OK! Yeah! ─── 『風が吹けば、桶屋が儲かる』
No.09
風が吹けば、
きのこの胞子が飛散する
あちこちで、きのこがにょきにょき
すると、毒きのこを食べて中毒する人が増える
きのこ中毒の人が増えると病院が忙しくなる
病院が忙しくなると看護師さんの笑顔が消える
看護師さんの「にっこり」がないので患者が絶望する
患者が絶望すると家族の心的負担が増える
ストレスがたまった家族は夕日に向って叫ぶ
そんな人が激増すると
「夕日に向って叫ぼうコンテスト」が開催される
上位入賞を目指して練習するのでノドを酷使する
給水やうがいのために水が大量に使われて水不足になる
朝シャンはもちろん個人の入浴なんてもってのほか
となると銭湯や温泉が大人気
人々が押し寄せると湯船や風呂桶の劣化が進むと同時に
新機需要も増え、
桶屋がもうかる  新井文彦(きのこ/粘菌写真家・ライター・コピーライター)
 
2013-05-10-FRI
このコンテンツのトップへ つぎへ
 
illustration:Toshiyuki Fukuda (c) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN