ハハ・スガノからの指令

メリー木村さんは、
ほぼ日ブックスやデリバリー版、そして
たっくさんの「ほぼ日」コンテンツを担う、若きエース。
取材や原稿、打ち合わせに、とても忙しいはずなのに
「あ、それ読んだことあるッス」
「あ、その作家は、●●を書いた人ッスよね」
と、この人の時計はどーなってるのかぃ、
と思うくらい本を読んでます。
活字を4行追っただけで爆睡している主婦(わたくし)
とは違います。
どうか本好きな息子になりますように。
木村さん、よろしくお願いします。

GO!

壱はクッキーをボーリボーリ
食べながら登場です。
いっぽう、メリー木村はピシッと立って、
緊張の面持ち。

メリー
こんにちは!

壱
こんにちは、メリーせんせい。
あのね、こんなにいっぱい本持ってきたの。

メリー
おー、いいね。

壱
あのね、このクッキージャムが入ってるんだよ。

メリー
おー、いいねー。

壱
ほら見て。ジャム

メリー
あー。いいね。
木村さん、直立不動で
「いいねー」の3連発ッス。
息子のことより、メリー木村のことが心配になってきた
おばちゃんスガノでございます。

身長差約90cmのふたりです。


メリー
じゃ、読もうか、本(ニッコリ)。
どれがいい?

壱
うん。これ。
壱が選んだのは『ラチとらいおん』(福音館書店)。
これは、クリスマスプレゼントにもらった本で、
現在のお気に入り。

メリー
えーと、ゴホン。
『ラチとらいおん』(声野太め)。
木村先生、いっしょけんめい、いっしょけんめい
読んでくださってます。
そのありがたさに、ハハスガノは感動にうち震えますが
4歳児当人はのほほ〜んとしてる。

メリー
「ラチはせかいでいちばんよわむしでした」

壱
あのね、ラチは暗い部屋には入れないんだよ。
壱くんも、入れないんだよ。

メリー
そーか。暗い部屋に入れないんだね。

壱
うん。

メリー
「よわむしのひこうしなんて、いるでしょうか」

壱
いなーい!
あのね、ひこうしになりたいんだよ、ラチは。
えーから黙って聞かんかい!

メリー
オー、そーだね
(壱の肩を抱く)。

じっと座っていない、
落ち着かないようす。
でも、本の世界には
入りこんでるみたいだ。


メリー
「ポケットの中には何がはいっていたとおもいますか?」

壱
りんごー!!

メリー
ナーイス!

アメリカナイズされた
読み聞かせ方だ!
行儀は常に悪いが、
メリーのことが
大好きになってきた壱。

気がつけば、
深夜のアメリカ青春映画みたいなムードが。
壱とメリー木村の、若者の世界。
よく考えたら、このふたりは「同世代」なのかも。

メリー
こどもは、真剣に向き合ったらだれでも
けっこうちゃんと
こちらと対応してくれますよね。
ひとりの人として、
認めてあげる
と。
はっはぁ。「若者の世界」化していたのは、
そういうことだったのか。
大人VS子どもとして接するのではなく、
ひとりの人間として接することの大切さを
改めて感じましたよ。いや、ほんまに。

読書家、メリー木村のおすすめ課題図書は?

・小学生低学年
 『ふたごのでんしゃ』
 (渡辺茂男作・堀内誠一絵/あかね書房)
 『ぼくは王さま』シリーズ
 (寺村輝夫作・和歌山静子絵/理論社)


「小学生低学年の時には、ひょっとしたら、
 このぐらい入りやすいものがいいのではと思いました。
 『ふたごのでんしゃ』は、かなり古い本ですけれど、
 男の子の電車好き成分や明るさを刺激しながら、
 優しさと死について、遠まわしに教えてくれますよ」

・小学生高学年
 『はてしない物語』
 (ミヒャエル・エンデ/岩波書店)


「ぼくが、マンガ以外で
 生まれてはじめて、何十回も読んだ本です。
 おもしろさに驚き、夢中になり、感動しました。
 いい本は他にもたくさんあるでしょうし、
 すてきな体験は読書以外にもいっぱいあるでしょうが、
 肌に合う人には試してもらいたい、すばらしい本です」

・中学生
 『こころ』(夏目漱石/新潮文庫)

・高校生
 『ジャン・クリストフ』(ロマン・ロラン/新潮文庫)
 『モンテ=クリスト伯』(デュマ/岩波文庫)

・大学生
 『カラマーゾフの兄弟』
 (ドストエフスキー/新潮文庫)
 『ドン・キホーテ』
 (セルバンテス/岩波文庫)


「人には相談できない大切なことが、
 中学生以降は、どんどん増えてきますよね。
 そんな時の相談役みたいな感じで、
 本を手にとることもできるんじゃないかなぁと思い、
 そういう観点で選んだのが、この5冊です。
 どれも何度か読みなおしていますが、
 読むたびに感心するところが違い、すごいです」

だそうです。
おお、メモメモ! 奥さん、メモっとかな!
「ほぼ日」のなかでいちばんの、
しかもいい距離をちゃんと持つことのできる
トモダチとして、
メリー木村は壱に認識されたもよう。

メリー
ぼくは、小さいときから、
誰に言われるともなく本を読んでいました。
しかもすごく集中して。

スガノ
えっ、じゃあ、壱を本好きにするのは
難しいのかなあ。

「まあ、それぞれの子で
いいところは
ありますから・・・。
壱くん、いい子ですよ」

ハハ・スガノの結論

子どもは、人である。




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2002-12-28-SAT


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