EU議会議員選挙も終わったイタリアでは、
ベルルスコーニが政府のリーダーの座を確立しました。
もっとも、獲得投票数は予想を下回る結果でしたが。
それを彼は、だれのせいにしたと思いますか?
サッカーマーケットのせいだと言うのです。
開票の結果、期待された40%には届かず、
彼が得たのは36%前後の票なのが分かったとき、
すぐさま彼はテレビで言いました。
「カカの譲渡の件で、
少なくも2百万票ほどは失ったろう‥‥」と。
それはいささかオーバーな言い方だとしても、
確かに、ACミランのティフォーゾにとっては、
カカの譲渡はマイナスの衝撃でした。
しかし、それが選挙の結果に反映しているとしたら、
自由の国イタリアとしては、悲しいことです。
ティフォーゾたちがショックを受けていても、
投票する時には冷静に政治的な判断をしていると、
ぼくは、そう思いたいのです。
イタリアで政治的な投票が行われていたころ、
すでにレアルへの移籍が決まったカカ本人は、
故郷のブラジルにいました。
移籍の公式発表は投票日の後でという、
合意がなされていたのは明らかなのですが、
彼はすでに、レアルのシャツに
サインをしていたそうです。
そして移籍が正式に発表されると、彼は、
全世界のテレビに向けてこう言いました。
「ぼくは最高に素晴らしい6年間を
ACミランですごしました。
でも現実的に経済危機のせいで、ACミランは、
ぼくを手放さざるを得なかったのです」と。
お定まりのフレーズのように聞こえますが、
その数日後に同じレアルが、
もうひとりの世界的スーパースターである
クリスチャン・ロナウドも購入したと発表した時、
カカの言葉は、より真実味を増したのです。
さて、ACミランからは
カルロ・アンチェロッティ監督も
チェルシーに移りました。
彼はまだ19歳のブラジル人選手、
ACミランがカカの穴埋めと目している
パトを欲しがっていますが、
肯定的な返事がもらえていません。
だれか他の選手をさがすしかなさそうですね。
その間に、宿敵インテルでは、
パトとは逆にキャリアの日暮れ時にさしかかっている
カルヴァロとディ・デコの購入を認めました。
すでにポルトやチェルシーで
彼らを監督したことのあるモウリーニョ監督は、
彼らがインテルに来ることにご満悦でしょう。
しかしインテルには、まだ
イブラヒモヴィッチの問題が残っています。
イブラヒモヴィッチと言えば、
イタリアのカンピオナートで5シーズンを戦い、
勝ち続けた選手です。
ユヴェントス時代の2回の優勝は、
八百長スキャンダルで取り消されましたが、
ルチアーノ・モッジに買収された審判らと彼は、
何の関係もありません。
そして当然ながらイブラヒモヴィッチは、
イタリアでスクデットを勝ち取るための
決定的選手とみなされています。
ところがモラッティ会長と彼は、
UEFAチャンピオンズ・リーグで
マンチェスターUに敗退した直後に大げんかをし、
会長はバルセロナに赴いて彼の譲渡を申し出ました。
それでもイブラヒモヴィッチ本人は、
いつどこに自分が行くかは自分が決める、
と言っています。
インテルはイブラヒモヴィッチの代わりとして、
エトーを望んでいますが、
エトー本人は移籍を望んでいないように思えます。
というのも、あと1年で彼は自由になり、
彼を望むチームは、
バルセロナではなく彼に、
契約金を支払う形になるからです。
エトーも望めないとなれば、
モラッティはイブラヒモヴィッチに
残留を説得しなければなりません。
ミリトとモッタの購入については、
すでにジェノアに支払いを済ませていますが、
インテルがイタリアのカンピオナートを
制し続けるためには、
彼らだけでは不十分な恐れがあります。
モラッティはイブラヒモヴィッチの年俸を
2千万ユーロまで引き上げるつもりですが、
果たして、これで足りるのでしょうか?