ず〜っと前に
『フランス人はオリンピックに興味がない?!』
なんてことを書いたけれど、
自国で開催されるとなったって、
その「興味」具合に変化はないようだよ。

むしろ興味がないどころか、
観光客で溢れかえるパリが大変なことになり
大混乱間違いなしだから、
オリンピック前にパリを脱出する!
絶対にオリンピックのパリになんか残りたくない!
という人たちが多いんだよ。

とのまりこ
一方で正反対の我が家。
一生のうち、オリンピックを生で見るなんて
最初で最後のチャンスかもしれないから
やっぱり見てみたいな。
子どもにも見せてみたいな。
なんていくつかの競技のチケットを買いました。

「この夏休みはどこ行くの?」
という会話ばかりになる5月から6月、
「今年は旅行計画が何もないの。
多分ずっとパリかなあ‥‥?
オリンピックのチケットも少し取ったし。」
そんな話をフランス人にするたびに、
目を見開いて驚かれ、苦笑いしながら
「うわ〜まりこ、勇気ある〜。」
「おもしろいことするね。」
「そりゃ〜大変なことになるね。」
「でもまあ一生に1回なのはわかる。
子どもは喜ぶね。がんばって!」
な〜んて反応ばかり返ってくるのです。


▲オリンピックまであと3週間ちょっと。
今週も準備に向けての進捗状況をチェックしてきました。


▲パリの町中がオリンピックムードということは全くなく、
唯一たまにオリンピックを感じるのは街灯に取り付けられたオリンピックの旗くらい。

バブー
「大混乱ばかりでいいこと一つもない
このパリに残るなんて
かなり勇気ある選択だね。」
っていうのがほとんどの人の反応なんだよね。

実際ボクたちの周りにいる友人・知人、
子どもの学校の家族や先生たち、
知り尽くす限り会うたび全員に聞いてみたけれど
オリンピック期間中にパリにあえて残る
というフランス人に出会ったことがないんだよ!

唯一、夏の間もしばらくお店を開けなくては
いけない商店主は仕事の都合、
パリに残るという場合はあるけれど、
少なくともチケットを取って自ら
オリンピックの中に入っていくというフランス人には
まだ1度も出会っていないんだ(笑)。


▲街中よりもオリンピック感があるのはメトロの中。
車は大きな規制があり、街中に会場があるため
バスも機能しない部分が多いオリンピック期間中、メトロか徒歩が基本の交通手段に。
どの駅で降りればどの会場に行けるのかがわかりやすいようにピンクの表示がされてます。


▲エッフェル塔周りも全て封鎖されて準備中。
普段は観光客でいっぱいのフォトスポット、トロカデロ広場を
ゴシゴシブラシでお掃除しているムッシューたち。


▲オリンピック雑貨が並ぶスーパーのウィンドー。
このお店はこんな風に大きく飾られているけれどこのパターンは結構珍しく、
お店の一角にゴチャゴチャに置かれている(投げられている?!)ような店舗も多いです。


▲フランス人的には全く盛り上がっていないオリンピックですが、
どうせなら楽しみたいよね派な私はオリンピック雑貨たちが気になり
ちょこちょこ買ってしまっています(笑)。
この夏はミーハーに楽しみます♪

とのまりこ
一方で、日仏カップルの家族や
アメリカ人とかイギリス人が家族の中にいる場合は、
「見に行けたら行こうと思っている!」
「うちもチケット取ってあるよ。」
「ボランティアにも申し込んだ。」
なんていう反応が多く、
同じくらいのオリンピックへの
空気感を感じてます。

さてさて、ちょうど2週間前に
「セーヌ川の開会式は間に合うのか?!」
という工事進捗状況をお知らせしましたが、
また昨日もオリンピック偵察へ
同じセーヌ川沿いを歩いてきました。


▲2週間の間に唯一観客席設置が進行中だったところ。
でもこれ、全体の観客席予定の地図から言うと
ほんのほんのちょっぴりのごく一部なのです。


▲このセーヌ川沿いもこの橋の上も、
観客席としてチケットが発売されている場所なんだけどな‥‥。
大丈夫かな。大丈夫かな。オリンピック開会式の気配が全くない‥‥汗。


▲唯一小さな「気配」があったとすれば、
セーヌ川沿いに工事会社のお兄さんがぽつんと座っていたこと。
これを「気配」と言っていいものか‥‥汗。観客席できるのかな。

バブー
2週間前よりはほんのちょっと進んでる。
ちょっぴり観客席部分ができているところが
増えてきてはいる‥‥。
だけど「開会式」の入場券として
売り出されている客席図と比べると
(途中も含め)客席っぽいものが作られて
いるのが確認できるのが全体の
10%も満たないくらい‥‥。

いちばん値段の高いカテゴリー(約46万円)の
客席を少しずつ作ってはいるけれど、
それ以下のカテゴリーの席に関しては
いまだに工事の気配すらないよ。
大丈夫なのか?!?!

昨日も心配になりながらセーヌ川沿いを歩いたよ。
さてさてあと3週間でどうなることやら?
引き続きオリンピック偵察を続けます!


▲ちなみに、オリンピック観戦には基本的に興味がないフランス人ですが、
学校の年度末のスペクタクル(学芸会的な位置付けの出し物)はどこの学校も
オリンピックをテーマにしたものが多かったようです。
息子の学校も幼稚園も小学校もオリンピック一色!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2024-07-02-TUE

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