糸井 |
「考えが続かない」って、
つまりタモリさんは、
目的意識を持つっていうことが……。 |
タモリ |
それ、できないんですよ。もう。 |
糸井 |
目的意識について考えたりするのは、
嫌いではない? |
タモリ |
嫌いでないけども、できない。
そういう体質なんですよね。
でも、こんなね、生き方でありながら、
かすかに不安というか……
この人はおかしいんじゃないかと
俺でさえ不安を覚える人物が、
いることはいるんですね。
高田純次ですね。 |
糸井 |
(笑)あの人はすごい! |
タモリ |
俺がかすかに不安を抱くっていうのは、
やっぱりすごい人だと思うんですよ、あの人は。 |
糸井 |
テレビ観てて、目が離せないですよね。 |
タモリ |
(笑)何を考えてんだろうな? |
糸井 |
テレビ番組で映ってないときは、
きっともっと寝てたりするわけでしょ? |
タモリ |
ええ。 |
糸井 |
すごいですよね。 |
タモリ |
ええ。でもね、なんかね、誰か、
「演劇に関しては熱い」という人が出てきて。 |
糸井 |
(笑) |
タモリ |
「熱い」って。
ほんとか? と思うんだけどね。 |
糸井 |
それも、言うだけだと思うんですよ。
ぼくは、あの、高田純次が、あの、
小人の格好をして
洗剤のコマーシャルに出てくるでしょう。
あれ観てると、
もう、腹の底からおかしいんですよ。 |
タモリ |
あれ、おかしいよね。
大したことを言ってないけども。 |
糸井 |
タモリさんより歳は? |
タモリ |
年下ですよ、3つぐらい下ぐらいですけどね。
大したこと言ってないんだけど、
笑っちゃうんですよ。それは、ほんとにスゴイよ。
あの、ティッシュペーパーみたいな人間だからさ。
何ら世界に厚みがないんだよね(笑)。 |
糸井 |
(笑)あらゆる人見てるけど、
あの人がいちばんですよね。 |
タモリ |
えぇ。
俺はね、世界に厚みを持たせるのを
やめようとしてるんだけども、
高田純次の場合は……「ない」ね、あの人。 |
糸井 |
出身は、美術系の人ですよね? |
タモリ |
あ、そうかも。そうそうそう。 |
糸井 |
建築とか、なんか。 |
タモリ |
うん、そうそう。珍しいですよねぇ。 |
糸井 |
美しい系を求めてたはずなのに。 |
|
(つづきます。) |