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香りに溺れて。その3




ノリスケ 香りは記憶とすごく結びついてるよね。
僕、ココナッツの匂いって
甘すぎて昔は好きじゃなかったんだけど、
リゾートに行って
その楽しい記憶とくっついてから、
懐かしく思ったり、
好きと言ってもいいくらいになったの。
普段つけたいとは思わないけど、
ふと思い出す感じは悪くないな。
つねさんはそういうのはない?
つねさん うーん。どうだろう。あんまり。
さっきのシャンプーにしてもそうだけど、
そのときは楽しめるけど。
ノリスケ 残るのが嫌なんだ。
つねさん 残るのがあんまり好きじゃない。
ノリスケ 思い出も残さないのね‥‥
だったらしょうがないよね。
でも、ジョージさんも香り好きなのに
あんまり強いのをつけてる感じがしないな。
ジョージ 僕、そんなにつけないよ。
好きだけどね。
ノリスケ それは何でつけないの?
人間的な個性プラス香りだと、強過ぎちゃう?
ジョージ うーん。でも。そもそも僕ね、
甘い匂いがあんまり好きじゃない。
酔っぱらうから、匂いに。
ノリスケ ああ。
ジョージ それとムスク系の匂いが苦手なのよ。
ノリスケ ふーん。麝香系。
ジョージ 麝香。あれはね。
ノリスケ 甘く、苦いよね。
ジョージ うーん。それで、どういうのかなあ。
あれ、体温が上がると匂いが強くなるでしょう?
つねさん バーッと出るよね。
ジョージ 発情の儀式みたいなものよねえ。
ノリスケ まさしくそうね。
ジョージ で、僕、割とね、こうは見えても、
‥‥こうは見えても!
けっこう上がり症なことがあるわけ。
つねさん ええーっ?
ノリスケ ええーっ? もう一回。せーのっ。
ふたり ええーっ?
つねさん もう一回。せーのっ(笑)。
ふたり ええーっ?
ノリスケ 上がり症だって!
ジョージ そうなのよ。
例えばプレゼンとかやってて、
ものすごく自信のあるプレゼンは
全然大丈夫なんだけど、
ちょっと自信がなかったりするとねえ、
しゃべりながらどんどんどんどん
上がってくるの。
ノリスケ へえ。
ジョージ それで、たまに頭がクワンクワン
するようなことがあったりとかして。
ノリスケ へえ。
ジョージ それで、当然その時体温が上がるじゃない。
つねさん うん。
ジョージ それに拍車をかけて匂いがやってくると、もう。
ノリスケ 混乱。
ジョージ そう。興奮が興奮を呼んで
どこにいるか分かんなくなっちゃうの。
ノリスケ 何しゃべってるか
分かんなくなって危険ね(笑)。
ジョージ そう。僕何回かそういう経験があって。
ノリスケ あ、失敗してるってことね。
ジョージ それで、麝香系の匂いをつけると、
あ、どうしよう、どうしようってなる。
つねさん 麝香系って、僕小動物飼ってるんだけど。
ノリスケ はいはい。
つねさん 発情期ってほんとにさあ。
ノリスケ 甘〜い匂いがするよね。
つねさん そうなの。
びっくりしちゃって。
ジョージ その通りだと思う。
たぶん僕は自分で発情を
表現することができるんで。
ノリスケ うわははははは!
つねさん ‥‥要らないのね。
ジョージ そ。他の手段を借りなくてもいいのよ。
つねさん なるほど。
ノリスケ すごい冷静に変なことを言ってると思う。
つねさん ははははは。
ジョージ それがトゥーマッチになっちゃうと、
発情じゃなくてほんと混乱とか
騒乱の方に向かっていく(笑)。
つねさん 騒乱ですか。争うの嫌だなあ。
ノリスケ 獣に獣を足すと偉いことになるっていう。
つねさん けだものに。
ジョージ だと思う。
そんなふうに匂いの中で
いくつか苦手な匂いがある。
ノリスケ 僕はね、そのウリ系、スイカ系は
あんまり好きじゃないの。
好きな匂いは?
ジョージ ボクはフローラルはけっこう好き。
甘さの中でも動物の甘さはダメだけど、
花のどんなに甘いのも大丈夫。
ローズウォーター大好きだし、
フローラル大丈夫。あと、柑橘系は全然大丈夫。
だから、フローラルシトラスとかけっこう好き。
獣だから別の香りで
バランスをとって擬態を装わないと。
ノリスケ つまり草原に隠れるような。
ジョージ そうそうそう。それ。それっ!
つねさん なるほど。ということは
狙った獲物の風下にいるしかないという。
ジョージ それっ!
ノリスケ そうそう。
ジョージ 草の中にオレンジ1個置いて
風下から狙いを定めてる感じ?
つねさん あははは。いいな、それ。
ジョージ あとスパイスノートも大丈夫。

つづきまーす!

2007-03-04-SUN

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