糸井 |
タモリさん、哲学科か……。
ぼくも、文学部しか行くとこなかったんで。 |
タモリ |
文学部以外は合わないと思ってたから。 |
糸井 |
うん、選びようがないですよね。
どこも役に立ちそうで。 |
タモリ |
うん、そうなんですよ。 |
糸井 |
で、役に立つことには
勝ち負けがありますからね。 |
タモリ |
(笑) |
糸井 |
で、その中に飛び込んでくっていうのは
やっぱり、せっかく大学行くのに、
良くないんじゃないかって思ったんです。 |
タモリ |
そうなんですよ。
選ぶとき、文学部以外に行こうと思わなかった。
なんか、喉が渇きそうでね。
法学部とか。ほんと、なんか、
これ、耐えられないだろうな、と思って。
文学部でも耐えられなかったけど(笑)。 |
糸井 |
うん、文学部も無理でしたね。
それから、文学部って、いま思うと、
なんであるんだかわかんないですね。 |
タモリ |
そりゃ、親は反対ですよね。
なんでそんなとこ行くのっていう(笑)。 |
糸井 |
誰も文学の話なんかしてなかったですもんね。 |
タモリ |
してないですよ、誰も。
もともと、高校でも
文学の話なんかしてないですよ、誰も。 |
糸井 |
あれ、なんだったんですかね。
あの頃の、文学って響きは。
終わってますよね、明らかにね。 |
タモリ |
うん。 |
糸井 |
文学より哲学科っていう、観念のほうが、
あの、部に昇格してもいいんじゃないですか?
ひょとしたら。哲学部文学科とか。 |
タモリ |
文学科とかいうのね。 |
糸井 |
そのほうがいいですよね。 |
タモリ |
なんか、あの当時、
文学は無視されてましたもんね。 |
糸井 |
無視されてた。
で、今は、あるんだろうか? って気がしますね。 |
タモリ |
勉強になるんだろうか?
っていう、世間の見方とね。 |
糸井 |
教授とかも、
はたして教えるってことをしてたんでしょうかね。
半分以上は語学やったり、社会学やったりしながら、
『徒然草』がどうのこうのっていってても、
意味ないですよね、ぜんぜん。 |
タモリ |
うん。過去のものは自分で読みゃあいいんだからね。 |
糸井 |
そうなの。
で、卒業してからっていうか、
ぼくは中退ですけど、その、
勉強っておもしろいなって、
後で思うようになったんですよ。 |
タモリ |
あ、そうですね。
後で大学行きたくなるんですよね。
あ、こういうことだったのかと。 |
糸井 |
で、今の大学を覗いてみると、
つまんないんですよ、やっぱり。
なんにも変わってないですね。 |
タモリ |
うん、教えることも変わってないでしょうねぇ。 |
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(つづきます。) |