アムスでダンス。 J-POPはオランダの夜に流れる |
オランダのアムステルダムで、 日本人の移民であるリオ吉さんが、 J-POPを主体としたクラブイベントを 行っているそうです。 チューリップと運河の街 アムステルダムに流れるJ-POPは、 ちょっとステキじゃないかと思うのですが、 どんなもんでしょう? 実現までの話しから、その反響、 さらにリオ吉さんの見たオランダのことまで、 お話してもらうことにしました。 |
第11回 J-ポップなみなさんへ こちらで生活をしていると、 日本製の物に触れないで一日を終えることは 難しいほど、日本製の品々は浸透しきっています。 AV機器を始め、 自動車、カメラなどから、 コピー機などの事務用機器と 日常生活で目にするものから、 建設機械や工場の重機なども多いようですから、 もはや日本製の物がないと 仕事が成り立たないという人も少なくありません。 日本の皆さんの日々の努力は 確実にこちらの人々の生活の役に立っています。 とっておきのお昼にお寿司を選ぶオランダ人も 普通になってきましたし、 古い日本家具を売るアンティークショップなども 人気があるようです。 それにもし、音楽制作に携わっていたりすると、 シンセサイザーやギター、ピアノなどの楽器に 質の高い日本製のものを愛用している人は多いですし、 ミキサーやサンプラー、シーケンサーと、 こちらも日本製の機器がなかったら 制作現場が成り立たないような気がします。 おおげさに言うと、ヒップホップやテクノなどは そういう日本から出てきた機器がなかったら 生まれていなかったといえるかもしれません。 翻って、日本製の音楽自体はどうでしょう。 第一回目でも申しましたが、 とにかく残念なことに日本のポップミュージックは 未だ一般のオランダ人の耳にはほとんど届いておりません。 仕事で音楽を聴いているような人々の間での 日本のポップミュージック(J-ポップ)への関心は 確実に高まっていますが、 そういう人のところへさえも 音自体がまだまだほとんど届いていません。 お米でもビデオでも車でも何でもそうですが、 作る人がいて、運ぶ人がいて、買う人がいる。 ですが、日本の音楽の海外での展開に関しては、 まだその「運ぶ人」が決定的に欠けています。 確かに簡単な事ではありません。 聞いたことのないアーティストのCDを 買う人はほとんどいませんし、 聞いたことのないアーティストのコンサートに 出かけることも稀でしょう。 まず聞いてもらう場を作らなければなりません。 J-ポップに関しては、 そこからはじめていかなければいけない段なのです。 そしてレヴューやインタビューを読んだりと 情報を手に入れられる場も必要です。 もちろんCD自体も誰かが持ってこなければいけません。 しかし、時代はインターネットです。 過去には出来なかったことが 試みられるようになってきています。 そして試みないことには、 何事も広がることはありません。 「ほぼ日」自身もそうなんですが、 そして「ほぼ日」の読者なら 自信を持って賛同してもらえると思うのですが、 今、音楽に限らず日本のポップシーンでは 本当に面白いことが起こっています。 後は世界に繋げるサーキットを作ることだけです。 それが出来れば世界中の人々が、 街角で日本の音楽を自然に口ずさむようになるのも 決して遠い日のことではないように思えます。 リオ吉も出来ることは何でもやって行きます。 さらに、日本のミュージッシャンや レコード屋さんの皆さんに、 声を大きくしてよびかけます。 「どんどん世界に出てきてください。 世界は常に新しい音楽を待っています。」 「難しいのは愛することだ。 音楽は人に、この最大の困難に立ち向かうよう、 覚悟させることができる。」 ――ジョン・ブラッキング (『音楽という魔法』 ミッキー・ハート&フレドリック・リーバーマンより) リオ吉 |
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2003-12-03-THU
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