じゃあ、道具の話をしましょう。 | |
はい、道具。 | |
いろんなコーヒーの淹れ方をしてきましたが、 ぼくらが今、落ち着いているのは‥‥ |
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ペーパードリップ。 | |
ペーパードリップ。 こういうドリッパーで、ね。 |
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コーノ式です。 | |
そう、コーノ式。 たいがいは、これで淹れてます。 でもコーノ式の話は長くなりそうなので、 あとまわしにしまして‥‥どうしましょう? |
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やっぱり、ミルでしょうか。 | |
ミル。 焙煎したコーヒー豆を、粉にする道具のことです。 ぼくのは、こういうので。 |
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カリタのコーヒーミル。 | |
ごく普通のミルだと思います。 | |
普通なんでしょうけど、 みんなが持っている物ではないですよね。 |
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そうか‥‥。 「おおげさ」な感じなんでしょうか、やっぱり。 |
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おおげさ。 | |
いや、必要以上に 「本格的!」と思っている人も多い気がして。 |
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ああ‥‥。 ミルを使う習慣がある人には当たり前でも、 そうじゃない人にとっては、 ちょっと敷居が高い印象があるかもしれませんね、 わざわざミルで豆を挽くのって。 |
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ぼくが「ミルで豆を挽いてます」と話すと よく言われるのが、 「優雅ですね」という感想なんです。 |
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優雅‥‥。 ウサギと暮らしているし。 |
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それは別に優雅じゃないです(笑)。 ウサギとの暮らしは、もっと滑稽なものです。 |
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そうですか。 | |
ウサギの話はともかく。 優雅とはほど遠いということです。 |
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あれですね、「優雅ですね」と思われるのは、 いちいちミルを回すのが面倒くさそうっていう イメージがあるからじゃないでしょうか。 |
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そう、そうなのだと思います。 だから、 ‥‥あの、核心にせまる話をしてもいいですか? |
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は、はい。 なんでしょう。 |
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このコンテンツで いちばん言いたかったことを言っていいですか? |
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こんなに早く、そんなに大きな発言を‥‥。 山下さん、大丈夫ですか? |
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大丈夫だと思います。 この想いに、ブレはないので。 |
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では、どうぞ、語ってください。 | |
「自分で豆を挽いてコーヒーを淹れるのは、 思っているほど面倒じゃないですよ?」 |
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‥‥‥‥‥‥。 あ、え? 終わり? |
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終わりです。 | |
そうですか、シンプルですね。 ‥‥でも、はい。 それほど面倒ではないです。 「未体験の方は一度やってみてください」 っていう気持ちはありますよね。 |
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ものぐさなぼくでさえ、 毎日、回し続けていますので。 |
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このミルは、いつごろ買ったんですか? | |
あれはせがれが4才のころだから‥‥11年。 ‥‥あ、もう、10年以上回してるんだ。 |
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へえー。 | |
自分で挽いてみたら、 楽しくて簡単で、その上おいしくて。 しかも、豆のままで保存すると香りが長持ちする! |
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それ、ポイントです。 | |
豆の保存については、また語りましょう。 とにかく、その11年前からずっとですね。 ‥‥福田さんの、ミルは? |
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今は、こういうのを使ってます。 | |
細長いタイプの。 携帯用なんでしょうかね? |
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ええ、たぶん。 きっと山下さんのミルの方が 豆にとってはいいんでしょうけど、 ぼくはこれが使いやすくて。 |
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使いやすい。 | |
幸せに豆が挽けます。 | |
ああー、はい、そうですよね、 豆を挽くのは、その時間そのものが、 もう、幸せですよね。 |
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ゴリゴリやってると、香りがしてきて。 このときの香りがいちばん好きです。 |
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そう! 淹れた後よりもね、 挽いているときのほうがいい香りかも。 |
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ほっとします。 | |
じゃあ、福田さんは、 なにしろ使いやすいミルを探したと。 |
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いや‥‥ このミルを選んだ最初の理由は他にあって。 |
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ん? それは? | |
ぼく、実はアウトドアっていうか、 外で飲むのにあこがれてたんですよ。 |
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外でコーヒーを。 | |
はい、自然の中で。 | |
‥‥沼のほとり、とか? | |
やめてください(笑)。 | |
じゃあ、池? | |
いやいや(笑)。 | |
川? | |
カッパの話がしたいだけじゃないですか。 山です。 |
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山。 | |
山に登ってちいさなコンロでお湯をわかして飲む っていうのをやりたかったんです。 そんな勇ましい自分の姿をイメージして、 携帯に便利なこれを買いました。 |
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ああー、ここでもまた、かたちから(笑)。 | |
そうです、胸を張って言えます。 いつだってぼくは、かたちからです。 |
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いいと思います。 (道具のお話、つづきまーす) |