バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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庭でバーベキューをしたら、
警察を呼ばれるかも?!

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庭でバーベキューをしたら、
警察を呼ばれるかも?!

バブー

みなさん、ボンジュ~ル。
夏休み真っ只中ですが、
みなさんは夏の楽しみといえば
何を思い浮かべますか?
花火、海、かき氷、お祭り、
そして‥‥バーベキュー?!

でもフランスでは今、
庭で炭に火をつけるだけで、
ポリスを呼ばれてしまう可能性が
あるんだよ!

 

フランスのバーベキューはこんな感じ。
美味しいソーセージ類や味付けされた串刺し肉などは、
どこのスーパーや肉屋でも売っている定番。
このほか、超ビッグサイズのステーキ肉を焼いたりします。
日本人的には色々な野菜も焼きたくなりますが、
野菜はほぼなしなのも、フランスあるある。

 

とのまりこ
自分の庭でのバーベキューで通報。
冗談みたいな話ですが、本当。
今年の夏、ヨーロッパの異常な暑さは
日本でもニュースになっていると思いますが、
それとともに山火事のニュースを
ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

 

例年だったら「8月なのにもう夏が終わっちゃって
秋だなあ‥‥暗く寒くなっていくばかりだ」と
悲しんでいる8月中旬。このコラムを書いている日も、
フランス全土の予報がこんな感じ。
今日もクーラーのない部屋でがんばってます。

 

バブー
フランスの夏は、日本の夏とは
根本的に「危険の種類」が違うんだ。

日本の夏といえば、
「熱中症警戒アラート」。
人間の体を守るための
お知らせが飛び交うよね?

一方フランスの夏は
「Météo des forêts
(メテオ・デ・フォレ=森林天気予報)」。
人間ではなく
「森を守るための天気予報」が、
毎日テレビやアプリで流れるんだよ。

 

とのまりこ
この「森林天気予報」、
2023年からフランス気象庁が
毎年夏に発表しているもので、
山火事の危険度を、
緑・黄・オレンジ・赤の4段階で色分けして、
地図上に示してくれます。

バカンス真っ最中で
あちこちに旅行している人が多い今、
天気予報と一緒に
「今日の自分がいる地域は何色か」を
確認するのが日常になっています。

 

こちらが「森林天気予報」の一例。
赤から緑まで4つの色で、山火事の危険度を色分けしています。
今年は南仏だけでなく北の方までオレンジや赤が
たくさんなことを見ても、酷暑具合がわかります。

 

バブー
なぜそこまで
森を気にするかというと‥‥
フランスでは山火事の90%以上が
「人間の不注意」が原因だから!

タバコの火の不始末、バーベキューの火花、
草刈り機や電動工具から飛び散る火花etc.
こうした日常のちょっとした「火」が、
乾燥しきった夏のフランスでは、
あっという間に大惨事に。

とのまりこ
日本の夏は、湿度が高くて蒸し暑い。
だから草木が水分を含んでいて、
「森全体が爆発的に燃え広がる」
という事態にはなりにくいのですが、
フランスの夏は湿度がとても低くて
カラッとしているので、
草木はカラカラの「天然の薪」状態。

そこに「ミストラル」などの強い風が吹くと、
タバコ一本の火種が、
数分で数ヘクタールを呑み込む
大火災になってしまうのです。

 

バブー
だからフランスには
こんな法律があるんだよ。

『森林保護法により、
森林やその周辺200m以内では
年間を通じて屋外での
火の使用と喫煙が全面禁止』

さらに警戒レベルがオレンジや赤になると、
地域や県の規定(知事令)によって、
自宅の庭であっても
バーベキューなどが禁止されることも!

そして森やハイキングコースへの
立ち入り自体が禁止!

草刈り機やチェーンソーなど
火花が散る工具の使用も
時間帯によって禁止!

※具体的な禁止内容は、自治体・県の規則によって異なります。

 

バカンスといえば大きな庭付きの家を借りて、
夜はバーベキューなんていうのがお決まりの過ごし方なのに、
今年は禁止エリアが多くて一度もできず。

 

とのまりこ
「自宅の敷地内でもNGになることがあるの?!」
と驚きますが、これが今のフランスの現実。

今年2026年は特に深刻で、
フランス全土で半分以上の県が下草除去義務等がある
山火事の高リスク地域に指定されて、
国を挙げての超警戒モードになっているのです。

かつては「南仏だけの問題」だったのが、
今や北部やパリ近郊の
フォンテーヌブローの森まで
規制が広がっています。
(フォンテーヌブローもつい先日
大規模な火災があったばかり)

 

遊びに行った友人の家でも、バーベキューをするのを
楽しみにしていたのですが、残念ながら火気厳禁!につき、
キッチンで作った料理を庭で楽しむだけの夏に。

 

バブー
罰則も厳しくて、
規制区域内でバーベキューをしたり
タバコを吸ったりすると、
135ユーロ(約25000円)、
最大750ユーロ(約138000円)の罰金。

もしそれが原因で
実際に山火事が起きてしまったら、
重い禁錮刑や、
数千万円規模の賠償金に
発展することもあるんだよ。

とのまりこ
バカンスといえば、
「庭付きの家を借りて、夜はバーベキュー」
なんていうのが定番の過ごし方なのに、
今年は猛暑がすごすぎて
常に「禁止」が続いていたので、
結局私たちも一度も
バーベキューできずに終わっています。

日本の「じめじめした夏」も
かなり辛いけれど、
実は天然の防火壁になっていたんだなあ
と感じています。

 

みんなで集まってバーベキューができないのは残念ですが、
乾燥したフランスの夏を考えると、
ちょっとした飛び火と風であっという間に火が広がるので、
酷暑の中ではしょうがない規制です。

 

バブー
夏はフランス全土にあるキャンプ場で過ごすのも
定番の過ごし方だったりするんだけど、
キャンプ場でも、もちろんこのルールは同じ。
バーベキューの禁止でちょっと残念な
思いをしている人もいっぱいいる、
暑い暑い今年の夏だよ。

それでは夏休みも後半戦あと少し。
みなさん今週もよい1週間を!

暑くてボクもお散歩では水筒必須!
あまりの暑さで草木や木の緑が焼けてしまって、
まるで秋が来たような茶色になってしまっているところも多いよ。

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
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illustration:Jérôme Cointre