ノリスケ |
お久しぶりです! |
つねさん |
お久ぶりでーす。 |
ノリスケ |
ここはどこでしょう。 |
ジョージ |
西新宿でーす。
昔の地元。 |
つねさん |
僕、隣町。 |
ノリスケ |
けっこう、僕も近い。
久しぶりね、新宿でお話するのって! |
つねさん |
ほんとだよね。 |
ジョージ |
新宿と言っても、あれですね、
ダークサイドじゃないほうね。 |
ノリスケ |
ここは「ポール・バセット」
というカフェでーす。
ジョージさん、説明してください、
「ポール・バセット」ってなんですか。 |
ジョージ |
天才バリスタっ!‥‥バリスタって何?
コーヒー焙煎師? |
ノリスケ |
コーヒーバイセンシー?
あ、コーヒー焙煎師か。 |
ジョージ |
バイセンシー(笑)。 |
ノリスケ |
カリスマコーヒー焙煎師ね? |
ジョージ |
うん、そう。
世界の焙煎師のコンテストで
最年少で優勝したオーストラリア人。 |
ノリスケ |
コーヒーいただきましたが、何だろう、
火薬に近いくらい(笑)、焦げた香り? |
つねさん |
火薬(笑)! |
ノリスケ |
ぐらい、ぎりぎりなのね。言い方悪かったわ。 |
ジョージ |
香ばしい、とおっしゃい。 |
ノリスケ |
おいしいです! |
|
ジョージ |
ちなみにー、ちなみにー、
先般イタリアに参りました時にですね。 |
ノリスケ |
あらっ、いつの間にイタリアに! |
つねさん |
あらっ! って知ってたけど! |
ジョージ |
イタリアのすげーキップのいいアネゴと‥‥、
アネゴって本アネゴよ? |
ノリスケ |
あ、女の人って意味ですね。 |
ジョージ |
そうそう。 |
つねさん |
ひげは生えてないのね。 |
ジョージ |
ひげは‥‥、ああっ!
ちょっと産毛が生えてた。鼻の下にぃ。
なんでイタリアの女って、
産毛が生えるんだろう? |
ノリスケ |
剃ってないだけじゃない?
日本人もひょっとして生えるんじゃない? |
ジョージ |
あのね、身長165センチくらいの
ソフィア・ローレン。
小柄というか‥‥
質量はそのまんまで、身長が‥‥、 |
ノリスケ |
横に(笑)? |
つねさん |
上からガツーンみたいな。 |
ジョージ |
おもしろかったのー! このおばはんが。
ぅおもしろかった〜!
んでね、彼女からコーヒーのこと
色々教わったの。 |
ノリスケ |
どんなこと? |
ジョージ |
飯食った後、
絶対カプチーノ飲んじゃいけないんだって。
なーんでだ? |
つねさん |
なーんで? |
ノリスケ |
僕はカプチーノは、
午前中の飲み物だって聞いたことあるよ。 |
ジョージ |
そお! |
ノリスケ |
でも朝食後の午前中も、ダメなのかしら? |
ジョージ |
コーヒーはね、基本的に薬なんだって。
消化剤。 |
ノリスケ |
だから? |
ジョージ |
お夕飯を腹いっぱい食った後には、
純粋な薬だけ飲むのよ。
だから、エスプレッソじゃないとだめなのよ。 |
ノリスケ |
そっか! |
ジョージ |
で、きゅうっと飲んでおけば、翌朝‥‥ |
ノリスケ |
快適! |
ジョージ |
快適。 |
つねさん |
なるほど。 |
ジョージ |
んで、朝起きると、
前の晩の食べ物がまだ残ってるから、
お腹が空かなくって、
もう一回お腹を空かせるために
カプチーノ飲むんだって。 |
ノリスケ |
あ、朝起きたら一番最初に飲むと。
だから「午前中はカプチーノ」なのね? |
ジョージ |
そお。 |
ノリスケ |
イタリアもあれ?
朝はフランスと同じで
甘いものをちょこっと食べるだけ? |
ジョージ |
最初泊まったのが
アメリカ系のホテルだったんだけどね。 |
ノリスケ |
じゃ、アメリカンブレックファーストが。 |
ジョージ |
そう。なんでもあったの。 |
ノリスケ |
我々にはそのほうがうれしい。 |
ジョージ |
そうー。でも、2件目のホテルはもう見事に、
乾いたパン乾いたパン乾いたパン、
乾いたりんご乾いたチーズ!
で、コーヒー。
だから、コーヒーはこういう、
炭に近いほうがおいしいんだって言うの。 |
ノリスケ |
ダークローストのほうが、
カフェインが飛んでて、
胃に優しいんだってね。ほんとは。 |
つねさん |
あ、そうなんだ。 |
ノリスケ |
濃いコーヒーって胃に悪いって言われるけど、
ほんとは浅炒りのアメリカンのほうが、
胃にはつらいんだって。 |
つねさん |
あ、そうなんだ。逆っぽいよね。 |
ノリスケ |
なんだか役に立つ話してるわね、私たち(笑)。 |
つねさん |
ほんとだー。びっくりー。 |
ジョージ |
ほんで、そのアネゴに連れられてね、
朝のバルってところに行ったんだけど、
ま、すごいのよ。 |
ノリスケ |
バルって朝やってるの? |
ジョージ |
うん。朝のバルは喫茶店。
お昼のバルはサンドウィッチスタンドで、
夜のバルは‥‥ |
つねさん |
立ち飲み屋! |
ジョージ |
でね、朝のバルは、おっさんたちがいるの。
基本的に8時半くらいに会社に行って、
タイムカードも何にもないんだけど、
上司とか部下に「おはよ〜」って挨拶して、
で、なんかメモ書きを見て、
そうするとみんな行きつけのバルに行くの。
そこに行くと、仲間がみんな集まってて。 |
つねさん |
で、朝飯? |
ジョージ |
カプチーノ。 |
ノリスケ |
え、ってことは、イタリアの人は
朝ご飯家で食べないの? |
ジョージ |
食べないの。で、カプチーノの中に
砂糖たっぷり入れて、
あとあまーいパンとかビスコッティとか、
そういうのがりがりがりがりかじりながら
新聞読んで。 |
ノリスケ |
お話しして。 |
ジョージ |
お話しして。大声で。朝から。
行った時期、ちょうどあの、
イタリアサッカーのトトカルチョ?
八百長で、もう大騒ぎ。
もう世の中終わってしまう、みたいな。
大変でした。楽しゅうございましたけど。 |
|
ノリスケ |
イタリア人て、朝早いの?
その、朝ご飯の時間て。 |
ジョージ |
早起きはするね。 |
つねさん |
ああ、そうなんだ。 |
ジョージ |
でもね、起きてない。 |
ノリスケ |
しゃべってるけど起きてない(笑)? |
ジョージ |
しゃべってる。ずーっとしゃべってるだけ。
午前中たぶん、10時くらいに会社戻って
ちょこちょこっと仕事したら
もう11時半くらいになって、
お昼でそわそわし始めて、
12時半くらいにみんなうちに帰るんだよね。 |
ノリスケ |
あ、そうなの。 |
つねさん |
おうちでご飯? |
ジョージ |
おうちでご飯。 |
ノリスケ |
あ、そうなんだ。 |
ジョージ |
で、2時半くらいに出てきて、
仕事ちょこちょこっとしたら‥‥ |
つねさん |
バル(笑)? |
ジョージ |
もう5時くらいから晩ご飯のことを。 |
ノリスケ |
あっらー。僕が期待した答えは、
イタリア人は実はすっごい働き者なんだよ、
っていうものだったんだけど。 |
ジョージ |
働かない! |
つねさん |
ぐははは! |
ジョージ |
働かないの〜。 |
ノリスケ |
そこがフランス人と違うのかしらね。 |
つねさん |
ああ、俺、イタリア人だ。 |
ジョージ |
ああ‥‥そうね。 |
ノリスケ |
ああー! すっごい納得した(笑)。 |
ジョージ |
でもね、時間はそうかもしれないけど、
イタリア人はたぶん、
ものすごい集中力で働いてるんだと思うんだ。
でも傍から見たら、全然働いてないんだわ。
でも、それでも、
国が潰れないっていいことかなって思ったり。 |
ノリスケ |
でも、経済危機って言われて久しいよね(笑)。 |
ジョージ |
ま、ローマ帝国が一番絶頂期で、
その後ずーっと衰退してるとは
言われるけれど‥‥ |
ノリスケ |
潰れてはいない。 |
ジョージ |
それでも2000年近く
衰退し続けることができるだけの
絶頂があったって、すばらしい! |