バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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フランスの薬局の奥に
「謎の小部屋」?!

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フランスの薬局の奥に
「謎の小部屋」?!

バブー

みなさん、ボンジュ~ル。
今日はボクの兄弟プチモンスターが
ちょっと大変だったお話です。

虫歯の治療で歯医者さんに
2回通ったあと、どうやら
器具が当たったりしたせいか、
下唇の内側にものすごく
大きな口内炎ができちゃったんだ。

 

とのまりこ
しかも普通の口内炎じゃなくて、
どんどん悪化していくタイプ。
1日中しょっちゅう痛い痛いと半泣きで
ほとんど食べられない状態になって、
さすがにこれは放っておけないと
バカンス先で薬局に駆け込みました。

 

夏休みのバカンスに出発した初日、あまりにも酷くなって
唇全体に広がってしまった口内炎のため、
薬局に駆け込み「遠隔診療」システムを使うことに。
痛すぎて機嫌が悪い息子です。

 

バブー
薬剤師さんに唇の状態を見せると、
これは抗生物質がないと治らない
ということで、さあ困った!

抗生物質は処方箋なしでは買えないから、
お医者さんに診てもらわなくちゃいけない。
でもボクたちはバカンス先。
かかりつけ医は遠いパリだし、
そもそもフランスでは予約を取らないと
医者には行けない。
そしてその予約はすぐ取れないことが
ほとんど‥‥。
さーて困ったと困り果てたボクたちを
救ってくれたもの。
それは薬局の奥にある
秘密の不思議な小部屋だよ。

 

薬局の奥に小さな小部屋のようなブースが
設けられている「遠隔診療」システム。
駆け込んだ薬局がまあまあ大きなところだったので、
運よくこのシステムをすぐ利用することに。

 

とのまりこ
ここ数年で一気に広まった
「遠隔診療ブース」なのです。
インターネット越しに
お医者さんとつながって、
その場で診察を受けられるシステム。

気になっていたけれど、
片手で数えるほどしか医者に
かかったことのない我が家、
まさかの口内炎でお世話になることに。

 

バブー
電子聴診器、体温計、
耳の中を映すカメラ(耳鏡)、
血中酸素を測る機械、血圧計などが
画面の前に装備されていて、
画面の向こうのお医者さんに
「その丸い機械を右耳の穴に
入れてみてください」と言われたり、
「じゃあ聴診器を胸に
当ててください」と言われたり
して自分で自分を診察するんだよ!
ちょっとシュールな体験だね(笑)。

 

電子聴診器、体温計、耳鏡、血中酸素を測る機械、
血圧計、ヘッドホンマイクなど色々装備されてます。
画面には「ドクターが5分以内に応答します」と
スタンバイを指示するメッセージが出ています。

 

とのまりこ
今回はひどい口内炎だったので、
使ったのは体温計と
ヘッドホンマイクのみでしたが、
なかなかすごいシステムです。

診療が終わると処方箋を出してくれて
薬局に直接送ってもらえます。
今回は土曜日ということもあったのか、
保険証を登録してから40分ほど待ちました。

でもこれも、
「あなたの番は15分以内です」
「5分前になったので準備してください」
などちょこちょこ携帯にお知らせがくるので、
その場で待っていなくてもいいという
なかなか便利なシステム。

「予約を取らないと診療に行けない、
予約がずっと先まで取れない」
のが当たり前のこのフランスにおいては、
信じられないくらい便利なシステムです!

 

今回は口内炎(口の中に関する診療)ということだったので、
事前に指示されたのは体温測定のみ。
器具の使い方も画面に出てきて、
診療前に必要な情報を入力できるようになってます

 

バブー
こういうブースがなぜ
フランスで広まったかというとね、
「医療の砂漠」って言われる
深刻な問題があるんだ。
地方だけじゃなくパリの郊外でも、
かかりつけ医が見つからない、
予約が3週間先しか空いていない、
というのが普通にある話で。

コロナ禍(2020年~)をきっかけに
政府が遠隔診療を後押しして、
社会保険も適用されるようになって
一気に広まったんだよ!

 

とのまりこ
ただ、すべての薬局にあるわけでは
ありません。
この小部屋、開発会社から月額制で
レンタルしている形。
小さな薬局では、そもそも小部屋を
置くスペースが物理的になかったり、
操作のわからない人からの質問で
薬剤師さんの手も取られるし、
医者が十分いる地域だと需要も少ないetc.
様々な事情が重なり、
置いている薬局と置いていない薬局があるのです。

「医療先進国なのかアナログ国なのか
よくわからない」
と言われがちなフランスですが、
「予約なし」で駆け込めて、
このフランスで待たない医療があるというのは、
かなり便利で革新的!
今回はこのシステムで助けられました。

 

画面越しにお医者さんと診療。
こちらの様子もカメラでお医者さんに
送られるようになってます。
必要な薬の処方を書いてもらって、
薬局にすぐ送ってくれました。

 

バブー
画像はちょっと悪めだし、
相手の先生に口内炎がちゃんと
見えてるのか見えてないのかも
ちょっぴり疑問だったけれど‥‥(笑)。
合理的で、
「ちょっとまあこれもありでしょ」っていう
解決策を作り出すのも、
フランスあるあるですごいなって思うよ!

わざわざ何日も何週間も先の
医者に行くまでもないことだったら、
この「遠隔」システムで
すぐっていうのは本当に便利だよね。

ちなみにこれ、フランスの保険証を入れると
負担額の分だけ請求されるのだけど、
保険証のない旅行者などでも
パスポートとクレジットカードで使える、
日本のみなさんにも便利なシステムなんだよ!
画面越しに医者とやりとりするという
言葉の壁はあるものの、
きっと助けてくれる人はいるし、
薬局の中で安心だし、
いつか役に立つかもしれないよ!

というわけでみなさんもフランスを
旅するときは薬局の奥の
秘密のブースのことを思い出してね♪

それではみなさん今週もよい1週間を!

 

ボクたちが薬局に駆け込んだのは、
南仏のモンペリエという大きな街。
ここから車で20分くらいの小さな村で過ごしているよ。
先週は40度にまで上がる日が続いて
焼けるような暑さだったけど、
パリと違って家にはクーラーがあるから、
室内に逃げ込めば快適だよ!

 

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
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illustration:Jérôme Cointre