永田 |
はい、お疲れさまでした。 |
西本 |
お疲れっしたー。 |
糸井 |
お疲れさまです。 |
永田 |
ええっと、今日、ふたりは
佐渡島から帰ってきたばかりなんですよね。 |
西本 |
そうです。数時間前に東京に帰ってきて、
そのまま『タイガー&ドラゴン』鑑賞という
よくわからない忙しさです。 |
糸井 |
思ったより遠かったですね。 |
永田 |
けっこうな移動距離ですよねえ。
ぼくも佐渡は行ったことがあります。
いいところでした。 |
糸井 |
でも、フェリーの特別室には
乗ったことがないでしょ?
ぼくと西本さんはなぜか
特別室で過ごすことができたんです。 |
西本 |
ちなみに、こういう部屋です!
|
永田 |
ははぁ、ゴージャスですね。 |
糸井 |
佐渡までフェリーで
2時間かかると聞かされていたんです。
それはどう考えても
退屈な2時間になるに
決まっているだろうと思っていたんですよ。
で、まあ、船に乗り込みましたら、
「お客さまは上の階でございます」と、
パンチパーマの乗組員に案内され‥‥。 |
西本 |
案内されるままに進んでいくと
なんと、特等室ですわ。
ベッドがふたつあって、ソファもあって‥‥。 |
糸井 |
外にデッキまである。
そこに、こう、デッキチェアーがあってね。
あっ、デッキにあるから
デッキチェアーって言うのか! |
永田 |
なにを言い出すんですか。 |
西本 |
当たり前でしょ。 |
糸井 |
あああ、そうかそうか、
デッキにあるから
デッキチェアーっていうのか。 |
永田 |
そうですよ。デッキにあるから
デッキチェアーっていうんですよ。 |
糸井 |
デッキにあるから
デッキチェアーっていうんですね。 |
永田 |
デッキにあるから
デッキチェアーですって
言ってるじゃないですか。 |
糸井 |
デッキにあるから
デッキチェアーだとは思わなかったなあ。 |
西本 |
えっ、デッキにあるから
デッキチェアーなんですか? |
永田 |
もういいよ。
っていうか、さっさと入ってこいよ。 |
西本 |
もうちょい引っ張ってもよかったかと。 |
糸井 |
でね、テレビもあってね、
ふたりでテレビを観たんですけどね。
海の上っていうのは、
テレビがすごくよく映るんですよ。 |
永田 |
へえ、そうなんですか。 |
糸井 |
うん。よくわからないけど、
港にいるときよりも洋上のほうが
明らかに映りがよくなってね。 |
西本 |
せっかく映るならってことで、
『どっちの料理ショー』とか
『うたばん』とか、
ふだんあまり観ないような番組を
きっちり観たりしました。 |
糸井 |
ちゃんと観ちゃったなあ。
でね、そういうふうにテレビを観ても、
あとで感想を言わなくてもいいわけで。 |
永田 |
あはははははは。
ふつう、感想は言わなくていいんですよ。 |
糸井 |
そうなんですよね、じつはね。
まあ、こういうふうに
知り合いとだらだらテレビを観るっていうのも
あんまりないことだなあなんて思いながら
『どっちの料理ショー』を観てね、
「オレはホットドッグがいいなあ」とか。 |
西本 |
「いや、やっぱハンバーガーっすよ」とか。 |
永田 |
だらだらしゃべりながら、船は行く、と。 |
糸井 |
そこでひとつ
おもしろい現象があったんだけどね、
そういうふうに船のゴージャスな部屋に
ふたりでいると、自然と、
「新婚コント」がはじまっちゃうんですよ。 |
永田 |
「新婚コント」ですか。
そういうもんですか。 |
西本 |
ええ。そういうもんです。
「新婚コント」をはじめざるをえない、
という感じです。 |
永田 |
ふたりで「豪華客船で過ごす新婚」という
寸劇を演じざるをえない、と。
客もいないのに。 |
糸井 |
客もいないのに(笑)。
で、「新婚コント」がはじまると、
そこにはある法則があることに気づくんです。
聞きたいですか? |
永田 |
べつに聞きたかぁないですが、
聞かないのも気持ち悪いので
聞きたいですと答えておきます。 |
西本 |
いや、これは聞いておいたほうがいいです。
ぼくらも発見してなるほどと思いました。 |
糸井 |
いいですか?
「新婚コント」をやると、
先に口を開いたほうが
女役になってしまうんです! |
西本 |
これ、ほんと。驚きました。 |
永田 |
‥‥思った以上にくだらないですね。 |
糸井 |
いや、でも、ほんとなんだよ。
どうしてもそうなっちゃうんだよ。 |
西本 |
「‥‥あなた、そろそろ出港ですよ?」とか。 |
糸井 |
「あなた、デッキに出られるわよ?」とか。 |
永田 |
うははははははは。
いかん、おもしろくなってきた。 |
糸井 |
先にしゃべったほうが、妻なんです。
「新婚コント」の法則です。
これを我々は2時間の
船旅のあいだに発見したんです。 |
西本 |
ある意味、大収穫です。
これは今度行く社員研修旅行でも使いますよ。
ぼくと永田さんはずっと同室ですからね。 |
永田 |
うわあ、マジかよ。
オレ、そういうの苦手なんだよ。 |
西本 |
先に話しかけるほうが妻役ですよ?
忘れないようにしてください。 |
永田 |
無理、無理。そういうの、無理。
かといって、夫役として
リアクションするのもできないしなあ。 |
糸井 |
ちなみに、夫役のリアクションも
ひとつ、いいのを発明したんですよ。 |
西本 |
あ、これ、覚えておくといいですよ。 |
永田 |
だから、やんないってば。
ちなみに、どういうの? |
糸井 |
お教えしましょう。 |
西本 |
よく見ておいてください。 |
糸井 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
西本 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
永田 |
‥‥‥‥あのさあ、ふたりともさあ、
これ、文字コンテンツなんだぜ?
くだらないことやるにしても、
もっと文字で表現しやすいことやってよ。 |
糸井 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
西本 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
永田 |
もう、いいから、それは! |
糸井 |
ときどきは、
杯に映った月なんかも眺めて‥‥。 |
西本 |
飲み干したあとは、手酌でつぎ足し‥‥。 |
糸井 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
西本 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
永田 |
‥‥録音テープ、止めるよ? |
糸井 |
というわけで『タイガー&ドラゴン』! |
西本 |
キレイに話がドラマに戻ってきました! |
永田 |
ちっともつながってねえ! |
糸井 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
西本 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
永田 |
いいからドラマの話を! |
糸井 |
おもしろかったねー。
みんながそれぞれの芸を
見せ合うような回でしたね。 |
西本 |
いえてます。なんといっても‥‥。 |
永田 |
いえてますねー。なんといっても‥‥。 |
西本 |
お待ちかねの鶴瓶師匠! |
永田 |
西田さんの芸達者ぶり! |
糸井 |
お。どっちからいきますか? |
西本 |
思ったときに言わないと
忘れちゃうんで、先に鶴瓶師匠でいいですか。 |
永田 |
どうぞどうぞ。 |
西本 |
ようやく鶴瓶師匠の高座が観られるという
うれしい回でしたけど、
鶴瓶さんが落語をしている姿っていうのは
はじめてご覧になる方も多いじゃないですかね。 |
糸井 |
そうだね。 |
永田 |
実際、ぼくははじめてですよ。 |
西本 |
テレビじゃ、まずやりませんからね。
その意味でもたいへん貴重な
機会だったと思います。
まあ、噺は枕だけでしたけど、
うまかったですよねえ。 |
糸井 |
やっぱりうまいですよ。 |
永田 |
うまかった。あの枕でぼくら3人、
同じタイミングで笑わされましたよね。
つまり、3人でふつうに高座を
客席から観ている感じで、
鶴瓶さんの噺で爆笑していたという。 |
西本 |
ちゃんと落語で笑った感じですよね。 |
永田 |
そうそう。だから、ちょっと不思議な感じ。
ドラマの中に入り込んで、
あの客席で鶴瓶さんの落語を聴くような。 |
糸井 |
でも、鶴瓶さんがまったく素のまま
高座に上がっていたかというと
そうじゃなくて、きちんと演技してましたよね。 |
永田 |
ああ、そうですね。 |
糸井 |
「自分の本業はヤクザなんだけど」という
建前がベースにありながらの落語でしたね。
だからどっちかに分けるとしたら
あくまでも演技なんだろうけど、
それにしたってモノが違いますよね。
これまでドラマに出てきた
いろんな「お芝居の落語」のなかで
やっぱりいちばんうまかったですよ。 |
永田 |
純粋に続きが聴きたかったですもんね。 |
西本 |
細かいことかもしれませんけど、
鶴瓶さんの高座では上方落語ならではの
見台(けんだい)が
ちゃんと舞台にありましたね。 |
糸井 |
あと、パチンと叩くやつもね。 |
永田 |
ああ、そうそう。
あれ、ぼくはよく知らないんですけど、
上方の落語はああいう形なんですか。
あの、台みたいなものがあるの? |
西本 |
そうです。 |
永田 |
そうなんだ。知らなかった。
なんていうの、あれ? けんだい? |
西本 |
ええ。「見台」です。
あと、見台の前には
「膝隠し」というものを置きます。 |
永田 |
上方落語の場合、
ああいう形で落語をするんですか。 |
西本 |
そうです。だから、
「東西落語大会」みたいな興業のときは
西の人が出るときには見台が出てきて、
東の人が出るときにはかたづけられるんです。 |
永田 |
ああ、そうなんだ。
ぜんぜん知らなかったなー。 |
糸井 |
しゃべりながら、要所要所で
あの見台をパチン! と叩くんですよ。
だから、東の落語を見慣れてる人が
上方落語を観にいくと、
ちょっとびっくりしちゃったり。 |
西本 |
ぼくは落語を生ではじめて観たのが大阪で、
ずっと上方落語だけを聴いてましたから、
東京の落語を観たときに違和感がありましたよ。
あの、東の落語って、
ふつうに枕をしゃべってたのに、
ふっと急に演技に入ったりしますよね?
上方だと、「これから行きますよ」って感じで
パチン! とやってから入りますから。 |
糸井 |
ちょっと「慣れ」がいるんですよね。 |
西本 |
ほんと、もうちょっと続きが聴きたかった。 |
永田 |
いえてるいえてる。
あと、鶴瓶さんと西田さんのコントも
続きが観たかったですよ。 |
糸井 |
観たかったねえ。 |
永田 |
いや、今日の西田さんは、かっこよかった!
歌あり、コントあり!
どうですかあの芸達者ぶりは。 |
糸井 |
西田さんはほんとすごいね。
できちゃうんだよね、歌もコントも。 |
永田 |
おもしろいとか、うまいを通り越して、
「うわ、かっこいいなあ」と思いましたよ。
泣かせるし、笑わせるし。
ぼくは、「好きな俳優は?」って訊かれたら
もう、「西田敏行です」って答えますね。 |
糸井 |
西田さんはどこに置いてもいいんだね。
だって松崎しげるともやってたじゃん。
松崎しげるが左利きでギターを弾いて‥‥。 |
西本 |
西田さんが即興でブルーズを歌うみたいなやつ。 |
糸井 |
そうそう。 |
永田 |
歌もほんと、うまいんですよね。
『もしもピアノが弾けたなら』っていう
ヒットもありますけど、
大瀧詠一さんのつくった
『イカすぜ、この恋!』っていう歌があって、
そこでの和製プレスリーっぷりたるや
また、かっこいいんですよ。 |
糸井 |
心酔してますね。 |
永田 |
ええ、シビれました。 |
糸井 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
西本 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
永田 |
それはいいから。 |
糸井 |
ところで「裏は花色木綿」という言葉は
聞いたことがありましたか? |
西本 |
ないです。 |
永田 |
知りませんでした。 |
糸井 |
落語好きだと、ああいうサゲのフレーズだけを
意味なく覚えてたりしてね、
誰かが「裏は?」みたいなことを言ったときに
「花色木綿」って返すような
くだらないやり取りができておもしろいんです。
「冬は息子のこたつにまかせております」とか、
そういうフレーズだけを覚えておいて
遊べたりするんですよ。 |
西本 |
なるほど。覚えておきます。 |
糸井 |
ええ。覚えておいてください。 |
永田 |
「裏は、花色木綿」。 |
糸井 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
西本 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
永田 |
だから、それ、文字で表しづらいっつうの。
書くほうの身になれっつうの。 |
糸井 |
いや、しかし、
今回はバラエティー豊かな回ですね。 |
西本 |
そうですね。なにしろぼくは
鶴瓶さんの高座があって本当に満足してますね。 |
永田 |
おもしろいというか、うれしい回でしたね。
なんていうか、この回は、
「いままで観てた人、おめでとう!」スペシャル
じゃないかと思うんですけど。 |
糸井 |
ああ、そうだねえ。 |
永田 |
最初から観てた人ほど、
たのしめたんじゃないかと思いますね。
逆に、この回からはじめて観た人なんかは
「なんかむちゃくちゃだな!」
みたいに思えたんじゃないかな。 |
西本 |
そうでしょうね。
わけがわからないかもしれません。 |
永田 |
あの、「虎児が来ない」っていうシリアスさと、
それを西田さんの歌と
鶴瓶さんの落語でつないでいくっていう
なんでもありの展開は、
これまでの空気を知ってるからこそ
両立させられるわけで。 |
糸井 |
そうだね。いままで観てる人は、
ハラハラしながらもゲラゲラ笑えるけどね。 |
永田 |
だから、このあたりから観ると、
「宮藤官九郎のドラマは
オレにはわからないなあ」
みたいになっちゃうかもしれない。 |
糸井 |
それはいままでの
『池袋ウエストゲートパーク』だとか
『木更津キャッツアイ』とかもそうですよ。 |
永田 |
ああ、そうなんですか。
じゃあ、よく言われる、
放送時の視聴率は上がらないけど
DVDはよく売れるというのは
そういうことかもしれないですね。 |
糸井 |
ああ、だから、ドラマ全体を
「長い1本の話」として観る人が
もっともたのしめるということだろうね。 |
西本 |
こうやって放送を観ている人でも、
あとでDVDで見直すと、
さらに「長い1本の話」として
おもしろがれるんだと思いますよ。
だって、観ながらふと思い出したんですけど、
あの若頭って、じつは新婚ですからね。
そんなことすっかり忘れて観てましたよ。 |
糸井 |
そうか、こないだ結婚したばかりだったね。 |
永田 |
あの若頭は、ケンカのあとも
きれいな顔をしてましたね。 |
糸井 |
強いんだね。 |
永田 |
そう。虎児よりも圧倒的に強いんだろうな、
と感じさせるあたりが
新たな設定としておもしろかった。 |
糸井 |
ずっと観てると、そういう、
「つけ加えられていく設定」が
おもしろいですよね。
おもしろいことをどんどんどんどん
足していくという、
「現場の判断を優先させる感じ」がありますね。
「銀次郎の髪型は変だ」とかね。
そんなこと、いままで
ひと言も言ってないじゃないですか。 |
永田 |
そうですね。
しかも「髪型が変」っていう設定があると、
なんか、これまで観た回までさかのぼって
おもしろく感じられてくるんですよね。 |
西本 |
ああ、そうですね。
「髪型が変」って冷静に感じてるリサが
ビビビビって一目惚れしたわけですし。 |
糸井 |
そのあたりの魅力は
観てない人にスッと伝えづらいですよ。
DVDが欲しくなるのも当然ですよね。 |
西本 |
そういや、
ジャンプ亭ジャンプが
銀ちゃんの髪形をしてましたよね。 |
永田 |
え、そうだった? |
西本 |
違ったかな。 |
糸井 |
ジャンプ亭ジャンプって、
どんどん扱いが軽くなっていってますね。
最初は天才落語家、みたいな扱いだったのに。
いまは「つまんないぞ」
なんて野次られたりして。
登場時はものすごい悪役だったのに、
どんどんふつうの人になっていくという、
いわゆる、
「ちばてつや『ハリスの旋風』方式」ですね。 |
永田 |
登場人物のなかで
おもしろインフレが起こってるんですね。
それはいわゆる
「鳥山明『ドラゴンボール』方式」ですね。 |
西本 |
言うなれば
「あだち充『タッチ』方式」ですね。 |
永田 |
『タッチ』はむしろ逆でしょう。
ていうか、にしもっちゃん、
半年に1回くらい
『タッチ』を持ち出してくるよな。 |
西本 |
意外性を狙っていますが、
効果はいまひとつです。 |
糸井 |
ぼくにはそのあたりのマンガが
いまひとつわかってないんですけどね。 |
西本 |
これは失礼しました。 |
糸井 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
西本 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
永田 |
それはともかく、
今回はヤクザどうしの抗争っていう
いままでとちょっと違う軸が
入ってきてましたね。 |
糸井 |
つまり、暴力っていう要素ですよね。
「こりゃたいへんだぞ」っていう
問題を持ち込んできましたね。 |
永田 |
ドラマが進むにつれて
虎児がどんどん「いいやつ」になってきたんで、
ちょっとワイルド寄りに戻した感じで。 |
糸井 |
虎児がヤクザだということを、
ドラマのなかの人たちも、
観ているぼくらも
すっかり忘れそうになってましたからね。
それを、今回は、じつはキバも爪もある
ヤクザというタイガーなんでござんすよ、
ということを、もう一回、
思い出させたんですよね。
序盤の、クルマのなかで
銀次郎を問いつめるところとか、
わざわざガラスを曇らせたりして
おもしろかったなぁ。
ああいうところで息遣いだとか
迫力だとかをものすごく
意識的に出してましたね。 |
西本 |
気づけば残り数回ですから、
そっちの軸も
動かしはじめたというところでしょうか。
ラストでヤスオが登場しましたしね。 |
永田 |
あの人、どういう扱いになってたっけ?
『三枚起請』で虎児を
木にくくりつけた人だよね? |
糸井 |
けっきょく逃がしたんですよね。 |
永田 |
で、1話で戻ってきたんだっけ?
‥‥あれ? どうだっけな。 |
西本 |
どうでもいいんですけど、
ぼく、いっつもあの役者さんを見ると、
いっこく堂さんと間違えるんです。 |
糸井 |
そういえば似てますね。 |
西本 |
あの人、火曜サスペンス劇場みたいなのにも
ときどき出てくるんですよ。
で、そのたびに「いっこく堂?」って
思っちゃうんです。
ところがべつに腹話術をやるわけでもなく、
ふつうに殺されたりして。 |
永田 |
あははははは。なにを言ってるんだ(笑)。 |
西本 |
いっこく堂がゲストっぽく出てるかと思うから
どこかで腹話術のひとつでもやるんだろうと
期待しながら観ちゃうんですよ。 |
糸井 |
じゃあ、なに? 年末のスペシャルも
「いっこく堂?」って思いながら観てたわけだ。 |
西本 |
ええ。ほんとにそうですよ。
「さすがクドカン。
ここで、いっこく堂を出すとは
ナイスセンス!」とすら思ってました。
ところがなにもしない。
「声が」「遅れて」「聞こえて」「クルよ」
もなしですから、あれ? って。 |
糸井 |
にしもっちゃん。
あの人はいっこく堂じゃないんですよ。 |
西本 |
ええ。そのとおりです。
ヤスオはいっこく堂じゃない。 |
糸井 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
西本 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
永田 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
糸井 |
やればできるじゃないですか。 |
永田 |
ええ、勉強させてもらってます。 |
糸井 |
今週はまあ、こんなところですか。
ほかに小ネタとしてなにかありますか。 |
永田 |
ほんとうにどうでもいいことですけど、
劇中劇の部分で、
鶴瓶さんが標準語なのがおもしろかった。 |
糸井 |
ああ、あれね(笑)。 |
永田 |
すごい違和感だった(笑)。 |
糸井 |
あれは、撮影現場はおかしかっただろうね。
こう、鶴瓶さんが言い訳をしながらね。
「カット!」の声がかかるたびに
「(ダミ声で)ほんましんどいわ〜」 |
西本 |
「(ダミ声で)案外うまいでっしゃろ?」 |
糸井 |
「(ダミ声で)覚えてるで〜」 |
西本 |
「(ダミ声で)覚えてるで〜」 |
永田 |
どうして人は鶴瓶さんのことを話すときに
モノマネしたがるんですかね? |
糸井 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
西本 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |
永田 |
(黙ってゆっくり盃を飲み干す) |