糸井 |
タモリさんが、
「人類はみんな、ほんとは変態である」
というのは、つまり、
「性は、頭で考えたことなんだから、
動物のとおりになってるはずはない」
っていうことですよね? |
タモリ |
そうなんですよ!
ええ、そういうことなんです。 |
糸井 |
ですよね。 |
タモリ |
ええ。 |
糸井 |
ほんとにぼくは、同じ意見を持ってまして。 |
タモリ |
あ、そうですか? それ、正しいでしょ? |
糸井 |
はい。 |
タモリ |
つまり、変態っていうのを見てみると、
最近またね、変態の本が出たんですけど。
生殖からズレるわけですよ。
で、だんだんだんだんズレて、
もう性行為がなくなってるわけですよね。 |
糸井 |
はいはいはい。 |
タモリ |
そうなると、例えば、
ただ単に、女性の靴屋さんの前で、
興奮したりなんかしてるわけです。
「それがいちばんいい」って言うんだから。 |
糸井 |
性は、あらゆる
フェティシズムの集合なんですよね。 |
タモリ |
そうなんですよ。
早い話がそういうことなんですよ。 |
糸井 |
その、フェティシズムが
性器にいくかいかないか、っていうだけですよね。 |
タモリ |
そうなんですよ。それだけの違いなの。
絶対に、観念が働いてる! |
糸井 |
(笑)力説。 |
タモリ |
性は、観念によって、
ずーっとズレていくわけですよね。 |
糸井 |
(笑)はい。 |
タモリ |
想像力といってもいいですけどね。
つまり、ほんとの純粋なセックスは何かっていうと、
犬ぐらいしかないですよね。 |
糸井 |
犬、猫。はい、はい。 |
タモリ |
犬に覗く犬はないし、女装趣味もないわけですよ。 |
糸井 |
(笑)はい、ないです。はい。 |
タモリ |
ということは、人間は絶対にこう、
観念でやってまして。
それで、ま、恋愛において、女の人が、
「わたしは、愛してる人としかセックスできないの」
って、もう、愛してるっていう観念が
セックスに入ってきてるんですよね。 |
糸井 |
(笑) |
タモリ |
だからぼくは、
恋愛っつうのは、変態の第一歩
なんだと思うんです。 |
糸井 |
(笑)まったくそうだと思う。 |
タモリ |
ねぇ?(笑) |
|
(つづきます。) |