バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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バカンスには子どもの友達も
連れていく?!

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バカンスには子どもの友達も
連れていく?!

バブー

みなさんボンジュ~ル!
先週終わったばかりの春のイースターバカンス、
ボクの兄弟プチモンスター君は
『家族とともに友達をバカンスに連れていく』という、
フランスあるあるな過ごし方に
初めて招待してもらったんだよ。
 

とのまりこ
2月のスキーバカンス中のことでした。
クラスメイトの仲良しの女の子のママから
思いがけないメッセージが。
「ねえ、4月のイースターのバカンス、
ノルマンディー地方に行くことにしたけれど
ノアを招待して連れて行ってもいい?」
 
イースターのバカンスは4月。
まだ2月の今のバカンスが終わってないのに、
次のバカンスの話。
「あ、おフランスあるあるだわ(笑)」
と思いながら、
ご招待メッセージに息子は大喜び。
 

 

イースターバカンス中、1週間クラスメートの
家族に混じって旅をしてきた息子。
フランスあるあるなバカンスの過ごし方を体験。

 

キッチンつきのバカンスハウス。
ホテルもバカンスハウスも「1人あたり」ではなく
「部屋あたり」の値段が当たり前のフランス。
1人おまけが増えても宿泊代は変わらないので、
お友達を呼ぶ家族も多い。

 

バブー
彼らが借りたバカンスハウスは6人用、
車は5人乗り。
というわけで、4人家族にプラスして
もう1人乗って行けるからと、招いてくれたんだ。

 

とのまりこ
こうして迎えた先日の4月のバカンス。
1週間、息子が私から離れて
友達ファミリーと過ごした時間は、
羨ましくなるほど濃密で楽しそうなものでした。
 
ノルマンディー上陸作戦の歴史を学ぶ地を訪れたり、
ミュージアムを巡り戦争について学んだり
(パパが資料をプリントアウトする下準備までして、
子どもたちに説明してくれていた!)、
海辺で風に吹かれながらアイスを食べたり、
砂遊びをしたり、凧揚げをしたり。
ゴーカートやアスレチックで汗を流したり。
アパートについているプールで夜まで泳いだり‥‥。
 

 

「ノルマンディー上陸作戦」の地である
フランス・ノルマンディー地方は、
第二次世界大戦に関する重要な観光地や
ミュージアムも数多く点在するところ。
毎日いろいろなところに行って歴史の勉強も。

 

 

パパが事前に色々な資料をプリントして、
子どもたちに説明してくれたそう。
フランスの歴史的モニュメントや観光地に行くと
熱心に子どもに説明している両親を
よく見かけるのですが、まさにこれ!
ありがたく、素晴らしい‥‥。

 

バブー
朝から夜まで仲良しの友だちと走り回って、
楽しいことだらけ!
1部屋にマットレスを3つ並べて、
まるで小さな修学旅行。
 
でもね、なんでフランスの親たちは、
わざわざ他人の子どもを預かってまで
バカンスに連れて行くんだろうね?!
 

とのまりこ
実はここにフランス人らしい、
合理的で「粋」な理由が隠れているのです♪
 
子どもがもう1人増えることは
一見「負担」に見えるけれど、
「子ども同士で勝手に遊んでくれる」という
魔法のようなメリットを生むのです。
 
兄妹だけだったら喧嘩をしたり、
パパとママにべったりだったりするけれど、
友だちが混ざればいつもとは違う空間。
その隙に大人たちはワイン片手に読書をしたりと、
ちゃんと大人時間を持てるのです。

 

北の海はまだまだ冷たいけれど、毎日海岸で遊んで、
走って真っ黒になって帰ってきました。

 

バブー
こうやってバカンスに
子どものお友達を連れて行くパターン、
フランスあるあるなバカンスの過ごし方の
ひとつだけど、とっても粋だよね。
小学校高学年、中学、高校と、
大きくなるにつれて増えていくよ!
 
ちなみに費用については、今回招待してもらった旅では
「借りたアパートの定員に余裕があったから」
「車もちょうど1人分空いてたから」
「アクティビティや食事代なんて大したことない」
と、先方は一銭も受け取ってくれなかったよ。
 
その代わりに、ボクたち側も今までに何回か、
パリで開催された子どもイベントや、
遊園地に行くときに招待したことがあるんだ。
そういうやり取りの「お互い様」精神で、
こうやって緩やかに、かつ深くつながっているのが、
フランスの人間関係のような気がするよ。
 

 

バカンスへ、呼んだり呼ばれたり。
フランスあるあるな過ごし方は、これから
大きくなるにつれてどんどん増えていくようです♪

 

とのまりこ
もちろんこれ、
たとえば高額なリフト代やスクール代がかかる
スキーバカンスへの招待などであれば
各自で払うのが大人のマナーではあるのですが、
宿泊や食事、車での移動などに関しては、
持ちつ持たれつ。
特に細かくお金のやり取りをしないのが
フランスの
『家族とともに友達をバカンスに連れて行く』
ルールだったりします。
 

バブー
その代わり、一緒にレストランで食事をするときに
支払いをそっと済ませたり、
後日こちらが旅行に招待したり。
「お金」で解決するのではなく、
「体験」や「ホスピタリティ」で返していく。
それがフランス流の作法だよ。
 
今回は「支払いはいらないよ」と
受け取ってもらえそうもないのがわかっていたから、
ボクたちは日本で準備してきた
「みんなで遊べるおもちゃと
日本のおやつがいっぱい詰まったバカンスバッグ」を
子どもたちに用意したり、
出発の日に大量のおにぎりを差し入れしたり、
ささやかにお礼をしたよ。

とのまりこ
旅の写真が送られてくるたびに
「ありがとう!」
ってメッセージしていたら、
「ありがとうってもう言わなくていいよ!
こっちは大丈夫。心配しないで。
家族と同じように接するし、怒るから!
とにかくたまには1人の
自分だけの時間を持たなくちゃダメだよ!
自分だけのために時間使うんだよ!」
なんて温かいメッセージをもらったりして。
お留守番の私も
フランスらしい「粋」な計らいを感じました。
 

バブー
1週間後、真っ黒に日焼けして
少し逞しくなったプチモンスターが帰ってきたよ。
家族以外の大人に叱られたり褒められたり、
友だちと24時間一緒に過ごして、絆を深めたり。

フランスのバカンスって
単なる休み時間じゃないんだね!
それではみなさん、今週もステキな1週間を。

 

1週間ひとりっ子になったボクは、
いっぱいおさんぽに連れて行ってもらったよ。

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
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illustration:Jérôme Cointre