それからずっとチョコレートやりんごを食べながら
「アイボないねぇ」ネタをくり返すふたり。
おなかがある程度いっぱいになったら、
壱はキッチンに走っていって、なかなか帰ってこない。
キッチンからは女性スタッフの笑い声が。 |
ハリー
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ああ、あの子、女の人が好きなんだねぇ。うんうん。
おっきくなってもこのまま、
女の人に近寄りたいという本能を、
素直に行動にあらわしていってほしいなぁ。
なんせ、女性がいなければ
生きていけないからね、男は。
女性の存在に感謝し、
やさしく奉仕する気持ちを忘れずに
すくすく育ってほしいね。 |
スガノ |
・・・やさしく奉仕??
ええと、ハリーは、昔からそんなに
女の人に対する感覚がするどかったの? |
ハリー
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うーん、まあ、あの、
「OK」の嗅覚っていうかね。
押しのタイミング、っていうのはわかるね。 |
スガノ |
押しのタイミング・・・。
まあたしかに、女性にとって
押しのない男性は結局
「いい人」で終わったりするからね。 |
ハリー
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押しは無理矢理ってことじゃないんだよ。
ただただ力まかせに押し続けても、意味がない。
なぜって、力を加えていくだけだと、
向こうもそれにあわせて押し返せるわけだから。
だから、緩急のメリハリが必要だよね。
で、実は最初はさ、
相手を全面的に受け入れることが、重要なんだ。
「ちゃんと話を聞いてあげてる」ということを、
まずアピールするわけ。
そうすると、女性は安心するよね。
この時点で、相手は1段階、押しに弱くなってる。
押すのはそこから、なんだよね。
聞き役をしっかりやってるうちに、なんかのはずみで、
相手の隙がはっきり見えるときがあるから。 |
スガノ |
はっきり!! そいつぁすごい。
どういうときに、隙が見えるわけ? |
ハリー
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簡単に言えば「距離が近まった」ときなんだけど、
会話をしていて、女の人が
「好き」まではいかないんだけど、
「このままずっと話していたい」と
感じているのがわかる瞬間があるんです。
これは、しぐさとか表情とか見てたら、
絶対わかる。
ほら、別になんとも思ってない人どうしなのに、
なんかのはずみで、ふと気づいたら、
「共感の空気の層」
みたいなものが、
ふたりをとりまいてたりすることって、
あるでしょ?
そのときですよ。
なんかよくわかんないけどいい雰囲気になって、
緩んで隙ができたところを、
こう、クアァァッ!!と。
(ハリー、水鳥の首を
いきなりつかむような動作) |
スガノ |
ガー! こわい!!!
でもそれ、かなりあたってますわ。
なんとも思ってない人どうしなのに、
っていう不思議感が、すごくよくわかる。
離れがたくなるときが、口説きどきなんだ。 |
ハリー
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それを見抜ければ、大丈夫です。 |
スガノ |
女の人に慣れていることがまずたいせつだね。 |
ハリー
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うん。それから、中学生くらいになったら
球技をすべきだね。
壱くん、キャッチボールするからおいで。 |