「国民的サラダ 『タブレ』とは?!」
フランスの国民的サラダ、 みなさんどんなのか知っている?! フランスのサラダといえば 「リヨン風サラダ」とか 「ニース風サラダ」とか 地名が入ったサラダの名前を よく耳にすると思うけれど、 「フランスサラダ頻出単語」なんて テストがあったら、 絶対に覚えておかないといけない、 それが「タブレ」だよ。
▲惣菜屋に並ぶ「タブレ」サラダ。 こちらは「ブルグル」とトマトとパセリを混ぜたもの。
もともとはレバノンが発祥地で、 パセリメインのところに 「ブルグル」と呼ばれる 挽き割り小麦を混ぜた「ブルグルのタブレ」。
▲よくいくレバノン料理屋の「タブレ」(右下)。 ここのはパセリとトマトがメインでクスクスが少し混ざっている程度。 ベージュのクスクス比率が高いものと グリーンのパセリ比率が高いものと色々。
それをフランス風にアレンジしているものが 最も見かけるタイプで、 もっともっと細かい粒の、 世界一小さなパスタと言われる 「クスクス」を使ったもの。
「クスクス」は 白色のセモリナ粉を粉末にしてから 粒状にしたもの。 褐色のセモリナ粉を一度蒸した後、 挽き割りにしたものが 「ブルグル」と呼ばれるものです。
▲セモリナ粉の挽き割り小麦、「ブルグル」のサラダ。 この日はひよこ豆とナスのペーストの上に載せて ピタパンと共にいただくレバノン風。
肉やスープをかけていただく モロッコ料理「クスクス」の 穀物部分である「クスクス」 (カレーライスでいえばご飯部分)の方が、 日本では馴染みがあるでしょうか??
▲モロッコ料理の「クスクス」に登場するクスクス(左上)。 黄色い細かい粒状のクスクスに野菜たっぷりのスープをかけて お肉や豆などをのせていただきます。
「クスクス」や「ブルグル」に イタリアンパセリ、ミント、トマト、きゅうり、 玉ねぎ、エシャロットなどの野菜をあえて、 塩胡椒、レモン、オリーブオイルなどで 味付けしたもの。 それが「タブレ」サラダだよ!
▲フランスで「タブレ」といえば最もポピュラーな細かいクスクスを使ったタイプの サラダがこれ。スーパーで売っているのもほとんどこのタイプ。 きゅうり、とうもろこし、トマト、パセリ、ピクルスなどが入ってます。
スーパーのサラダコーナー、 お惣菜屋さんのサラダコーナー、 パン屋のサンドイッチのランチセットにつくサラダ。 とにかくありとあらゆるところで 見つけることができる、 定番の国民食といってもいいほどのサラダ。 給食にも頻繁に登場するから 子供たちも割と大好き。
▲量り売りの惣菜を売るようなお店でも必ずある定番のサラダ。 このお店にも「ブルグル」タイプ(手前のにんじんの上)と 「クスクス」タイプ(右上奥)両方おいてあります。
「クスクス」も「ブルグル」も 粗挽きから細引きまで色々なタイプがありますが、 「クスクス」の方は細かいサラサラとした 優しい柔らかさの粒。 「ブルグル」の方は プチッとした独特の食感がある、 パスタや米に近いけっこう食べ応えのある粒。
私は個人的には後者の「ブルグル」の方が 歯応えや風味が好きで 「ブルグルのサラダ」をよく作ります。
▲モロッコ料理の前菜で登場した「タブレ」。 これから「クスクス」を食べるのに、さらに前菜にも 「タブレ」に「ブルグル」が混ざったサラダで腹持ちたっぷり!!
両方とも日本でも手に入るようなので、 そしてと〜っても簡単なので、 フランスの国民食サラダ、 ぜひぜひ試してみてね!
「クスクス」は細かい粒なので、 熱湯で蒸して置いておくだけでもどるよ。 「ブルグル」も少し長い時間おいて 同じようにしてもいいけれど、 リゾットのように 好きなアルデンテ加減をみながら グツグツ煮ると簡単だよ。
両方とも戻すときに、 ブイヨンスープや出汁スープで戻しても さらに味が加わって美味しい。 超簡単で、腹持ちも良くて 食べ応えバッチリなので みなさんぜひお試しを!
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2020-12-22-TUE