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第5話を観て |
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糸井 |
ハイ! そういうわけでございますけどね! |
永田 |
突然、どうしたんですか。 |
糸井 |
たまには、こういうことも言ってみようかなと思って。 |
永田 |
あきらかに無理がありますよ。 |
糸井 |
ハイ! そういうわけでございますけどね! |
西本 |
ハイ! もうたいへんですね! |
永田 |
のるな、のるな。 |
糸井 |
TBSが総力をあげての開局55周年企画! |
西本 |
豪華キャストでお届けしています! |
糸井 |
ハイ! そういうわけでございますけどね! |
西本 |
ハイ! もうたいへんですね! |
糸井 |
‥‥このあたりが限界かな。 |
永田 |
短っ! |
糸井 |
FM局のアナウンサー的な人たちは
よくあの調子で元気に続けられるものだなあ。 |
西本 |
そういう場で育てばできるようになるんですよ。
糸井さんも、FM局に就職していれば
いまごろ、つらつら言ってるはずですよ。 |
糸井 |
そういうものかなあ‥‥。
ハイ! そういうわけでございますけどね!
そういうものかなあ‥‥。 |
永田 |
にしもっちゃんとかは
あっという間に順応しそうだね。 |
西本 |
それが仕事とあらば、いくらでも言いますよ。
ハイ! そういうわけで今日のお天気です!
気象庁の小松原さぁーーーん!! |
永田 |
うるさい、うるさい。 |
糸井 |
じゃあさ、もし明日にでもさ、
糸井事務所がFM局に合併されたりしたらさ。 |
永田 |
「大が小を食う合併」ですね。 |
糸井 |
そうそう(笑)、
「大が小を食う合併」で。 |
西本 |
「イトイFM」になるわけですね。 |
永田 |
いや、「FMイトイ」だ。
周波数的には「FM1101」。 |
糸井 |
どっちでもいいんだけどさ、
そしたらみんなして
元気にしゃべりだすようになるわけ? |
西本 |
そりゃそうですよ。
この「ほぼ日テレビガイド」なんて
お昼の痛快生トーク番組になるわけですよ。 |
糸井 |
ハイ! そういうわけでございますけどね! |
西本 |
今週もはじまります!
ほぼにちーーーティーヴィーガイッドッ! |
永田 |
それではここで道路交通情報です。
首都高速環状線は初恋インターを先頭に
3キロほどノロノロ運転が続いてます。
東名高速のぼりは馬面ジャンクションで
トラックが転倒しキャベツが散乱、
10キロほどの渋滞となっています。
つぎのお知らせは深夜2時ごろの予定です。
♪ワン、ワン、オー、ワン〜
FMイトーーイーーーー。 |
西本 |
と、いうような感じになるんじゃないですか? |
糸井 |
それは、無理だなあ‥‥。 |
西本 |
同感です。
ぜひ、その合併は阻止していただきたいです。 |
永田 |
リークしてでも阻止する方向で。 |
糸井 |
あっ、じゃあ、
「気まぐれカメら」を使って
リークするというのはどうかな? |
西本 |
いったい誰の何をリークするんですか。 |
糸井 |
‥‥すしとか‥‥犬とか? |
永田 |
ていうか、それじゃ
リーク元がバレバレじゃないですか。 |
糸井 |
あっ、本当だ! |
永田 |
バカなこと言ってないで
ドラマの話に移りましょう!
いっつもだらだら長くしゃべりすぎですから
今日は効率よくいきますよ! |
西本 |
じゃ、ぼくのほうから
例によって関係ない話を。 |
永田 |
人の話を聞いてんのか。 |
西本 |
え〜、私、月曜日に
グラミー賞の発表をテレビで観ておりまして。
その番組のナビゲーター役が
じつは木村拓哉さんでした。
で、授賞式の最中に、いろんなミュージシャンが
イーグルスのカバーをやるという
「イーグルス・トリビュート・ライブ」が
あったんですけど、そこでなんと
『ホテル・カリフォルニア』を途中で端折って
『デスペラード』が演奏されたんです。 |
永田 |
えっ、『ならず者』が? |
糸井 |
『デスペラード』のことを
『ならず者』って言ってるのは
いま、永田くんくらいだと思うよ。 |
西本 |
『ならず者』ではなく
『デスペラード』が演奏されまして、
ナビゲーター役の木村さんは
かなり盛り上がっておりました。 |
永田 |
へぇー、すごい偶然だなあ。
偶然だよね? |
西本 |
まあ、偶然でしょう。
もし偶然じゃなかったら、
今回の『華麗なる一族』で
『デスペラード』をかけるくらいのことは
したでしょうから。 |
永田 |
あ、そういや今週はかからなかったね。 |
糸井 |
どうせなら毎週かけるという
お約束にしてしまっても
いいと思いますけどね。 |
永田 |
『離婚弁護士』におけるノラ・ジョーンズみたいに。 |
西本 |
もうそれ、誰も覚えてないと思う。 |
糸井 |
今週は事件が目白押しでしたから、
『デスペラード』タイムがなかったのかな。 |
西本 |
かけるとしたらどこだったでしょうね? |
永田 |
キジを追って鉄平がひとり
森の中を行く場面なんかどうですか。
こう、木々の合間から光が漏れていて‥‥。 |
糸井 |
「♪デーースペラーードー」 |
永田 |
「♪ホワイ・ドンチュー〜」 |
ふたり |
「♪ほにゃほにゃほにゃ〜」 |
西本 |
もうそれには、つっこみませんよ。 |
糸井 |
森の中はちょっとはまりすぎるなあ。
プロモーションビデオみたいになっちゃう。 |
永田 |
西田さんが亡くなるシーンだと
ちょっと重すぎるし。 |
西本 |
あ、じゃあ、そのあとの
病院のベンチはどうですか。
義父の死の余韻を引きずりつつ‥‥。 |
糸井 |
「♪デーースペ‥‥」 |
西本 |
つっこみませんよ? |
永田 |
でも、あのベンチの場面はいいかもしれない。
時間の都合さえつけば、
流したかったところなんじゃないかとすら。 |
西本 |
ただ、そのあと、
たいへんなことになりますけどね。 |
永田 |
じゃんじゃん人が来ちゃうからね(笑)。 |
糸井 |
あのベンチはすごく
人をひきつけるベンチですよね。
あのベンチをみんなが
買ったらいいんじゃないかと思えるほど。 |
永田 |
わははははは。 |
西本 |
置いとくだけで人が集まるベンチ。 |
永田 |
重要人物が集うベンチ。 |
糸井 |
千客万来ベンチ。 |
西本 |
わははははは。 |
永田 |
置いて、そこに座るだけで、
もう、右から、左から。 |
西本 |
あるいは向こう側から
こう、回り込むように。 |
糸井 |
すごいベンチですね、あれは。
『まちぼうけ』でいうところの切り株ですね。 |
永田 |
(爆笑) |
西本 |
あ、永田さんの好きな世界へ行きましたね。 |
糸井 |
こういうの好きですね、永田くんは。
つまり、あのベンチを置いておくと、
ウサギや相子がやってきて‥‥。 |
永田 |
ころりころげる、と(笑)。 |
糸井 |
もう、みんなやってきては、
ころりころげます。 |
永田 |
あはははははははは。 |
西本 |
今週、なにかというと現れていた
長谷川京子さんなんかは
ころりころげまくりですね。 |
永田 |
ダメだー、おかしー。切り株ベンチ。
ていうか、あの歌そのものがおかしい。
なんなんだ、あの歌は! |
糸井 |
『まちぼうけ』ですよ。 |
永田 |
わはははははは。 |
西本 |
このまま『まちぼうけ』の話を続ける気ですか? |
永田 |
そうしたい気持ちもありますが、
ドラマの話に戻りましょう。 |
糸井 |
今回、ぼくは久々に
「もしオレがあの役だったら」
を考えてしまったんですけどね。 |
西本 |
久々でもないような気もしますが。 |
永田 |
ま、うかがいましょう。 |
糸井 |
このドラマって、
タバコを吸うシーンがやたら多いですよね。 |
永田 |
そうですね。 |
糸井 |
で、それって、その役者さんが
本当にタバコを吸うかどうかとは
関係がないですよね。
たとえば、銀平はモクモクとタバコを吸いますが、
本来の山本耕史さんというのは
たぶん、吸ってないだろうと思われる。
まあ、知りませんけれども。 |
西本 |
ついつい鍛えすぎて、
筋肉で体の形が変わっちゃうような
ストイックな人ですからね。 |
糸井 |
吸わなさそうですよね。
でも、役の上では吸わなきゃならない。 |
永田 |
そうですね。 |
糸井 |
と、いうことを考えてみると、
役者さんというのはたいへんですよ。
あれがもしオレだったらたいへんですよ。 |
西本 |
ああ、そういうことか(笑)。 |
糸井 |
そういうことなんですよ。
ぼくはもう禁煙して3年になるわけですよ。 |
永田 |
たいへんな思いをして禁煙しましたね。 |
糸井 |
たぁーいへんでしたよ。
それまでのぼくといえば、
風呂に灰皿を持ち込んだことすら
あるような男だったわけです。 |
永田 |
昔、ぼくがゲーム雑誌にいたころに
糸井さんを取材したときはたいへんでしたよ。
子どもも読む雑誌ですから、原則として
「タバコを吸ってる人の写真はNG」
だったんですけど、糸井さんの取材後、
カメラマンが撮った写真を見てみたら、
なんとあらゆる写真でタバコを持ってる! |
西本 |
いまでもこの人は
「タバコを吸うマネ」をやらせるとうまいですよ。
演技や小芝居はまったくできない人ですが、
「タバコを吸うマネ」だけは一級品の芸です。
指先にタバコが見えるかのようです。 |
糸井 |
(タバコを吸うマネ) |
ふたり |
吸ってる、吸ってる! |
糸井 |
(灰皿を手元に寄せて灰を落とすマネ) |
ふたり |
ある、ある、ある! |
糸井 |
というほど、タバコを吸っていたぼくですよ。
それが、禁煙して、3年経って、
ようやく、「吸ってない人」になったわけです。
ところがです。
もらった台本に目を通してみると、
「銀平(糸井)、タバコを美味そうに吸いながら」
と書いてあるわけですよ。 |
永田 |
ああ、そりゃたいへんだ。 |
西本 |
いまは薬用の、のどの薬みたいな
無害のものもあるみたいですけど。 |
糸井 |
でも、リアリティーを追求する役者としては
やっぱり本物の紫煙にこだわりたいですよね。
というようなオレに、
タバコをモクモク吸う役が舞い込んできたら、
オレはそれを引き受けるのか?! |
永田 |
率直にいって、
くだらないところで想像の翼を広げてますねえ。 |
糸井 |
「もしもオレだったら」シリーズは
そういうくだらないところにこそ広がるんですよ。
で、それをやることによって
ドラマの見方が非常に深くなるんです。
たとえば、『新選組!』における
まいど豊さんの‥‥。 |
ふたり |
まいどさんの話はもういいです! |
糸井 |
ともあれ、タバコについては考えちゃったなあ。 |
西本 |
いまどきめずらしいですよね、
これほどタバコをフィーチャーしたドラマは。 |
永田 |
苦情とか来てるのかなあ。 |
西本 |
まあ、少なからず来てるでしょうね。
影響力のあるテレビが、みたいなことは。 |
永田 |
けど、それでやめるわけにはいかないよね。
このドラマのタバコはかなり意図的というか、
個々の人物を際だたせる演出として
タバコが機能してるから。 |
糸井 |
銀平と大介がしょっちゅうタバコを吸ってて
鉄平が吸ってないっていうのも
流れる血の違いというか、
「けだものの種類が違う感じ」を
醸し出してますよね。
同時に、葉巻とタバコで
ふたりの格の違いも表しているともとれます。 |
西本 |
美馬の、ちょっと細い茶色いタバコも
人となりを表してると思いますよ。
あの、妙な吸い方も、
吸い慣れない人がポーズとして吸ってるような
「美馬っぽい感じ」を出してる気がします。 |
永田 |
仲村トオルさんって、
実際は吸わないのかもしれないね。 |
西本 |
そんな感じしますよね。 |
糸井 |
出ますよね、やっぱり実体験って、演技にも。 |
永田 |
あの、余談ですけど、
昔、ある作家さんに取材したことがあって。
その作家さんの書く作品の中に
よくタバコを吸うシーンが出てくるんですけど、
ぼくは読みながらどうも違和感を感じてたんですね。
具体的にいうと、短いんですよ、
火をつけてから消すまでが。
小説の中のタイム感からいって。
で、ぼくはきっとこの作者はほんとは
タバコを吸わない人なんだろうと思ってたんです。
ところが、会ってみると吸う人だったんです。
でも、やっぱり、短かったんですよ。
こう、つけてすぐ消すタイプの吸い方だった。 |
糸井 |
へえー、おもしろいね、それは。 |
西本 |
吸ってる演技がいちばん自然なのは山本さんですね。 |
永田 |
あ、そうだね。
吸ってた時期があるのかな。 |
糸井 |
このドラマって、
タバコがなかったらもたないよな、
っていう場面もありますよね。
鉄平と銀平がバーで飲む場面なんて、
タバコがいい感じで間を埋めてましたよ。
あれ、タバコがなかったらたいへんだろう。
どうする? なかったら? |
西本 |
こう、柿のタネ的なものをつまんで。 |
永田 |
もしくはキスチョコ的なものか、
アポロ的なものをつまんで。 |
糸井 |
ほら、なんだか知らないけど
ドラマのムードがぜんぜん変わってくるじゃないか。 |
永田 |
ていうか、酒飲めばいいんじゃないですか? |
糸井 |
あ、酒か。
‥‥オレは、酒も飲めないな。 |
西本 |
酒もダメ、タバコもダメ‥‥。 |
永田 |
ギャンブルもダメ‥‥。 |
糸井 |
いまの糸井重里は
「けだもの性」が皆無だね。 |
永田 |
あるのは、すし欲だけ。 |
糸井 |
すし欲と、獣愛。 |
永田 |
「獣愛」(笑)。 |
西本 |
「獣愛」(笑)。 |
糸井 |
すし欲と獣愛の役者。
そんな役者、誰も使わないだろう! |
永田 |
いや、使おうともしてませんってば。 |
西本 |
ていうか、役者じゃないし。 |
糸井 |
役者の話はさておき、
ぼくの好きな「けだもの性」「肉食」の部分でいうと、
今回のハイライトはやっぱりあれですね、
寝室で、上半身裸で、愛人に向かって
「そりゃぁ、いいぞ」とワッハッハッハ! |
西本 |
あそこはほんと、おもしろかったな。 |
永田 |
おもしろかったおもしろかった。 |
糸井 |
おもしろかったねぇ。 |
永田 |
やっぱりこのドラマの寝室は
ことごとくおもしろい。 |
糸井 |
なかなかあの劇画な感じは
よそで観られるものじゃないですよ。 |
永田 |
横で寝てるのは黒い下着の愛人ですからね。 |
西本 |
一方の欣也さんは乳首まで出してました。 |
糸井 |
「乳首」(笑)。 |
永田 |
あれ、なんか、妙に恥ずかしいよね? |
西本 |
そうなんですよ。
男の乳首なのに、なぜか観てて恥ずかしい。 |
糸井 |
いわゆる、体当たりの演技? |
永田 |
そりゃちょっと違うような。 |
糸井 |
ともかく今週のぼくの見所はあそこでしたね。
で、今回、おもしろかったのは
そこから鉄平のベッドにつながったところです。
あっちのベッドは、もう、
ぜんぜん世界が違ってましたね。 |
西本 |
「けだもの性」のない感じで。 |
糸井 |
うん。こう、質素というか無機質な
モダン家具、みたいなベッドでね。
寝ている長谷川京子も背を向けて完全武装状態で。 |
永田 |
まちがえても
「ワッハッハッハ!」じゃなかったですね。 |
糸井 |
あのふたつのベッドの対比はおもしろかったなあ。
というあたりがぼくの注目ポイントですけど、
おふたりはどうでしたか? |
永田 |
ぼくはやっぱり、序盤の西田さんですね。
亡くなる場面、西田さんに周囲が
どんどん引き込まれていく様子がすごかったなあ。 |
糸井 |
あそこ、西田さんの口の中が
妙に黒っぽく見えませんでした? |
永田 |
ああ、そういえば、そうでした。
鼻の穴も、酸素が足りないのか
ぐわっと広がってるんだけど、妙に黒い。 |
糸井 |
あれはメイクでやってるのかなぁ。
なんにせよ、体弱ってる感がすごかったですよね。 |
西本 |
デスマスクっぽい感じですよね。 |
ふたり |
そうそうそうそう。 |
西本 |
短い時間でしたけど、
「死んでいく感じ」がありましたよね。 |
永田 |
しかも、すごいなあと思ったのは、
ぽっかり空いた黒い口が開いたままなのに
なぜか声は聞き取れるという。
あれは、どういうことなんだろう。 |
糸井 |
やっぱり、うまいということなんだと思いますよ。 |
永田 |
そうですね。
西田さんは、ああいう臨終のシーンを
いままでいったい何度演じたんだろうと
観ながら思いましたよ。 |
糸井 |
で、永田くんは、あの臨終のシーンを観て
どう感じました? 悲しかったですか? |
永田 |
え? 悲しかったですよ? |
糸井 |
ああ、そうですか。 |
永田 |
糸井さんは悲しくなかったんですか? |
糸井 |
それがね、むつかしいんです。
このドラマに関しては、
自分が期待するほどに
自分の感情が動いてないんですよ。 |
永田 |
あら。へえ。そうですか。 |
糸井 |
これは、ちょっと悩んじゃうくらい。
あの場面でもね、
西田さんの演技に引き込まれながらも
最後まで「記事のリーク」にこだわるという
小さな死にしてしまってる気がして。 |
永田 |
はぁー、ま、わからないでもないですけど、
あの死が鉄平の動機になってもらわないと
いけないわけですから‥‥。 |
糸井 |
いや、理解しますよ、それは。
「無念じゃ‥‥」という死に方にしないと
ドラマが動かないですよね。
けど、そういうドラマの意図が
わかればわかるほど、
感情のほうが動きづらくなるんですよ。 |
永田 |
うん、それもわかりますが。 |
糸井 |
まあ、これからドラマが
動かしてくれることと期待してますが。
もともと感情が動かないタイプの
にしもっちゃんはどうですか?
今回の見所はどこでしたか? |
西本 |
今回は、ずばり、長谷川京子さんですよ。 |
糸井 |
あ、明快(笑)。 |
西本 |
長谷川京子デーといってもいいですね。 |
永田 |
たしかに、
今回の影の主役は長谷川京子さんでした。
ずっとかわいそうでしたから。 |
糸井 |
そういや、ずっと出てましたね。 |
西本 |
CMにも出てましたよ。
ビール飲んでました。 |
永田 |
そういうのはいいよ。 |
西本 |
さらにずばりと言うなら、
悪いですけど、ぼくにとって今回は
長谷川京子ファッションショーでしたよ。 |
永田 |
わははははは。 |
糸井 |
そこまで、言いますか。 |
西本 |
言っちゃいます。
いろんなところで、長谷川京子さんが
ぽーん、ぽーんと、着替えてました。 |
永田 |
着替えてたわけじゃないけどな。 |
西本 |
まあ、ともかく、
長谷川京子さんを観ていた1時間だったと。
そして全体的な感想としては‥‥。 |
永田 |
感想としては? |
西本 |
カシミアっていいな、と思いましたね。 |
糸井 |
なに言ってんだかね。 |
永田 |
なに言ってるんでしょうね。 |
糸井 |
ぼくとしては、どちらかというと
今回は長谷川京子さんよりも
鈴木京香さんに注目したい回でしたね。
いつものヒールっぷりに加えて、
生い立ちと人間性にスポットが当たりましたからね。 |
西本 |
弟は、意外に地味で実直な
宮川一朗太さん。 |
永田 |
ウッチャンじゃありませんよ。 |
糸井 |
宮川一朗太さんは、
ウッチャンじゃないんですね。 |
永田 |
ええ。宮川一朗太さんは
ウッチャンではないんです。 |
糸井 |
かといって
宮川一朗太さんがナンチャンかというと
それも違いますね。 |
永田 |
宮川一朗太さんは
あきらかにナンチャンではないですね。
似てもにつきません。 |
糸井 |
宮川一朗太さんはナンチャンよりは
圧倒的にウッチャンに似てますけれども
ウッチャンではないんですね。 |
永田 |
ええ、宮川一朗太さんはナンチャンよりは
ずいぶんウッチャン寄りですけれども
ウッチャンではないんです。 |
西本 |
もういい、もういい。 |
永田 |
でも、絶対、全国に何人かいると思うわ。
あれをウッチャンだと思って観てた人が。 |
西本 |
あと、「あ、宮川一朗太だ」って言おうとして
「広川太一郎だ」って言っちゃった人もいると思う。 |
永田 |
そりゃどうだろう。 |
糸井 |
「宮川一朗太だ」と言おうとして
「宮川大輔だ」って言った人もいるね。 |
永田 |
それはないわ。 |
西本 |
元チュパチャップスのほうの宮川大輔ですね。 |
糸井 |
そうそう、そっちそっち。 |
永田 |
なんの話をしてるんですか。 |
糸井 |
ええと、鈴木京香さんですよ。相子ですよ。
ついに相子の過去があきらかにされました。 |
西本 |
アメリカで挫折し、万俵大介に救われたと。 |
糸井 |
一生懸命な人でしたね、じつはね。 |
永田 |
なんか、さらに悪い人がいなくなっちゃいますねぇ。 |
糸井 |
そうですね。
もともと、北大路欣也に関しては、みなさん
「わるくない」と判断されますしね。 |
西本 |
欣也さんはわるくないです。 |
永田 |
今回はとくにわるくないですね。
むしろ、いい人といってもいいくらい。 |
西本 |
流れ弾に当たってケガしちゃったりして
かわいそうなくらいですよ。 |
糸井 |
あ、そうだそうだ、
それに関してはひとこと言いたいぞ。
あの鉄平の態度は、どうなんだ! |
永田 |
はははははは。 |
糸井 |
鉄平、誤射にしろなんにしろ、
撃っちゃったんだから、
もっと謝んなきゃダメだろ。 |
西本 |
もっと、こう、おとうちゃんごめん的な、
あわあわした位置でいてほしかったですね。 |
糸井 |
そうだよ。頭だよ? 鉄砲だよ?
それをさぁ、逆ギレしてさぁ、
「何か撃たれるようなことでもしたんですか」って‥‥
おまえが撃ったんだろーーーーー! |
永田 |
あれは、半年後くらいに言うべきセリフですね。 |
西本 |
事故が落ち着いて、完全に
「命に別状なくてよかったね」となってから。 |
永田 |
そうそうそう。
もう、傷も治って、かさぶたもとれてね。 |
糸井 |
お父さん、すっかり傷もいえましたね、と。
うっすら見えてるそれがあのときのやつですか、と。 |
西本 |
いやもう、あのときはヤバかったぞ、と。 |
永田 |
ちょっとずれてたら死んでたぞ、と。 |
糸井 |
鉄平の射撃が未熟だから助かったものの、と。 |
西本 |
それじゃまるでぼくが
狙ったみたいじゃないですか、と。 |
永田 |
ひと笑い起こって、
いや、あいつは狙ったに違いないぞ、と。 |
糸井 |
そこではじめて、
「それともお父さん、
何か撃たれるようなことをしたんですか?」 |
西本 |
一同、爆笑。 |
永田 |
万俵家、爆笑。 |
糸井 |
と、いうのならわかるがっ! |
永田 |
長いよ。 |
糸井 |
そういう意味では、ぼくはちょっと
鉄平が嫌いになりかけてます。 |
西本 |
やっぱまずは謝らないとね。 |
糸井 |
うん。大丈夫だと確認できても、
「かすり傷だとはいうものの心配です」
みたいな立場でいてくれなきゃ。 |
永田 |
ていうか、ほら、葉巻のせいじゃないですか?
欣也さん、ドアが開いたら、
いきなり、包帯にガウンに葉巻っていう
ひじょうに、けが人っぽくない感じで
登場しましたから。 |
西本 |
うん、あの葉巻はすごかった。 |
糸井 |
無限のバイタリティを表現してるんですかね。 |
永田 |
そんな常人離れした人から
「おまえはオレを殺そうとしたのか!」って
がーっと迫られたら、
用意してた「ごめんなさい」も引っ込んじゃいますよ。 |
糸井 |
引っ込めちゃだめですよ。
包帯に葉巻はたしかに迫力十分だけど
謝んなきゃダメです。
しかも、言うだけ言って
帰っちゃうっていうのもよくないぞ。
もっとこう、親子でわかり合ったうえで
白黒はっきりつけなきゃ。 |
永田 |
親戚のおじさんみたいなこと言ってますね。 |
糸井 |
おかげで散々な新年ですよ。万俵家的には。 |
西本 |
とくに美馬夫婦は、冷ややかな新年でしょうね。 |
永田 |
あ、そうそう、最後の原田美枝子さんが
「ほんとにあなたじゃないの?」と問いかけて
欣也さんが「一度だけ答えてやる」というシーンは
『ゴッドファーザー』でしたね。
一作目のラストシーン。 |
西本 |
ああっ、そうだ! |
糸井 |
あーーー、そうだね。 |
永田 |
まあ、わざとわかるようにやってるというか、
完全にオマージュですよ、みたいなことでしょうけど。 |
糸井 |
やっぱり『ゴッドファーザー』を
強く意識してるんだね。 |
西本 |
いわれてみれば、メインテーマの
哀しげな音階も似ているような気が。 |
永田 |
似てるよね。
そういう注文があったんだろうかというような。 |
糸井 |
一族の物語だしね。
そうか、そこまで意識的とは思わなかった。 |
永田 |
ただ、それを誰がやりたがってるのか、
っていうのがちょっとよくわからないんですけどね。 |
糸井 |
というと? |
永田 |
たとえばこれが三谷(幸喜)作品とか
宮藤(官九郎)作品だったら、
ああ、三谷さんは、宮藤さんは、
『ゴッドファーザー』が好きなんだな、とか、
『ゴッドファーザー』を意識させといて
ほかにやりたいことがあるのかなとか、
「あえてそれをやる意義」みたいなものが
逆に立ち上ってくると思うんですけど、
この『ゴッドファーザー』は
誰の何の表れなんだろうか、と。
だって、山崎豊子さんではないでしょう? |
糸井 |
そうだね。ああ、なるほどね。 |
永田 |
もしも、あの場面やテーマ曲への注文が、
『華麗なる一族』というドラマを
日本の『ゴッドファーザー』のようにしたい、
という気持ちの表れなのだとしたら、
そういうことじゃないでしょ、とも思う。
まあ、そこまで考えることじゃなくて
ちょっとしたオマージュでいいのかもしれませんが。 |
西本 |
このドラマが『ゴッドファーザー』だとすると、
欣也さんはマーロン・ブランドですよ。
やっぱり欣也さんは悪くないことになりますよ。 |
糸井 |
いや、あっちは一族を守っていく話だけど、
こっちは一族を敵に回す話だからさ。 |
永田 |
そういう意味でいうと、
鉄平はここから勝っていくわけですよね。
あきらかに負け続きで、
逆ギレしてケンカ売ってるような状態から。 |
糸井 |
その動機の獲得というドラマの問題も含めてね。
ああ、それは、いい見方だね。
正直、ちょっと鉄平のよさが薄れてて、
感情が動かなくなってきてたんですけど、
ここからどうやってスカッと勝つんだろうと
逆算して楽しみを数えていくのはいいね。
つまりあれだね、4回の表が終わって
7対1くらいで負けてる試合を
応援するような気持ちですね。 |
西本 |
まずは5回の裏に2点はとっとかなきゃ、と。 |
糸井 |
そうそう、逆算してね(笑)。 |
永田 |
9回はあいつが出てくるから
8回までに追いつかなきゃ、とか。 |
糸井 |
そうそう。ドラマで逆算すると、
まず、もう大川の後ろ盾はないぞ? とかね。 |
永田 |
ああ〜、たしかに。
どうするのかなあ、これから。
予告編観ると三雲頭取もなんだか怪しいしなあ。 |
西本 |
予告編では、銀平がフィーチャーされてましたね。 |
糸井 |
ちょっと感情的な感じでしたね。
あの人が動くとなにかが変わりそうですよ。 |
西本 |
ていうか、このドラマの予告編って
めちゃめちゃおもしろいですよね。 |
永田 |
いえてる、いえてる(笑)。 |
糸井 |
先週の予告編観てたときにさ
欣也さんが撃たれてる場面が流れて
「こりゃあ、夢だろう」って言ってたけど‥‥。 |
西本 |
きっちり撃たれてましたね。 |
永田 |
うん、完全に撃たれてた。びっくりだね。 |
糸井 |
侮れないですよ、このドラマの予告編は。
ま、ともかく来週からの展開に期待ですね。
個人的には鉄平のいい場面が観たいですね。 |
永田 |
ぼくは銀平の人間くさい活躍を。 |
西本 |
ぼくは長谷川京子さんに注目です。 |
糸井 |
たいしてつっこまずに終わりましょう。 |
永田 |
そうしましょう。 |
西本 |
ぼくは長谷川京子さんに注目です。 |