バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 


   

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パフェという「完璧」な
デザートの、ながーい旅?!

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パフェという「完璧」な
デザートの、ながーい旅?!

バブー

みなさん、ボンジュ~ル。
突然ですが、あの美味しい美味しい
パフェの『パフェ』って
フランス語なの、知ってたかしら?

「parfait (パルフェ)」、
=「完璧」

って意味なんだよ!
英語の「パーフェクト」のフランス語版。

でもね、パリのカフェでメニューを開いても、
日本のあのパフェにはなかなか会えないんだ。

 

『完璧』という名前を持つ、日本ではお馴染みの『パフェ』。
このいかにも外国っぽいデザートが、
フランスではほとんど出会うことがない?!

 

とのまりこ
そうなんです。
背の高いグラスに、アイスにクリームに
フルーツにコーンフレーク‥‥。
フルーツパーラーでも喫茶店でも、
ファミレスでもどこに行っても
色んな味の豪華なパフェがありますよね。
あんな、いかにも「外国から来た?!」
という洋風なものですが、
パリに暮らして20年以上たっても
ふと恋しくなる、
日本の美味しいもののひとつです。

フランスで 『パルフェ』といえば、
卵黄と砂糖、たっぷりの生クリームを
合わせて型に流して、
そのまま凍らせた冷たいお菓子のこと。
アイスクリームみたいにかき混ぜなくても、
なめらかに固まるのが特徴なんです。

 

フランスで「Parfait」(パルフェ)といえばこの
卵黄と砂糖と生クリームを凍らせた冷たいお菓子のこと。
長方形のケーキ型をカットしたものとかが典型的で、
そのほか器に入れた丸いムーススタイルなど色々ですが、
日本の「パフェ」とは程遠いイメージ。

 

バブー
最初はモカ風味の冷菓を指す言葉だったそうで、
ナプキンの上に盛られて、
ナイフを添えて出されていたらしいよ。
ガラスの器にも入っていないし、
色々な素材の層もない、
まったく別のお菓子なんだね!

とのまりこ
パリで日本でいう『パフェ』っぽいものを
探すとしたら、
カフェやアイスクリーム屋さんの
メニューにある
「Coupe (クープ)」が近いような気がします。
脚付きのグラスにアイスを盛って、
シャンティと呼ばれる生クリームをもりもり絞って、
赤い果実をあしらった
「クープ・ド・フリュイ・ルージュ」なんて、
見た目はほとんどパフェ。

バブー
でもね、スプーンで掘り進めてみると‥‥
出てくるのはアイスとソースと果物と
シャンティだけ。
コーンフレークもスポンジ生地も
ゼリーも出てこないんだよ!
『クープ』の主役は、
あくまで「アイス」なんだよね。

 

フランスでたどり着く『パフェ』っぽいものといえば、
この『クープ』。アイスとたっぷりの生クリームと
フルーツを盛ったもので、確かに高さはあってパフェっぽい。
だけど、これはパフェじゃない!!っていうのが私たちの感覚です。
これはこれでもちろん美味しいのだけど♪

 

とのまりこ
では、フランス語なのにちょっと違う
日本の『パフェ』は
一体どこからやってきたのかというと、
今のパフェの原型を育てたのは
フルーツパーラーだった模様。

フランス生まれの『パルフェ』という
名前がアメリカに渡って、
その当時アメリカで『パフェ』といえば
背の高いグラスに
アイスや果物やクリームを層にした
デザートだったそうですが、
それが日本にたどり着き、
アレンジされていったそうです。

 

日本一時帰国中の思い出のひとつ。
どこに行ってもメニューに夢のような盛りだくさんの
『パフェ』の写真が載っているので
(フルーツ味もチョコ味も抹茶味も。種類も豊富!)、
みたことのないデザートに喜びを隠せない息子(私も)♪

 

バブー
フランス生まれの名前が、
アメリカを経由して日本にたどり着くあいだに、
形を変えて日本の『パフェ』が生まれたんだね。
昭和にはデパートの食堂や喫茶店、
ファミレスへと広がって、
日本ではお馴染みのみんなが大好きな
デザートになったみたいだよ!

一層ごとに食感や温度や食べ合わせが
設計されていたりして、
パフェもどんどん進化しているよね?!

 

とのまりこ
というわけで、いかにもフランスにありそうな
フランス語由来の『パフェ』というデザート、
実はフランスで見かけることは稀なのです。

ここ数年は、日本人パティシエのいるお店を中心に、
私たちが想像する『パフェ』を
扱っているところもちょっとずつ増えてきて
(特に抹茶などの日本ブームに乗っかって、
抹茶や黒胡麻やほうじ茶を使ったデザートが
増えたことも関係ある気がします)、
パフェを食べられるお店も増えてきました。

とはいえパフェを紹介するレシピや
お店を紹介する記事でも
『Parfait japonais』=『日本風パフェ』
と表現されることも多いように、
元々のフランスにはなかったもの。
日本が誇るデザートのような気がします♪

 

こちらはいちばん最近食べたパフェ。
日本人パティシエのお店『Toshiya Takatsuka』さんで
いただいたもので、秋らしくモンブランのパフェです。
季節ごとに変わるパフェは、このお店の人気者。

 

バブー
フランス人にとって 『parfait』は
"凍らせたお菓子"のこと。
だからわざわざ「japonais(日本の)」を
つけて呼ぶのが、なんだか面白いよね。

『parfait(パルフェ)』=『完璧』
という名前を背負って、
フランスからアメリカ、
アメリカから日本へと旅をして、
すっかり別のお菓子になって帰ってきた
『パフェ』。
グラスの底まで続く層をいろいろ楽しめる
日本風のパフェは、
フランスの人たちにも大人気のデザートに
なりつつあるよ。

それでは今週もよい1週間を!

 

日本人シェフのお店を中心に『日本のパフェ』が
広がりつつあるパリ。
レシピなどを調べても『日本のパフェ』という
名前がついていることがほとんどなことからもわかるように、
私たちが当たり前に思っている『パフェ』は、
フランスの『パルフェ』とは違うものだった。

 

 

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
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illustration:Jérôme Cointre