パリの観光といえば、
「スリにご注意！」
はよく聞く話だと思うけれど、
みなさんは、どんなところで
注意しなくちゃいけないと思う？！

エッフェル塔？
メトロの中？
オペラ座の周り？
銀行のATMの前？

どれも正解だけれども、
案外盲点なのが「教会」の中。

教会に入る前、
「スリに注意してくださいね！」
っていうとみんな
「え？教会でスリ？」
と驚いた顔をします。

なんとなく神聖な場所教会で、
神の前でスリなんて結びつかなくて
想像しにくいのですが、
すご〜く被害が多い場所なんです。

教会に入ると、
正面の祭壇の美しさに息をのんだり。
ステンドグラスの美しさに見とれたり。
パイプオルガンの音に聞き惚れたり。
建築物として空間に圧倒されたり。

わりと上の方ばかり気をとられるじゃない？
そして写真を撮ったり
ビデオを撮ったりして夢中になっているうちに、
肩にかけていたカバンから
財布や携帯がなくなっていた！！

なんてことがとても多いんだ。

「上の方、他のことにばかり
気を取られている」
という意味では「美術館」も同じく。

入場料を払って入る場所なので、
わりとスリ警戒レベルを下げがちなのですが、
スリ達は容赦なく獲物を狙ってます。

テロ以降は、美術館はもちろん、
無料で入れる教会などでも
（観光客の多い教会だけですが）
入り口で荷物をチェックするようになり、
警備の人なども増えてはいるけれど、
スリ達も工夫を重ねて、
見た目には観光客にしか見えない
普通の服装をしていて
知っていないと見分けが
つかないようになっているので、
被害は減らないのです‥‥。

パリで人気の観光スポット、
「ノートルダム大聖堂」や
「サクレクール寺院」なんかは
常に観光客が耐えなくて、
人の流れに沿ってぞろぞろ歩きながら
見学するところ。
混雑に紛れてスリに遭いやすいので
特に注意してね！

※この連載を再編集し、
　書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
　こちらをぜひご覧ください！