三谷龍二さんのあたらしい場所。[10cm日記]
 


10月7日
大丈夫だと思うけれど、
でも少しだけ心配
外壁の塗装をする段階に来ました。
重要なのは道路側の古いタイルで出来上がった部分と、
新しく貼った板壁の部分とが、
違和感なく馴染むようにする、ということでした。
そのためにはどんな仕上げだったら相応しいのか、
いろいろ考えたのですが、
恐らく長い時間を経過した、
古い板のような風合いがでれば、
それが一番馴染むのでは、というのが結論です。
 
でも古い板のように、というのは
自然にそうなったのであればいいのですが、
そういう風に仕上げる、となると
なかなかうまくいきません。
それでも普段使い慣れた広葉樹であれば、
経年変化した木の色合いに近づけることは
できると思ったのですが、
針葉樹の場合は少し性質が違っているようでした。
まず外壁に使うサンプルの板で
広葉樹での方法を試してみたのですが、
あまりうまくいきませんでした。
そこでなにかいい塗料は、と調べてみたところ
「ウッド・ロング・エコ」という名の
外壁防護液があることを知りました。
解説によると、
「古来、北欧の木こりたちの家族ごとに
 代々伝えられてきた
 天然素材の木材防護液がありました。
 後に、カナダへ移民した一家族が、
 歴史的文化財であるログハウス修復のために
 この木材防護液を復活させました。
 やがて、文化財修復の専門家達から、
 その安全性、簡便性、長期の防護効果、
 銀白色化等の評判により
 次々依頼が来るようになりました」とありました。
 
後日、その話しを工房でしていたら、
スタッフの人が、家のデッキに
それを使ったということがわかりました。
早速見せてもらいたくて、案内してもらうと、
確かに銀色がかったグレー色で、
ちょうど長い間雨ざらしになったような、
自然な色合いになっていました。
雨風に当たると木の色がこんな風になる、
というのは桟積みしている材木で、
僕もよく知っていましたが、
それが塗装でできるというので、ちょっと驚きでした。
それに他の外壁材のように顔料による塗膜もないので、
知る限りではこれが一番近い塗料かも知れないと思い、
決めたのです。
届いたのは、上のような顆粒状のものでした。
これを水に溶いて使用するようなのですが、
「類似品を警戒して成分は一切明らかにしない」
ということで、これだけを見ても
何が何なのかよくわからない。という気持ちでした。
言われるがまま信じるしかしょうがない。
ということで、今日この防護液を塗りました。
 
ご覧のとおり、まだ少し色がついた程度の
塗り上がりです。
解説では塗布後半年ぐらいまで、
徐々に変色していく、とあるので、
恐らく10センチがオープンする来春頃には、
きれいなグレーになっていることでしょう。
 
大丈夫だと思うけれど、
でも少しだけ心配でもあります。

2010-11-02-TUE
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