ジョージ |
その会長秘書のすごいとこってね、
会長の裏側のスケジュールも
みんな知ってるの! |
ノリスケ |
その裏ってあの、あれ? 大久保方面(笑)? |
つねさん |
大久保方面(笑)。 |
ジョージ |
その裏側の住所、電話番号、
ありとあらゆるものを持ってるんで。 |
ノリスケ |
ああ、でも何かあった時に
ほんとうに必要なのはそういう情報よね。 |
つねさん |
裏工作やらされてたりするんでしょ? |
ジョージ |
そうそうそう。
この前、もし彼女のうちで
不測の事態に陥った時に
どういうふうに対策をとるんだっていう
打ち合わせをしてたよ。 |
ノリスケ |
真面目に(笑)。 |
つねさん |
2人で? |
ジョージ |
2人で。バッカじゃないかしらと思った。 |
ノリスケ |
その危険があることを
いまだになさってるだけすごいよね。 |
つねさん |
だってまだあれでしょ? |
ジョージ |
まだ現役でいらっしゃるから。 |
ノリスケ |
お元気でいらっしゃるのねえ。 |
ジョージ |
現役でいらっしゃるから。 |
つねさん |
齢67。 |
ノリスケ |
創業者ってすごいね(笑)。
叩き上げの創業者はすごい。
ジョージパパは、しかも、
かつて一度失敗して。 |
ジョージ |
そう。1回創業して1回潰して、
また創業だから。 |
ノリスケ |
並のエネルギーじゃない! |
つねさん |
うん、確かに。 |
ジョージ |
そうなんだよね。未だに
借金してまで会社を興そうとしてるの。 |
ノリスケ |
え? もう1社、興そうとしてるの? |
ジョージ |
ちょっと海外の方でね。
でもうちの母から待ったがかかって、
それはペンディングになってるんです。
お金を借りて、事業を興そうということを
言った時に家族会議が行われましたの。
で、わたくしも、呼ばれました。ね。 |
つねさん |
うん。 |
ジョージ |
普通の家族会議っていうのは
議題があってそれぞれの意見を述べあって、
調整をして妥協案を探るのが
会議でございまさぁね。 |
ノリスケ |
はい。 |
ジョージ |
で、うちの会議はいきなりグサッですから。 |
ノリスケ |
はは。懐に刀が。 |
ジョージ |
一番最初の時はやんわりだったわけよ。
「金借りようと思うんだ」って言ったら
おふくろがね、
「もしそれを払えなかったらどうするの?
あんたも年だし」
「いや、俺が死んでも生命保険で
こうこうこういうふうになるから」
って言ったら、ただ一言。
「じゃ、今すぐ死んでしまいなさい」。 |
ノリスケ |
ははははは。 |
つねさん |
恐え。 |
ジョージ |
「今のあなたが役に立つにはそれが一番」
って言って、それでもう終わりになったの。
会議終了。 |
つねさん |
ゴング、カンカンカン。 |
ノリスケ |
1回目の家族会議終了(笑)。 |
ジョージ |
カンカンカンカン。
1ラウンド18秒KO。 |
ノリスケ |
で、懲りないお父さんは。 |
ジョージ |
どうしようって別の方法がないかというんで、
また家族会議だったんだけど。 |
つねさん |
第2回。 |
ジョージ |
その時には母が先制攻撃よ。
「実は私から一つ提案があるのよ」。 |
ノリスケ |
恐い‥‥。 |
ジョージ |
「私たちが住んでるこの家を
今売ったらこれだけになりました。
査定もしてもらいました」
査定表が出てきて、ま、かなりな金額。
「あららら、すごいすごい」って。
「あなた? 確かこの家は
夫婦2人の共同所有よねえ。
半分ずつよね。半分私今いただいたら、
今度成城学園の方に
シニアケアのマンションが一つできるのよ。
これから先20年の入居費用を調べたら
これだけなの」。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
それももう見積もりがあるんです。 |
つねさん |
あははははは。 |
ジョージ |
「この半分の中からこの金額を
全部引いても私これだけ手元に残って、
これなら毎年2、3回は
豪華な海外旅行ができて、
ほんとに楽しく過ごせるのよね。
だから別れましょう、今すぐ」 |
ノリスケ |
うくくく、すげえ。 |
ジョージ |
「あんたがこれ以上事業に関与して
借金に継ぐ借金を繰り返したら、
私のこの取り分もなくなるのよ」 |
ノリスケ |
ほお。 |
ジョージ |
「あなたもこれだけ半分もらえるんだから
好きなことに使って事業をするなり、
野たれ死ぬなりしてしまいなさい。
だから別れましょう。
どう? あなた、どう?」って言ったら、
「分かりました。考え直します。
事業のことはなしにして下さい」(笑)。 |
ノリスケ |
すっごい(笑)。 |
ジョージ |
これはまあ、タオルが投げられたって
やつですか?
「あなたどう思うの?」って
僕に振ってきたから、
「それはもう止めた方が
よろしゅうございましょう」って、
僕がタオルを投げた。 |
つねさん |
あ、TKOだ。 |
ノリスケ |
なるほどね〜。 |
ジョージ |
そう素晴らしゅうございますよ。
素晴らしゅうございます。 |
つねさん |
恐え(笑)。 |
ノリスケ |
不戦勝みたいな感じですね。
どっちかって言うとね。 |
ジョージ |
はなから勝負になってない。 |
ノリスケ |
なってない。 |
つねさん |
何か入場の時にもう木刀で殴られたみたいな。 |
ジョージ |
そうですね(笑)。 |
ノリスケ |
そうそう。それで倒れちゃったみたいな。 |
ジョージ |
あるいは、入場の時にバナナの皮を
踏んですべって転んで足を折ったみたいな。 |
ノリスケ |
そのバナナの皮は周到に
用意されてたっていう。 |
ジョージ |
そうそうそう。そんな感じ。 |
ノリスケ |
すっご〜い。 |
つねさん |
いい母だね。 |
ジョージ |
いい母よ、いい母ですね。
|
す、すごい‥‥
つづきます! |