怪・その36

「子供の特徴」



ある看護師の方が体験した話です。

当時、彼女は病棟看護師でした。
彼女が受け持つある患者さんは、
容態がとても安定しており、
数日後には退院を控えていました。

いつものようにその患者さんのベッドへ向かうと

「ついさっきまでここにいた子供が
いなくなってしまった」

と訴えました。

てっきり、
お孫さんが病室から出て
病棟内で迷子になってしまったのかと、
そのお子さんの特徴を聞き出すと、

「のっぺらぼうの子なのよ」

と言うのです。

とにかくその特徴しか言いません。

普通なら名前、着ている服の色や柄、
年齢性別など伝えると思うのですが。

そんな、つい耳を疑うような
発言をするような容態でもなく、
常に受け答えはハッキリしている、患者さんです。

彼女は心臓がバクバクしながら
その話を聞いていましたが、
絞り出すように

「わかりました。探しておきますね」

とだけ言い、
バイタルチェックを済ませて病室を後にしました。

同じ日の深夜、患者さんは急変し
息を引き取りました。
あんなにお元気で、退院も間近だったのに。

最初はあまり気にしていませんでしたが、
その後、彼女がその後に受け持った患者さんに、
同じような「のっぺらぼう」の子供を見た方が
何人かいました。

その子供を見た方々は全員亡くなっています。
明らかに異形なのに、誰一人として怖がらず、
ただの子供の特徴として
「のっぺらぼう」と言っていたそうです。

自分の受け持つ患者さんが、
またいつ言い出すのかと思うと
気が気ではなかったそうです。

その後、彼女は外来へ移っています。
その場所は、現在は内科病棟ですが、
かつては小児病棟だったそうです。

(担々麺)

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2024-08-27-TUE