8月9日
基礎

建物の床を剥いだらこんな風でした。
この建物は戦後の、もののない時代に建てられたそうで、
煉瓦のような柔らかな素材で基礎を積んだり、
角材を当てただけの部分もありました。
屋根を支える束も、敷居に使っていた材なのでしょう、
溝が二本刻まれたまま立っていました。

この部屋は台所として使われていましたが、
一度改装してあって、
その時もやはり台所だったようです。
左の方に竈の跡があり、
その上の囲われたコの字型の壁が、黒く煤けていました。
とにかく急ごしらえで改装したのでしょうか、
竈の跡も整理しないそのままの状態、
まるで瓦礫が散乱し発掘現場のようでした。
古い時間の層が床下から顔出したのです。


2010-10-15-FRI

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