零士 |
よろしくおねがいしまーす。
今日は、壱くんがいい男になるために
零士先生が教えに来ましたよ。
あ、きちんとソファに座ってくださいねっ! |
壱 |
ハーイ! |
零士 |
人と話すときは、きちんと座ることが大事だよ。
それから、お話しをするときは、
その人のお顔をちゃんと見てね。 |
壱 |
うん。
アッ。ライトが変わった(よそ見する)。 |
零士 |
ほら、言ってるそばから(笑)!!
フフフ、いまはね、壱くんのために
ライトを7色にしてみたの。
壱くんのために
プレゼンテーションをしたんだよ。
あのね、好きな女の子にプレゼンテーションをする、
これはすごく大事なことなの。
日本人はそれがとても下手なんです。 |
スガノ |
プレゼンテーション・・・。
されたことないかも。 |
零士 |
幼少時代の、お父さんとお母さんの
ちょっとしたやりとりから、子どもは
すごく影響を受けちゃうんですね。
男と女のプレゼンが
夫婦になっちゃうと
いいかげんになってしまうから。
あー、壱くん
そっちにいっちゃあいけませんよ。
はい、先生の横!
手はここに置いて。 |
壱 |
ハイッ! |
零士 |
「なあなあ」の関係になってしまった
両親を見てすごすから、
子どもはプレゼンが下手になるんです。
欧米の10代後半の男の子なんかは、
プレゼンテーションがそれなりにうまいでしょ?
日本は、愛だ恋だはけしからん、
みたいな雰囲気があるから、
女の子に対するアプローチ下手を
生んできたと思うんですよ。
ところで壱くん、シャンパンって知ってる? |
壱 |
おさけ? |
零士 |
うん。お祝いのときに飲む、
ポーン!って音の出るやつだよ。
まずは乾杯のしかたを教えてあげるよ。
これが上手にできないと、だめなんだよ。 |
壱 |
かんぱい? |
零士 |
(お客さまが店内に入ってくる)
いらっしゃいませ!
(小声で)さ、壱くんも! |
壱 |
いらっしゃいませーぃ! デへへへ。 |
零士 |
じゃあ、乾杯の練習をしましょう。
お客さんと接するのは、
まずは乾杯からですよ。
はい、シャンパングラス。
これは、ドン・ぺリの、
1985年のヴィンテージもの。
ブラックラベルです。 |
壱 |
あ! ブラックって、
ガオレンジャーの仲間だよ! |
零士 |
そう! ガオレンジャーのブラックが
これ飲んでるから! |
あやや&スガノ |
アハハハハ! |
壱 |
へへへ! |
壱 |
あ、こぼしちゃった。 |
零士 |
女の子がこぼしたときはね、
「あー、たいへんたいへん」
って騒ぐんですよ。 |
あやや&スガノ |
ワハハハ! |
零士 |
ふき取る時間は同じでも、もの静かにふくよりは、
女性は気分がいいんですよ。
たいへんなことはたいへんなように、
はやくなんとかしてあげなきゃ、っていう気持ちを
きちんと伝えることね! |
あやや |
零士先生は、小さいころから
女の子と話をするのが上手だったんですか? |
零士 |
小さいときはそんなにうまくなかったですね。
どちらかというと、木の陰からそっと
みんなが遊んでいるのを
見ているような子どもでした。
みんなで仮面ライダーごっこなどをしていても、
ぼくは仮面ライダーをやりたかったんだけど、 |
壱 |
ぼく仮面ライダーみたことある! |
零士 |
あるだろぉ?
俺やりたかったんだよ、あれ。
やりたいけど、あえて
「そんなものできねぇよ」って言って
陰から見ていた(笑)。
ぼくは、小学5年生のときに
「俺の空」っていうマンガを見て
発情しちゃったんです。 |
スガノ |
本宮ひろ志の! |
零士 |
うん。あれでドカーンと!
なんだかその時期が早かったがために、
変に硬派のほうに走っちゃってね。
男子たるもの、そんな女にデレデレしてはいけない!
というふうに思っちゃった。 |
あやや |
意外ですねー! |
零士 |
だけど、その時期は自分のなかで、
ウォッチングしていたんですよね、
女性を。
透明の下敷きの表面を黒く塗って、
女のコの表情を見たりして。 |
スガノ |
えー! すごい。 |
零士 |
高校に入って、いろんな地域の子たちと
いっぱい知りあうようになって、
素直に「もてなきゃいけないんだ」って思った。 |
あやや |
そこで解禁を。 |
零士 |
うん。
それまでは友達との仲間意識も強かったりして
ブレーキがかかってしまったんだろうね。
さあ、次に、ワインの勉強をしますよ。
ワインも同じように、先生の顔を見て乾杯です。
そして、こうやって手をおいて、
クルクルクルクル〜ッ。
そうすると、味が変わります。 |