ジョージ |
そのいい母だけど
最近贅沢を我慢してるから
贅沢がしたくて仕方がないみたいね。 |
ノリスケ |
我慢してるんだ。 |
ジョージ |
してる。
やっぱりね、社長の妻でなくなったことを
ものっすごく考えてるみたい。 |
ノリスケ |
へえ。自分も同時にセミリタイアだもんね。
会長の妻になって。 |
つねさん |
あ、そうか。 |
ジョージ |
そうなんだよね。 |
ノリスケ |
そうなんだよ。 |
ジョージ |
だから、社長は会社を自分のものと
思えるけれども、会長はみんなから
会長にさせてもらってるから、
やっぱり贅沢をしちゃいけない
っていうのがあって。 |
ノリスケ |
理性ではね。 |
ジョージ |
そう。 |
つねさん |
象徴みたいなものだね。 |
ジョージ |
じゃあ、いままで会社のお金を使って
贅沢してたのかっていうとそうではなくて
自分のお金で贅沢してたんだけど、
でもバカみたいに自分のお金を使ってね、
贅沢するのも大人げないなみたいな
感じがあるんじゃないの?
だから会長におねだりできない分
社長におねだりしてくるようになった母。 |
ノリスケ |
でも、ジョージさん的には親孝行だからさ。 |
ジョージ |
親孝行好きだから。 |
ノリスケ |
ね。 |
ジョージ |
特に母孝行は大好きだから。 |
ノリスケ |
でしょ? |
ジョージ |
だって、うちの父はもう
勝手にやっていただければ。
父に対する親孝行は
見て見ぬ振りをすることと、
何か突発事項が起こった時に。 |
つねさん |
かばってやる? |
ジョージ |
そう。その言い訳を考えることで。 |
ノリスケ |
フォローしてあげるということね。 |
ジョージ |
そう。 |
ノリスケ |
この間のさ、ファミリーカードが
謎の限度額いっぱいで使えなくなった件は
解決したんですか? |
ジョージ |
しました! |
ノリスケ |
やっぱりおねねちゃんのお店の
改装費用だったんですか? |
ジョージ |
そうでした! |
ノリスケ |
それはバレなかった? |
ジョージ |
一応私がとんでもない
買い物をしたことにしておきました。 |
ノリスケ |
うわあ、親孝行〜〜〜。 |
つねさん |
しゅげえ、ほんとに親孝行だね。 |
ジョージ |
「あんた、ほんとバカなんだから」
って言われて
「だって社長になった記念だし〜」とかって。 |
ノリスケ |
何買ったことにしたの?
そんな何千万みたいな。 |
ジョージ |
「一つ別荘でも買おうかなと思って。
手付けを打ったけど流したの」
って言ったの。 |
つねさん |
あ、うまい。 |
ノリスケ |
ああ、それで誤魔化し切れるところがすごい。
でも薄々分かってるんでしょうね。 |
ジョージ |
聞きたくないだけだから。 |
ノリスケ |
そういうことだよね。儀式のようなものだ。 |
ジョージ |
で、「親子揃って結託して
私のことをだまそうとしてる。
ああ、かわいい人たち」っていうのでOK。
そんなこんなもあり、
ちょっとニューヨークで散在しようかなと
計画してた矢先の、その頃なのでございます。
あれでごたごたして、
決着がついたのが10月の初めくらいで、
その翌週か翌々週かな? うちに戻った時に、
母に一眼レフのデジカメを買ってあげたの。
「趣味が一つ欲しい」っていうから、
「じゃあ写真でもすれば?」って。
そしたら、けっこう学校とか通ったりして
一所懸命やって。 |
ノリスケ |
へえ。 |
ジョージ |
新宿御苑で写真を撮ったんだよ。
で、なかなかセンスもあるしね。
そしたらね‥‥ |
つねさん |
そしたら? |
ジョージ |
Docomoのビルがあるじゃない。 |
ノリスケ |
はいはい。
ちょっとクライスラービルみたいな形の。 |
ジョージ |
あれを一緒に撮った写真があって、
それを焼きつけたのを
テーブルの上に置いてね、
「これ、セントラルパークに
見えないかしら」って言うの。
「見えないんじゃない?
これ、寸詰まりだし」
「でしょう? ほんとのニューヨーク
撮りたいわ〜」。 |
ノリスケ |
撮影旅行だ(笑)! |
ジョージ |
「じゃ、行く?」って言ったら、
「考えてたとこなの、それ」。 |
つねさん |
うまいなあ。 |
ジョージ |
「一人で行けないから
連れてってくれないかしら」
とかって言うから
「いいよいいよ。お父さんどうするの?」
って言ったら、
「この人は行きたくないでしょうよ。
私がしばらく留守にすると
いろいろ便利なこともあるでしょうから。
2人で行ってくるわ」とかって、
それで計画してたの。 |
つねさん |
チケットの手配もしたもんね。 |
ジョージ |
したよ。 |
ノリスケ |
ミュージカルの手配とかもしてたもんね。 |
ジョージ |
した。高かったからちょっと
ほっと一息はしているのよ。 |
ノリスケ |
あのお母様だと、高くつきそうねえ。
飛行機は一番前で
宿泊費高騰のニューヨークで、
マンダリンオリエンタルの一番いいお部屋に
お泊まり遊ばして。でしょ? |
ジョージ |
飛行機、1と2を取りました。 |
ノリスケ |
だけど止めたんだ? |
ジョージ |
止めた。 |
ノリスケ |
でもいつか行くんでしょ? |
ジョージ |
うん。たぶん来年の春先くらいには
行ってくるかもしれない。 |
ノリスケ |
暖かい方がいいよ。 |
つねさん |
そうね。今寒いよ。 |
ジョージ |
でも今ジャズのいいのをやってるんだよね。 |
つねさん |
マンダリンで? |
ジョージ |
うん。マンダリンの下の
ジャズのライブハウスで
ずーっといいシリーズやってて。 |
ノリスケ |
へえ。 |
ジョージ |
あと、ゴスペルのディナーショーを
ずっとやってたりとかするんで。 |
ノリスケ |
ゴスペルをディナーショーっていうのが
不思議な世界だけど(笑)。 |
ジョージ |
ソウルフードを食べるのよ。 |
ノリスケ |
ああ、なるほどね。うーん、
なるほどだけど、なるほどかな? |
ジョージ |
どういうのかな?
アメリカの年末って表裏一体で。 |
ノリスケ |
商業主義と宗教ってこと? |
ジョージ |
うん。それもあるし、
貧しさと豊かさの表裏一体なんだよね。
冬が厳しいところの開拓の土地っていうのは、
こんなにめでたいクリスマスなのに
その前後に人がバタバタ死ぬのよね。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
あるいは一冬過ごせないくらいの
収穫しかなかったりして、そうするともう
お祝いするもへったくれも
なくなっちゃうんだけど、
でもお祝いしなきゃいけないのが
あったりとかするんで。
だから貧しかった昔のことを
忘れないようにしましょう、
しかも今豊かである私たちを
作ってくれた神様に感謝しましょうって
なると、昔食べていた
油っこーーーーい料理を。 |
ノリスケ |
臓物煮込んで脂が上に
2cmくらい浮いてるようなやつ。 |
つねさん |
んふふ。 |
ジョージ |
あるいはバリバリになった
フライドチキンとかね。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
そういうのを食べたりしながら
ゴスペルを聞くのよ。
で、最後はみんなでもって。 |
つねさん |
歌うの? |
ジョージ |
天使にラブソングをみたいな。
ア〜ア〜ア〜ア〜みたいになって。
今のちょっと伝わりました? |
ノリスケ |
分かります。私見てますから。 |
つねさん |
振りつきで。 |
ノリスケ |
(I Will Follow Himのサビを歌う)
♪I love Him, I love Him, I love Him,
(つねさんも一緒に)
ラララ、ラララララ♪ |
ジョージ |
そうそうそう。それそれ。
それでワーって外に出たら
雪が降ってると最高なんだわな。 |
ノリスケ |
なるほどね。 |
つねさん |
だわ。
|
いまごろのNYはそうなのかな。
つづきます! |