バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「『クスクスの中で
ペダルを漕ぐ』とは?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「『クスクスの中でペダルを漕ぐ』とは?!」

バブー

みなさん、
クスクスって食べたことがありますか??
デュラム小麦から作られる粒で、
蒸したり、熱いお湯やブイヨンスープで
柔らかくして食べるよ。

これに肉やソーセージや野菜を煮込んだものを
一緒に食べる料理のことも「クスクス」と
呼ばれるけれど、
この粒自体のことも
「クスクス」っていうんだ。
これをフランスでは
「スムール」と呼ぶんだよ。


▼これは乾燥クスクスを蒸した物。これを付け合わせにしたり、サラダにしたり。
フランスではしょっちゅう登場する「スムール」。

とのまりこ
「クスクス」と呼ばれる料理自体も、
そしてサラダや付け合わせとして出てくる
「クスクスの粒」=「スムール」も、
フランスでは日常的に
しょっちゅう登場する、
本当に馴染みある食材・料理なのですが、
この「クスクス(スムール)」、
フランス語の面白い言い回しでも登場します。


▲野菜やハムなどを入れ、オリーブオイルやレモンや塩胡椒で味付けすれば
簡単にサラダに。スーパーの惣菜コーナーなどにも必ず売っている定番サラダ。

バブー
「Pédaler dans la semoule」
(ペダレ・ダン・ラ・スムール)。
「Pédaler」(ペダレ)は
言葉からも想像しやすいように
ペダルを踏む、自転車を漕ぐという動詞。

つまり、「クスクスの中でペダルを漕ぐ」
っていう言い回しなんだけどね、
どういう意味だと思う?!


▲こちらがフランスではあちこちで食べられる「クスクス」のレストランの様子。
たっぷり野菜を煮込んだスープ、肉やソーセージ、ひよこ豆などを
「スムール」にかけていただきます。

とのまりこ
漕いでも漕いでもうまく進まない、
つまり物事がうまくいかない様子を表す表現で、
「力を浪費する」「無駄骨を折る」
などと辞書には出てきます。

柔らかいふにゃふにゃさらさらした中で
漕いでも漕いでも埋もれていく感じ、
すごく想像しやすいですよね?!
最初に教えてもらってから、
あっという間に1回で覚えるのは
こんな風にイメージしやすかったり
美味しいものが絡んでいる言葉(笑)。


▲クスクスを食べられるレストラン。
野菜もたっぷり食べられるのでパリ観光の途中に食べる料理としても
人気です♪

「クスクス(スムール)」といえば、
我が家の息子、4歳のプチモンスターに、
幼稚園からの帰り道、
「今日の給食は何が出たの??」
と聞くと、
「スムール!!」
って、毎日ずっこけるほど
「スムール」が登場し、
その他一体何を食べているの?!
さっぱり分からん!
なのですが、そのくらいフランスでは
「スムール=クスクス」が
付け合わせやサラダで
出てくる機会が多いということなのです。
(実際、給食メニューのサイトを見てみると、
まあ、確かにしょっちゅう出てるようです)


▲毎日「今日給食に出たものはスムール」発言をする息子の言っていることは
本当なのか?! と思って給食メニューサイトにアクセスすると
確かに「Semouleスムール」という文字を目撃することが多い!
しかもこの日は「couscousクスクス」という文字も。
両方?! 一体何を食べているんだろう?!

バブー
新しい単語がなかなか覚えられない‥‥
記憶力には自信がなくなってきた‥‥
なんて思っても、
こういうイメージと結びつくのだと
1回で覚えられるよね。

プチモンスターの口から、
給食メニューは
「スムールだった」という発言が出るたびに、
ボクたちの頭の中に
「クスクスの中でペダルを漕ぐ」
イメージが浮かんで来るんだ。


▲これもフランスでは超おなじみ「タブレ」というサラダ。
たっぷりのパセリやトマト一緒にいただきます。

 

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「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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2021-11-23-TUE

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illustration:Jérôme Cointre